議事録

資源エネルギーに関する調査会 2021年2月24日

204-参-資源エネルギーに関する調査会-003号 2021年02月24日

○森屋隆君 立憲・社民共同会派の森屋隆でございます。質問の機会をいただきまして、感謝申し上げます。
 また、本日は、三名の参考人の先生方、大変お忙しい中、本当にありがとうございます。
 それでは、質問をさせていただきます。
 まず、岡部参考人に二点お伺いをしたいと思います。
 私は、公共交通機関で働いてきました。鉄道やバスは自家用乗用車に比べて単位輸送量当たりのCO2の排出量が少ないということで、環境負荷を少なくするためにはマイカーから公共交通へのシフトを促すことが必要であると、こういうふうに言われています。
 岡部参考人は、自動車の製造に不可欠なレアメタル、レアアース資源、またそのバックヤードを含めた問題について論じております。今後は電気自動車が増えまして、それが主流になると、こういうふうに考えられますけれども、そのような状況においてもこの公共交通機関は環境負荷が少ない交通機関であるかどうかと、そういうことが言えるかということが一点目であります。
 二点目については、世界的に見ればこのレアメタルの埋蔵が枯渇する可能性はない一方で、レアアースのように供給源の偏在、すなわち製錬所も環境対策の不十分な国に偏っていると、こういうふうに指摘をされています。
 そこで、国内での製錬所の整備が必要と思われますけれども、ただ、製錬所の整備に技術的な問題がないとしても、先ほどありましたように、リサイクルを含め環境コスト面での困難であれば、環境コストを下げる、つまり環境規制を緩くしなければ無理なのでしょうか。そういった点で、国内でのレアメタルの製錬環境の充実に向けた施策の在り方についてお考えをお聞かせください。

○参考人(岡部徹君) まず一点目の、森屋先生からの、電車を始めとする公共交通、これは資源の消費のみならず、エネルギーという観点からもすばらしくエコです。逆に言いますと、電気自動車等は、いろんな高速道路でだっと並んでいて渋滞に巻き込まれて、一人一人はみんな快適なのかもしれませんが、これはすさまじくエコではありません、はっきり言いまして。
 ただ、人が今後何を求めるのかというところは違いまして、私は、将来はやはり電車とか公共交通、ここは、いわゆる資源消費のみならず、エネルギー、あと社会性という意味でもこれは重点的に進めるべきだと思います。逆に言うとファンシーな乗り物ですね、御自身が使われる。場合によっちゃ二酸化炭素は出さないのかもしれない、もうこれははっきり言って趣味の世界でいいのかもしれません。というのが一点目の私なりの見解ですけど、これはいろんな人がいます。将来はレアメタルをじゃぶじゃぶ使ってもそういった自動運転のものをがんがんやるべきだという考えもあるかもしれませんけど、私はそうではないとは思っております。
 あともう一つ、例えば、日本は環境規制が厳しいからレアメタルの製錬はできないし、有害物の処理が結構コストが掛かる、もうおっしゃるとおりです。逆に言いますと、ある施策を設けて特区みたいなのをつくって、ここはこういう環境規制でいいとか、そういうのをつくってもいいかもしれません。なぜかといったら、日本は異常に環境規制が厳しい。まあ、それによって害悪も生じなくていいのかもしれませんけど。
 一例を御紹介させていただきますと、例えばアメリカの鉱山では、あるところでは直接山に硫酸をぶっ掛けます。何が起こるかといったら、酸化した銅鉱石が硫酸で溶けて、下の方には硫酸酸性の硫酸銅の池ができます。そこから銅を取り出す。アップル社で講演したときに、これアリゾナと書いてあるけど本当に我が国かと聞かれたんですけど、そうだ、お隣だと、隣の州だと。そういうことが行われています。
 要は、環境というのは、地域によって緩めるということは十分、例えば、日本はそれはないですけど、アメリカとかでは行われています。そういった観点では、やればいいんじゃないでしょうか。ただ、日本の場合は直接硫酸を山に掛けてとかいうのはもちろん駄目ですけど、今のは極端な例ですけど、そういったことで今も銅とかは結構な割合は生産されているという実態を御紹介したくて、今日お答えします。

○森屋隆君 ありがとうございます。
 次に、所参考人にお伺いしたいと思います。
 現下、深刻なコロナ感染症によって自動車の、先ほどありました、利用も増えていますし、また、このマスクのごみなどが増えています。環境負荷が大きくなっていること、この現状に懸念をしているんですけれども、そこで、コロナと環境の問題について、特に資源環境の観点からどういった課題があり得るか、お聞かせをいただきたいと思います。

○参考人(所千晴君) ありがとうございます。
 このコロナで移動が大分制限されたことによって、目下のエネルギー的な部分では少し環境負荷が下がったというふうな報告もありますけれども、御指摘のとおり、一部のプラスチックごみ、あるいはマスクといったようなものは増加しているというふうに言われています。
 これ、今日は主に金属資源のお話をさせていただきましたが、一方で、このプラスチックごみ、それからガラスのようなものですね、金属よりも更にそれぞれの経済価値はそれほど高く、あっ、ごめんなさい、機能はすごく高いんですけれども、元素としての価値はそれほど高くないというものをどうやって我々はより資源としてうまく利活用していくかというのはすごく大きな問題です、課題があります。
 その場合は、今日は貴金属あるいは金属なのでメタルの価値に注目してお話し申し上げましたけれども、こういったものは、プラスチックとかガラスといったものは、その機能を余すところなく使うという処理法が求められていく。そうすると、金属よりも更に小さなループで、これは地産地消に近いかもしれませんけれども、ちょこちょこと小さなループでこれをうまく機能を使う仕組みづくりをしていかなければいけないということになるというふうに思います。もちろん、そのための分離とか後処理技術の開発も必要ですし、それからその仕組みづくりが必要だと思います。総じて、金属よりもより小さな規模で機能を余すことなく使っていく、ごみにしないということが求められると思います。
 それからもう一点、金属の観点からいいますと、製錬所も、今、基板とか一部の樹脂は受け入れているんですね。ただ、それは非常に限りがあります。というのは、やはりその後に副産物に影響が出るからですね。ですので、もちろん製錬所などもこういった金属だけではなくて樹脂のリサイクルにも一部は寄与できますから、どういう寄与ができるかというのを製錬所側も更にもう一歩考えるようなことも必要かと。そのときに考えなきゃいけないのが、その副産物への影響です。
 先ほど、ちょっと岡部先生への御質問にも重なるんですけれども、その副産物をうまくサプライチェーンに乗せられるというか、ごみにせずに利活用していくということができたらもう少し販路が広がっていくんじゃないかと思います。特に、金属の有害元素というのはどこかに拡散していくものではないので、うまくコントロールして使うという概念が考えられるものなんですね、例えば鉛とかヒ素とかですね。少しぐらい混じっていても、コントロールして使えるのだったら利活用していくという考え方もありますし、そういったことも含めて、入口から出口まで、金属に限らず広く見ていくことが大事かなというふうに思います。
 以上です。

○森屋隆君 山冨参考人にお伺いをいたしたいと思います。
 鉱床が持つ地質学的な自然条件は、技術とそして資金を駆使しても改変不能ということなんですが、言い換えれば、自然条件によって採掘できる鉱量が決まるということでよろしいんでしょうか。そしてまた、自然破壊が進まないためにも、コストが掛かってでも都市鉱山、リサイクルを推し進めていくことには、山冨参考人の方は賛同しているということでよろしいんでしょうか。二点でございます。

○参考人(山冨二郎君) 後ろの方からお答えいたしますけれども、もちろん、私は鉱山のことをやっておりますので、今日はそういう話をいたしましたけれども、十分リサイクルから出てくる金属はやっぱり必要だと思っておりますし、今後もそれはどんどん進んでいくといいますか、鉱種も金属種もいろいろ広がっていくことを望んではおります。それは必要なことだと思っています。
 それから、最初の御質問が、自然条件で決まってしまうか。なかなか難しいところではありますけれども、やはり深くなったりいたしますと掘ることは難しいということは現実に存在しますし、掘れてもコストも掛かる、したがって、制約を受けるということはあり得ます。

○森屋隆君 ありがとうございます。

○会長(宮沢洋一君) 他に御発言はありませんか。
 竹内真二君。

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