議事録

国土交通委員会 2020年12月1日

203-参-国土交通委員会-003号 2020年12月01日

○森屋隆君 おはようございます。
 立憲民主・社民の森屋隆です。質問の機会をいただいたことに感謝を申し上げます。
 ただいま議題となりました法律案について質問をさせていただきます。
 提出者の趣旨説明の中に、「交通政策基本法について、地域社会の維持及び発展の観点を明記し、赤字路線への補助は行わないというこれまでの運輸行政の在り方を転換し交通に関して国が支援を行う根拠となるような改正などを行う」としています。具体的には、改正案のどの部分に示されているのでしょうか。この辺について教えていただきたいと思います。

○衆議院議員(盛山正仁君) 御質問ありがとうございます。
 この法案の第二十条におきまして、地域の活力の向上に必要な施策として、「輸送サービスの提供の確保」を新たに加え、たとえ採算が取れないような輸送サービスであっても、地域の維持発展のために必要と考えられるものであれば、その輸送サービスの提供が確保されるよう、赤字の輸送サービス路線に対して、国、地方公共団体が助成その他の支援策を講ずる根拠を設け、そして必要な輸送サービスを提供できるようにすることとしたところであります。
 加えまして、交通手段の確保について規定している第十六条においても、「社会経済情勢の変化に伴い、国民の交通に対する需要が多様化し、又は減少する状況においても」を新たに加え、たとえ採算が取れない路線等であっても、日常生活等に必要不可欠な移動を円滑に行うことができるようにするために、国、地方公共団体が支援策を講じ、その交通手段を確保できるようにするとしたところでございます。

○森屋隆君 ありがとうございます。
 地方公共交通、大変厳しい状況にありますから、よろしくお願いしたいと思います。
 次に、交通事業者の厳しい状況に鑑み、国の補助金だけではなくて、特に災害時など、機動的に対応できるような基金的な財政的支援基盤も私は必要ではないかと、このように思います。この辺についてお考えをお聞かせいただきたいと思います。

○衆議院議員(盛山正仁君) 委員の御指摘、そのとおりだと思います。
 災害時等の場合におきまして機動的に対応できるようにしておくことの重要性、本当にこの数年、毎年のように大規模な災害が起こっております。何とかしなくてはならないと私も感じておるところでございます。
 地域住民の皆様のための交通サービスを維持、提供してもらうためにどのような支援を行うかにつきましては、この法律ができた上で、今後、国、地方公共団体、その他関係者も含めて今後検討していく必要があると考えておりますし、また、進めていただきたいと考えているところでございます。

○森屋隆君 ありがとうございます。是非この基金についても引き続き検討をお願いしたいと、このように思います。
 続いて、今回の改正案では、交通政策基本法の第二十一条において、「、人材の確保(これに必要な労働条件の改善を含む。)の支援」が盛り込まれることになりますが、先日の質疑でも質問をさせていただきましたが、人材の確保はこの公共交通において切実な問題であり、改正案に明記されたことを大変歓迎をしています。どのような背景でこのような改正案の御提案になったのか、教えていただけますでしょうか。

○衆議院議員(小宮山泰子君) 御質問ありがとうございます。
 今回の法改正に当たり、働く方の団体を含め、幅広く様々な御意見を伺わせていただきました。その中で、委員も御指摘のとおり、例えば公共交通事業やトラック事業など交通事業においては人材の確保が切実な問題になっております。ということで、様々な御意見をいただいてまいりました。
 そこで、本法案は、交通に関する事業の健全な発展を図るため、事業基盤の強化に加え、国が人材の確保の支援を講ずることを明記いたしました。また、人材確保のためにはそこで働く方の労働条件の改善が必要であるため、労働条件の改善の支援を講ずることも明記いたしました。
 本法案によって必要な人材の確保が実現し、交通事業の安定的な運営に寄与することを期待しております。

○森屋隆君 ありがとうございます。本当に、現場の声を取り入れていただいたということで、本当に心からの感謝をしたいと思います。
 最後になりますけれども、公共交通は、当然、高齢者や障害者など交通弱者にとってこそ利便性の高い交通機関であるべきだと私は思っております。しかし一方で、利用者の減少によって路線の廃止や駅の無人化などが進んでいるのも事実でございます。
 今回の法案改正案を作られる中でこの辺に関してはどのようにお考えになられたのか、教えていただきたいと思います。よろしくお願いします。

○衆議院議員(小宮山泰子君) 国内交通網は通勤、通学、また通院などの生活基盤であることから、利用者の減少による路線の廃止や駅の無人化が進むことは地域社会の維持及び発展に影響を及ぼすおそれがあることと考えています。
 本法案は、交通政策は厳しい社会経済情勢の下にあっても地域社会の維持及び発展に寄与するものとなるように行わなければならないとの問題意識などから提案したものであり、地域社会の維持及び発展のために必要な施策を講ずる旨を規定する二十条の改正や、交通弱者を含む国民の日常生活等に必要不可欠な交通手段の確保等について規定している十六条の改正を始めとした本法案により、委員御指摘の路線の廃止や駅の無人化への対策を含めた交通弱者に対する施策が一層進められることを期待しております。

○森屋隆君 どうもありがとうございます。
 この委員会でも、バリアフリーを始め、そういった意見が多々あったかと思います。現在、二〇二〇年三月現在でありますけれども、日本の駅、九千四百六十五駅あるそうですけれども、このうちの四千五百六十四駅がもう既に無人化になっているというふうに、全体の四八・二%が無人駅だということでございます。無人駅の増加に伴って転落事故など、こういったことで、安全面での課題も少なくないと私は思っております。
 是非、このバリアフリー、ハード、ソフト面を含めてですけれども、事業者任せにせず、ユニバーサルデザインの共生社会の推進に向けて更なる国の支援をお願いをして、質問を終わらせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。

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