議事録

国土交通委員会 2020年03月18日

○森屋隆君 共同会派、立憲・国民.新緑風会・社民の森屋隆です。
 質問の機会をいただいたことにまずは感謝を申し上げます。
 まず、新型コロナウイルス対策関連についてお伺いをいたします。
 赤羽国交大臣は、三月六日の国交省コロナウイルス感染症対策本部にて、大臣発言として観光関連産業等への対策について述べられておりますし、三月十日の国土交通委員会においても、学校の一斉休校やイベント自粛などによって更に厳しい状況に追い込まれている全国の貸切りバス事業者四千三百二十四社の一社たりとも倒産や従業員の解雇などがあってはならないと、しっかりとしたプッシュ型の対策によって守っていくんだと、このように答弁をしていただきました。この大臣答弁には、私も本当に力強さを感じた次第でございます。
 そして、大臣も御承知であると思いますが、観光産業、貸切りバス業界というのはこのような状況のあおりをまともに受ける業種でありますし、また回復に至ってはその逆でありまして、今後、政府が様々な対策を生じ、景気回復後にあっても、その恩恵を受けるのは実は大変時間が掛かる、ある意味最後の業種と言っても私は過言ではないと思います。
 したがって、是非とも、この貸切りバスの一社たりとも倒産をさせないために、これまでの発想や前例にとらわれないインパクトのある財政支援とは一体何なのか、国土交通大臣としてのお考えを具体的にお聞かせいただきたいと、こういうふうに思います。

○国務大臣(赤羽一嘉君) 今お話しいただきましたように、特に、観光関連でも貸切りバス事業者というのは中小企業の方が多いと承知をしておりまして、ややもすると、役所の仕事というのは相談したところに対して受け身で対応するというようなことが傾向にあったわけでございまして、省の対策本部の中で、それではいけないということで、こちらから相談に足を運ぶというか、連絡を取るということで、四千三百二十四社、貸切りバス事業者あると承知をしておりますが、全部に連絡を取りながら、一週間で、今吸い上がっているところは、千七百三十一社からその状況を聞かせていただいているところでございます。これは引き続き、三月の十三日現在でございますので、これは継続をしておりますので今はもう少し増えているかと思います。
 そうした中で、様々な厳しい状況が伝えられておりまして、先ほど御答弁させていただきましたように、資金繰りの支援とか雇用維持への支援について雇用調整助成金とか、セーフティーネット貸付・保証について要件緩和しているところをお知らせしております。
 ただ、企業によっていろいろでして、実質、無担保無保証でありながら、これまでも貸付けを受けているところは現場ではやっぱり審査があるわけでありますので、なかなか借りにくいですとか、また、雇用調整助成金については申請が結構面倒くさいとか、そうしたこともありますので、手続の簡易化とその決着の迅速化というのは政府部内でもお願いをしているところでございますし、また、雇用調整助成金、中国縛りは外れましたが、あっ、違う、済みません、ちょっといろいろなことをやっていてごちゃごちゃになっていますが、雇用調整助成金の特段の措置については北海道だけの地域縛りもありますので、これも何とか今政府部内でしっかりと外してほしいという要望も強いですから、そうしたことをやることによってより有用、ためになる、本当に支援につながる支援策をつなげていきたいと、こう思っております。
 これは、私は頭で考えているというよりも、全社の皆さんから聞いたヒアリングでその現場の声を生かしながら、総理自らも前例にとらわれない大胆な措置をとるというふうに言明されておりますので、そうしたことができるだけ実現できるようにしっかりと取り組んでいきたいと、こう考えております。
 で、反転攻勢に転じるというそのときに、貸切りバスだけじゃありませんけれども、その観光関連事業者が随分傷んでしまっては反転攻勢に出れませんので、そうしたことが毀損されないように、一件も潰さないというのは、私はそうした思いで申し上げているということを付け加えたいと思います。
 以上です。

○森屋隆君 大臣、ありがとうございます。
 本当に、こちらから自らアプローチをしていただいて、そして事業者の方にいろんな状況を聞いていただいているということで、本当にありがとうございます。
 しかしながら、既にもう待ったなしの状況にあると思いますし、いまだ出口も見えない状況です。そして、バス車両に対する返済、これも大変厳しいと、こういうふうに伺っていますから、二十年前の規制緩和以降、この貸切りバス事業者、本当に大変な思いをしています。このままでは本当に貸切りバス業界で働く方々が報われないと、こういうふうに思いますから、是非とも赤羽国交大臣の御尽力をお願いしたいと、このように思います。
 次に、鉄道の女性専用車両について伺いたいと思います。
 一般的には、二〇〇〇年のこれ京王電鉄の試験運行から始まり、二〇〇一年以降に鉄道各社の自主的な努力によって広がり今に至っていると、こういうふうに思います。女性活躍が期待される社会において欠かせないサービスに既になっていると考えます。
 女性専用車両の実施状況とその意義について国交省のお考えを教えていただきたいと、このように思います。

○政府参考人(水嶋智君) お答えを申し上げます。
 先生御指摘のとおり、女性の社会進出の推進という観点からも、鉄道において女性が安心して通勤通学できる、痴漢が発生しにくい環境を整備することは重要であるというふうに考えております。このため、鉄道車両内における痴漢防止の対策の一つとして、利用者の理解と協力の下、鉄道事業者において女性専用車両が導入をされてきております。
 この導入状況でございますけれども、これも先ほど委員御指摘のとおり、平成十三年に京王電鉄において初めて導入をされまして、平成三十一年四月一日時点では、JRや大手民鉄を中心に、全国の三十二事業者八十七路線において導入をされておるということでございます。
 また、鉄道事業者におきましては、痴漢防止の対策として、こういった女性専用車両の導入のほかに、車内防犯カメラの設置でございますとか、ポスターや車内・駅構内放送により痴漢防止を呼びかける痴漢撲滅キャンペーンの実施などの取組も行っておるということでございますし、国土交通省の方でも、昨年十二月に迷惑行為に関する連絡会議というものを立ち上げまして、各社における痴漢防止に向けた効果的な取組の共有などを図っているところでございます。

○森屋隆君 ありがとうございます。
 そういった中で、今痴漢行為の話もあったかと思いますけれども、この痴漢行為の八割が電車内あるいは駅構内でと言われているんですけれども、この公共交通内での実態をどのように把握しているのか、これについてお聞かせをいただきたいと思います。

○政府参考人(小柳誠二君) お答え申し上げます。
 平成三十年中の全国の迷惑防止条例違反のうち、都道府県警察から痴漢として報告を受けているものの検挙件数は二千七百七十七件であり、そのうち、電車等におけるものの検挙件数は千四百四十一件、駅構内におけるものの検挙件数は百五十一件でございます。

○森屋隆君 ありがとうございます。
 次に、第三者暴力行為についてもその実態をお聞かせ願いたいと思います。

○政府参考人(水嶋智君) お答えを申し上げます。
 国土交通省において実施しております調査では、平成三十年度における鉄道係員に対する暴力行為の発生件数は全国で六百七十件でございまして、四年連続で減少したものの、依然として高止まりをしている状況でございます。
 鉄道の安全確保や利用者への良質なサービスの提供のためにも、駅員への暴力行為を防止することが重要というふうに考えておるところでございまして、このため、国土交通省では、特に飲酒の機会が多い年末年始にかけて、暴力行為の発生が多い地域において防止対策キャンペーンを実施しているほか、先ほど申し上げました連絡会議を立ち上げまして、暴力行為に対する各社の取組状況の共有と取組強化についての意見交換などを行っているところでございます。

○森屋隆君 ありがとうございます。当然、こういった痴漢だったり暴力行為、防いでいかなければならないと思います。
 そして、防犯カメラなんですけれども、この防犯カメラは、プライバシーの観点からもこの取扱いには厳正な運用ルールが求められることはこれ当然なんですけれども、今答弁にあったように、このように犯罪行為が高止まりにあるこの実態を踏まえますと、人が行き交う駅などでは、痴漢など犯罪防止、さらにはテロ対策にも実はこの防犯カメラというのは有効だと思います。しかし、駅は誰もが認める公共インフラでありながら、防犯カメラの設置は、財政支援もなく、事業者責任によってなされているのではないかと考えます。
 また、関東では、東京オリンピック・パラリンピックが開催されるということで、首都圏を中心に大分防犯カメラが普及しましたけれども、一方で関西では導入が遅れています。こうした地域間格差をなくすため、本来あるべきではないと思いますけれども、国交省として、財政支援やこの格差をなくすための方策というのは考えているんでしょうか。

○政府参考人(水嶋智君) お答えを申し上げます。
 お尋ねの鉄道駅における防犯カメラの設置についてでございますけれども、平成二十九年度末時点で約八万六千台というふうになっておりまして、平成十六年三月のスペインの列車爆破テロ事件、これが一つのきっかけになったと言われておりますけれども、その以前と比べますと約四倍の設置台数というふうになっております。
 また、首都圏と関西圏の設置台数の違いなどについて御指摘をいただきましたけれども、大手民鉄における一駅当たりの防犯カメラの設置台数を調べてみましたところ、首都圏と関西圏とでは大きな差はないようでございます。一般論としては、利用者や路線数の多い大規模な駅により多くの台数の防犯カメラが設置される傾向があるのではないかというふうに考えております。
 また、財政支援についての御指摘をいただきました。私ども、限られた予算をどう使うかということでございますけれども、鉄道における安全、安心の確保は事業者本来の責務であるということなどを踏まえまして、現時点では、防犯カメラの設置については鉄道事業者の負担において必要な設置を進めていただきたいと考えておるところでございます。

○森屋隆君 ありがとうございます。犯罪防止、国民の安全、安心のために引き続きの検討をお願いしたいと、このように思います。
 次に、バスの停留所の安全確保対策について伺います。
 二〇一八年八月に、横浜市において、小学五年生の女子児童がバス降車後にワゴン車にはねられ死亡するという、こういった痛ましい事故があったことから、二〇一九年十二月十三日付けで国交省自動車局長から、バス協会会長や警視庁交通局長など、各方面に通知、協力要請が出されました。
 危険なバス停とは、交差点とか横断歩道にそのバスの停留所からバスの車両が掛かってしまう、あるいは交差点、そして横断歩道前後五メートルにその車両が掛かってしまうバス停を言うわけでありますけれども、実はこれ、関西の一部のバスの営業所の事例なんでありますけれども、この営業所内に二千二百五十三本の停留所があるそうです。そのうち、この停留所の後に交差点や横断歩道ができたこともあって四百二十本辺りが該当するという、かなり該当するわけです。一八・六%が該当するということで、移設にも大変難色を示していますし、経費が掛かるということで、こういった支援について国交省の方で何かお考えがありますか。

○政府参考人(一見勝之君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のように、バス停の安全の確保につきましては、一昨年八月、横浜で起きました悲惨な事故、これを受けまして、昨年十二月に私ども通達を出しまして、全国全ての路線バス事業者、これを対象に全国的な調査を行っております。警察や道路管理者の協力を受けながら安全対策を検討するということにしてございます。
 具体的には、交差点、先ほど委員からも御指摘ありましたが、にバスの車体が掛かるものなどの、まずバス停の抽出を行いまして、それから安全上の優先度の判定を行います。それを受けまして安全対策の検討をしようと、こういうものでございますが、現在全国に三十七万あるバス停のうち、危険なバス停だと思われるものの抽出がほぼほぼ終わっているところです。現在精査をしておりまして、この後は各都道府県に設置をいたしました合同検討会、ここでバス停についての検討を始めるということにします。その後、各地域に検討の場を移しまして、そこで地方自治体あるいはバス事業者、それから私どもの運輸支局、警察などが参加をしまして、どういう形で安全が確保できるかということを検討することにいたしております。
 したがいまして、バス停に関しましては、バス事業者だけが過度な負担を被らないようにしていきたいと思っています。どういうやり方があるのか、どういう支援があり得るのかにつきましては、今後検討していきたいというふうに考えておるところでございます。

○委員長(田名部匡代君) 時間が来ておりますので、おまとめください。

○森屋隆君 はい。
 ありがとうございます。時間ということで質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

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