議事録

国土交通委員会 2023年4月6日

○森屋隆君 立憲民主・社民の森屋隆でございます。  この際、一言申し上げたいと思います。  国交省OBによる人事介入について、これについて後日質疑をさせていただきたいと思いますけれども、コロナ禍の中で、鉄道現場で働く仲間、あるいは空港、グランドハンドリングで働く仲間から、怒りを通り越し、失望の声が届いています。そのことを申し上げたいと思います。  改めまして、ただいま議題となりました気象業務法及び水防法改正案について質問をいたします。  まずは、三点について伺います。  気象庁は、三月十日、令和三年秋から続いていたラニーニャ現象が終息したとの見解を示しました。  国土交通省、理事懇談会は、昨年十二月六日に理事懇談会を開催しました。主な内容は、この冬はラニーニャ現象による大雪のおそれと、特にコロナ禍初の移動制限のない年末年始であることから、交通網を中心にその準備、対策について国交省より説明を受けました。  しかし、一月二十四日から降り続いた大雪は、新名神高速道路で二日間にわたり十キロの渋滞が発生し、高速道路は大規模車両滞留が発生しました。また、JRでも、京都線や琵琶湖線の複数で乗客を乗せたまま立ち往生が起こるなど、混乱を生じました。このように、気象庁による予測技術が推進している一方で、こうした自然災害を未然に防止することにつながっていないとも感じています。  また、特に、線状降水帯の予測精度も向上している一方で、例えば、令和四年九月二十四日の目黒川における防災気象情報の発信について、同年十月二十七日の国土交通委員会において指摘しました。  九月二十四日の大雨による、東京都と気象庁から、目黒川が氾濫するおそれがあるとして十七時三十分に氾濫危険情報が発表され、この氾濫危険情報は市区町村による避難指示発令の目安となる警戒レベル4に相当するにもかかわらず、避難情報は発令されませんでした。同日二十時には氾濫のおそれがなくなったとして氾濫危険情報は解除され、人的被害はなかったものの、今回の事例と同等の災害が再度起きた場合には、住民の安全を確保するため、ちゅうちょなく避難情報を発令することが求められています。  以前の委員会の答弁では、内閣府において、市町村が避難情報を適切に発令できるよう、市町村における危機管理に関する人材育成や、専門家などによる市町村への支援の充実などを関係機関と連携しながら進めているところであり、引き続き避難対策の強化に向けて取り組んでいくとされましたが、具体的な取組をお伺いいたします。  また、本法律案においては、国土交通大臣は、都道府県知事の求めに応じ、国管理の洪水予報河川の水位を予測する過程で取得した都道府県管理の洪水予報河川の予測水位情報を提供することとしており、国土交通省水管理・国土保全局と都道府県、気象庁が協力する体制を法律案に位置付けており、この点は評価できるものであります。  本改正は目黒川のような事例を防止する上でどのように貢献するのか、これについてもお伺いをいたします。さらに、防災を、未然に防ぐため、本法律案における水管理・国土保全局と気象庁の役割分担及び連携体制についてお伺いをしたいと思います。

○政府参考人(岡村次郎君) お答え申し上げます。  今回の法改正におきましては、都道府県管理の一級河川におけるより高度な予測情報について国から提供を可能とするものでございます。その際、気象庁と連携を図って進めるということでございます。  委員御指摘の目黒川につきましては、二級河川でございますので対象とはなってございません。一方で、二級河川につきましても、御指摘のように、円滑な避難が実現できるよう、洪水予測を行う都道府県、それから避難情報を発令する市町村に対して国からの技術的支援が重要であるというふうに考えております。このため、二級河川においても活用できる水位予測技術の開発、これを国土交通省として進めているところでございます。この技術を提供することなどにより、二級河川の洪水予測の高度化を支援してまいります。  国土交通省としましては、市町村が避難情報を適切に発令できるように、引き続き、気象庁防災対応支援チーム、JETT、これの派遣による気象解説など、関係機関と連携しながら避難対策の強化に向けて取り組んでまいります。

○森屋隆君 ありがとうございます。  私は、その目黒川のような二級河川こそやはり危ないと感じています。ここをカバーできるような措置があった方が私はいいんだと、こういうふうに思っています。よろしくお願いをいたします。  令和二年二月五日に神奈川県逗子市で発生した土砂崩れは、歩道を歩いていた十八歳の女子高生の命を奪いました。場所は、土砂災害警戒地区に指定されていました。  この事故があって、私は、令和三年六月八日の国土交通委員会において、大規模盛土、小規模盛土について、国の把握状況、責任について伺いました。国は、大規模盛土は令和三年三月末で五万一千か所の存在を把握していましたが、しかし、大規模盛土造成地に該当しない小規模盛土造成地については、国の責任はなく、把握していないとのことでした。その一か月後に、七月一日から降り続いた大雨により、二日後の三日に静岡県熱海市で大規模な土石流が発生し、多くの尊い命を奪うなど甚大な被害となりました。盛土が原因でした。その後、法整備もされました。  近年、気象庁における予測精度が向上しており、水管理・国土保全局における河川の氾濫や土砂災害などの水災害をめぐる対策も進んでいます。ラニーニャ現象による大雪や盛土による土砂災害の懸念など、ある程度の災害発生は専門的な知識がなくとも予想が可能だと考えており、気象庁及び水管理・国土保全局のような専門性のある組織はそれぞれの災害発生の可能性をより詳細に理解しているはずであり、水災害に関わる業務は水管理・国土保全局と気象庁で連携しながら取り組む施策が多いものの、現在の体制では不十分であると考えています。  そこで、連携ではなく、気象庁と水管理・国土保全局が同じ組織として水災害対策について予報や対策、被災地支援まで取り組むことができれば、防災対策の能力が飛躍的に向上するのではないかと考えています。気象庁の権限を更に拡大させ、水管理・国土保全局と気象庁を同一の新たな組織として編成することを検討すべきと考えていますが、国土交通省の見解を伺いたいと思います。

○政府参考人(大林正典君) お答え申し上げます。  気象庁は、気象業務法に基づき、気象業務の健全な発達を図り、もって災害の予防、交通の安全の確保、産業の興隆等公共の福祉の増進に寄与するため様々な施策に取り組んでおります。具体的には、気象庁は、気象のみならず、気候、環境、海洋、地震、火山に関する観測や予測などの情報提供を実施しており、その情報の利用分野は幅広く、水管理・国土保全局のほか様々な機関が有する技術を持ち寄り連携することで防災対策の強化等を図っているところです。  気象庁といたしましては、現在の体制の下、水管理・国土保全局を始めとする関係機関と幅広く連携し、防災対策を始めとした業務を推進してまいります。

○森屋隆君 何をおいても国民の命を守ることが第一にあるわけでありますから、組織の枠にこだわらず、できることは私はチャレンジしていくべきだと、こういうふうに感じています。よろしくお願いをいたします。  次に移ります。  本改正により、民間事業者の役割が拡大し、局所的な予報などの様々な予報が行われることが想定されています。気象庁の予報との相違による防災上の混乱を防止するため、本法律案では、噴火、火山ガス、土砂崩れ等の社会的影響が特に大きい現象について、事前説明を行った者のみへの提供を許可することとしています。  様々な防災気象情報による混乱を防ぐため、事前説明を受けた人のみへの提供を徹底し、事前説明を受けていない人へ予報事項が伝達されることを防止するために必要な措置を行い適切に情報管理を行うべきと考えていますが、国土交通省として具体的にどのようにしてこの情報を徹底していくのか、お伺いをしたいと思います。

○政府参考人(大林正典君) お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、洪水等の予報の利用者が許可事業者から提供された予報事項を第三者に伝達した場合には、事前説明を受けていない人が予報事項を受け取ることとなり、防災上の混乱が生じるおそれがあります。こうした混乱が生じないように、本法案においては、許可事業者に対して、事前説明を受けていない人に予報事項が伝達されることを防止する措置を講じることを求めております。  許可事業者に求める具体的な措置といたしましては、許可事業者と利用者との間の契約においてサービス利用者による第三者への伝達を禁止する旨を定めること、利用者への事前説明において予報内容を第三者に伝達するリスクについて説明すること、予報事項を実際に受け取る利用者の一覧を管理し把握しておくことなどを求めることを想定しております。  気象庁としては、事業者において適切な情報管理が講じられるよう、定期的な立入検査を行うなど、平時からしっかりと監督してまいります。

○森屋隆君 こういった情報の管理というのは非常に、決めていたこと外のですね、想定外のことが多々あると私は思っています。今までもそうだったと思います。  なぜこの情報がこんなところから出ているのか、自分たちが知らない前に例えばマスコミから出ているとか、そういったことが多々あります。特にこの危機管理の問題というのは、パニックを起こすこともありますし、間違った情報で更に危険が増すことも今までもあったと思います。そういった情報の混乱というのは非常に危険だと思っていまして、この点については、私は法案改正ではいいことだとは思うんですけれども、一方で、一つ間違えれば大変危険なことにもつながると思っています。  こういったものを防止するために、今答弁いただきましたけれども、何らかの更に罰則というか、そういった、たまたま漏れてしまったのか、悪意があって情報を流したのか、そういったことが、判断は難しいと思うんですけれども、そういったことに対しての危機管理というか、罰則みたいなもの、裏付けというものがあるんでしょうか。再度伺いたいと思います。

○政府参考人(大林正典君) お答え申し上げます。  許可事業者に求める具体的な措置を怠った場合には、業務改善命令を発して業務の改善を求めるということができます。さらに、業務改善命令にも従わなかった場合には許可の取消し等を行うことができることとされております。こういったことも踏まえながら適切に監督を進めてまいりたいと思っております。

○森屋隆君 業務改善命令を出すのは当然だと、こういうふうに思いますし、指導を行うのも当然だと思うんですけれども、その先の情報を得た方というんでしょうか、そこについては国はどうなんでしょうか。情報を出した方ではなくて、その情報を必要だと思って得た方が何らかの形で違ったところに情報が拡散してしまったと、こういったときというのは国としての責任というのはどういうふうになっているんでしょうか。

○政府参考人(大林正典君) お答え申し上げます。  本法案におきましては、民間許可事業者の利用者に対して何らか罰則を設けるということは考えておりません。具体的には、許可事業者と利用者の間の契約においてサービス利用者による第三者への伝達を禁止するということによりまして利用者側が他に拡散することを防止するということを本法案においては求めているところでございます。

○森屋隆君 ありがとうございます。まあ何度も何度も聞くのはいけないかなと思っていますんで。  まあそういうことなんだろうと思いますけれども、当然民民の契約の中でやっていると思いますけれども、私が危惧しているのは、大臣、私が危惧しているのは、その情報も、今までもいろんなことあったと思うんですけれども、情報を、何というんですかね、自分のところで処理をしないでまたどこかに出して処理をするようなことというのが、いろんな情報ありますけれども、それが何らかの形でデジタル的なもので置き忘れてしまったあるいは流れてしまったとかという、発信をしたところで受けたところがまた違うところに何か任せてしまうみたいな、そんなことが、この危機管理だけじゃなくてですけれども、いろんな情報ってありますけれども、そういったことが多々私はあったと思います。  デジタル化されればされるほどそういったことがあったんだとも思っていますから、そこは、今回の法改正では、当然民民との契約でありますから、そこは国はそこまで確かに踏み入ることはできないんでしょうけれども、そういったこともあるということは、是非、懸念材料としてあるということだけは知っていていただきたいなと、こんなふうに思っているところでございます。少しくどくなりましたけれども、よろしくお願いをいたします。  次に移りたいと思います。  土砂崩れ、高潮、波浪、洪水の予報業務許可について、現行法では気象予報士の設置が義務付けられているものの、本改正によってこの技術上の許可基準が新設され、気象庁長官が予測技術を審査することになっています。シミュレーションによる高度な予測技術であり、コンピューターによって行われるため、気象予報士を必要としないと、こういうふうにされていますが、気象の専門的知識を有する気象予報士の設置を免除してもこの予報精度というのは十分に担保されるんでしょうか。これも先ほどと似ていますけれども、やっぱり人ではなくてコンピューターにするということでありますけれども、その辺がちょっと懸念をしております。お伺いしたいと思います。よろしくお願いします。

○政府参考人(大林正典君) お答え申し上げます。  今回の予報業務許可制度の見直しは、近年の技術進展を踏まえて、許可の基準を最適化するために行うものです。すなわち、近年では、気象と洪水等の予測を気象予報士が一体的に行う手法ではなく、気象の観測値等を入力値として洪水等の精緻なシミュレーション計算を行うような気象と洪水等の予測を分割して行う手法が主流となっております。気象の予測に関しては引き続き気象予報士が行うこととしております。  また、こうした手法によって、従来よりも高い精度の予測が可能となっているところです。このような予測技術の進展を踏まえれば、洪水等の予報業務許可の審査に当たっては、シミュレーション計算自体の技術的な妥当性を確認することが事業者の予測技術を担保する観点から適切と考えております。  今後は、新たに策定する技術上の基準に基づいて事業者の予測手法を審査することでその精度をしっかりと担保しつつ、多様なニーズに対応した予報の提供ができる環境を整備してまいります。

○森屋隆君 ありがとうございます。  今答弁の中に入っていたのかもしれませんけれども、やっぱり気象予報士というのは大変重要な、これまでも歴史があって、やっぱりその試験も当然難しいですし、責任のある私は職務だと当然思っています。  そこを、コンピューターも相当進化していますから、本当にリアルなものになってくるんだと思うんですけれども、そこをコンピューターにやっぱりこれ変えていこうとした、その判断したところというのはどこが肝だったんでしょうか、これはコンピューターにしていこうという。質問がちょっとうまく言えてないんですけれども、よろしくお願いします。

○政府参考人(大林正典君) お答え申し上げます。  気象の予想に関しては、引き続き気象予報士が担当していくということで水準を担保します。で、洪水の予報につきましては、以前は、ここで三百ミリ程度の雨が降れば大体この川は危ないだろうというような、ある意味大ざっぱな手法を想定していたんですが、近年、洪水予測の部分については精緻なシミュレーションが行えるようになってきたということから、そのシミュレーション技術自体をしっかり審査することが予報精度を担保することで重要だろうと、こういう観点から、本法案では許可基準の適正化を行ったところでございます。

○森屋隆君 ありがとうございます。  もう本当にくどくなってしまうんですけれども、やっぱりコンピューターというのは、まあ人もそうですけれども、一〇〇%は、予想ですから一〇〇%というのは当然ありません。そういったときに、コンピューター誤動作した中で間違った情報が出てしまったということであれば、これはそのコンピューターを審査した気象庁長官にやはりそこは責任があるということでよろしいでしょうか。

○政府参考人(大林正典君) お答え申し上げます。  審査においては、シミュレーション技術が適正なものであるかを十分に審査して許可を行っていくということをしっかり進めていきたいと思います。

○森屋隆君 本当に済みません。責任があるかないかを聞いています。

○政府参考人(大林正典君) シミュレーション技術が適正であるかという審査をしっかり行うということを通じて責任を果たしてまいりたいと考えております。

○森屋隆君 まあなかなかそこは難しいところなのかなというふうに感じていますけれども、私はやっぱり責任の所在というのは何らか求められると思うんです。そういった責任があるからこそ、私たちというのはこういったものを改正したりとかやっぱりしているんだと思います。なかなか責任を取る取らないという話は難しいのかもしれませんけれども、やっぱりそういったことが人の命、今まで私は感じているんですけれども、先ほどの土砂崩れで亡くなった方や、今後法案になる知床の問題、いろいろありますけども、何か事が起きて人の命が奪われて、そして、まあこれしようがないのかもしれませんけれども、改正をしていくと、こういうことが何か繰り返されているような気がします。  予測がこれほど詳細にできるんであれば、そういったところも私は詰めていきながら、責任を持ちながらやっぱり詰めていく、このことが非常に私はこの委員会にも課せられているんだと思っています。少し生意気なことを言ったのかもしれませんけれども、よろしくお願いしたいと思います。  次の質問に移ります。  気象庁では気象防災アドバイザーの育成を進めており、令和五年一月時点で百十名が活動しています。実際に地方公共団体で任用されているのは、三十地方公共団体で二十八名であるとされています。  気象防災アドバイザーは、地方公共団体の避難情報の発令判断時などに気象の専門的な知見に基づき地方公共団体に助言、支援できる人材であるが、まだその活用は不十分であると思っています。また、令和三年五月に災害対策基本法が改正され避難指示と避難勧告が一本化されたことにより、市町村長が避難情報の発令に慎重になったとする指摘もなされています。  令和四年二月に、令和三年七月からの一連の豪雨災害を踏まえた避難に関する検討会における市町村へのアンケート結果では、避難情報の発令における悩みとして、土砂災害の危険度分布や河川の水位等が刻々と移り変わるため発令の判断が難しい、先ほどの目黒川なんかも私はそうだと思っていますけども、難しい、避難情報を発令しても災害が起きずに空振りになり、かえって避難指示の効力が薄れる不安があると、こういうふうに六割以上の市町村が実は回答しています。そのため、避難情報の発令などを市町村がちゅうちょなくできるよう、気象防災アドバイザーの活用を進める必要があると考えています。  気象防災アドバイザーの活用に係る具体的な推進策についてまずはお伺いして、また、気象庁は、市町村等の防災対応の支援を強化するため、大規模な災害が発生した場合又は発生が予想される場合に、都道府県や市町村の災害対策本部等へ各地の気象台からJETTとして気象庁職員を派遣をしています。派遣された職員は、現場のニーズや各機関の活動状況を踏まえ、気象等のきめ細やかな解説を行うことにより、地方公共団体や各関係機関の防災対応を支援をしています。この気象庁職員の専門的な知識を防災対応に活用するため、このJETTの体制強化を私は行うべきと考えているんですが、これについても気象庁の見解を伺います。  さらに、専門的な人材を持つこの気象庁自体が、予報から住民の確実な避難に至るまで気象庁が積極的に対応する、こういった制度へと変えてはどうかなと思っています。これについては国交大臣に見解をお示しいただきたいと、こういうふうに思います。よろしくお願いします。

○政府参考人(大林正典君) お答え申し上げます。  地域住民が災害発生前に避難の判断ができるよう、自治体から避難指示等の情報が適切なタイミングで提供されることが極めて重要であり、気象庁では自治体の防災対応を支援する取組を強化しているところです。  委員から御紹介いただきました気象防災アドバイザーは、避難指示の発令を始めとした自治体の防災対応を支援できる気象防災に関する専門家であり、気象庁ではその拡充や任用促進に取り組んでいるところです。特に自治体での更なる任用につながるよう、地元の気象台長が市町村長を訪問する際に説明を行うなど、自治体への周知、普及に取り組んでまいります。  また、これも委員から御紹介ありました、災害時には地元の気象台から自治体の災害対策本部等に職員を派遣するJETT、気象庁防災対応支援チームについては、迅速にJETTを派遣し、自治体のニーズに応じたきめ細かな解説を行うことができるよう、令和四年度以降、順次気象台の体制強化を図っているところでございます。  気象庁といたしましては、自治体が避難指示等を円滑に発令できるよう、適時的確に防災気象情報を発表するとともに、引き続き関係省庁とも連携し、自治体の支援に積極的に取り組んでまいります。

○国務大臣(斉藤鉄夫君) まず、先ほど責任という御議論がございました。今回、洪水予報に対しての責任は、これは日々の業務を行う気象庁、気象庁長官にあると思いますが、全体の責任は今回の法案を提出した責任者である私であると、このように認識しております。  それから、先ほど、避難についても気象庁がもっと積極的に対応、責任を持つべきではないかという御提案でございます。地域住民の避難指示等の避難情報については、災害対策基本法に基づき市町村長が発令することとされております。一方で、市町村長は地域に精通しているものの、防災気象情報には必ずしも精通しているわけではないことから、地元の気象台が市町村長を積極的に支援する必要があると考えており、先ほど気象庁長官が答弁したとおり、地元気象台では災害発生前から様々なプッシュ型の支援を行っています。  国土交通省としては、引き続き、地域防災の最前線に立つ市町村長との連携を密にし、自治体の防災対応をしっかりと支えられるよう全力で取り組んでまいりたいと思っております。災害対策基本法の枠組みは枠組みで、私はこれは非常に有効な枠組みだと思っております。

○森屋隆君 大臣、ありがとうございます。  私もそのように感じていますけれども、この間のやり取りの中で、なぜ私はここまで強く発信しているかというと、先ほどもありましたけれども、このアンケート結果で、六割の市町村長がやっぱり発信するのに判断が迷うと言っているわけじゃないですか。これは、逆に言えば求めているんだと思うんですよね。確かにそこにはやっぱり責任もありますし、命に関わる問題。そして、じゃ、出せばいいじゃないかといえば、出して何もなければ私は何もなかったということでよしとするべきなんですけれども、よしとしないやっぱり世論があるんですよね。  だから、防災訓練なんか何でやるんだというような、でもやっておかないといざなったときには効果を発揮しないわけで、やっぱりその辺の意識改革も、受ける側の私たちもですけれども、国民、住民もですけれども、私たちの意識改革も並行していかないと、その地域を預かる首長あるいは最終的には大臣、私が一番のトップの責任者だと言ってくれましたけれども、本当にありがとうございます。  そういった、一方だけがどんどんどんどん制度は改革されていっても、そこに住んでいる方々が、ハザードマップなんかもそうなんですけれども、どんどんどんどん制度は良くなっているんですけれども、実際に住んでいる方がそういった感覚になっていなければ、これは何かうまくその機能が私は回らないと思っています。そういったことを常に感じるときがあって、私の住んでいるところも、やはり山があって川があって、どちらかというと雨が大量に降れば崖崩れが起こりやすいようなところですし、年配の方が多いような地域ですから、もう避難というのはすごい難しいんです、どういうふうに避難するかというのは。健康で、自分の足で歩けるような人ばかりではないですからね。  やっぱりそういったところを、法律ばかりを変えて、でもその考え方が変わっていないと、私は、本当に絵に描いた餅になってしまう、だから、少しくどくなりましたけど何回かやり取りをさせていただきました。申し訳ないと思っていますけれども、御理解をいただきたいと思います。  次の質問に移ります。  これも今どきの課題かなとちょっと思っているんですけれども、気象庁の緊急地震速報ありますけれども、この緊急地震速報は、鉄道や大きな工場の自動停止になります。震度五ぐらいの来ると鉄道はばあっと止まりますよね、自動的に止まります、制御されていますから。それに役立たれています。  しかし、この復旧というんですか、再度走り出すようなことについてはないんです。それは人的判断なんです。そこは、だから企業に求められちゃっているんですよね。止めるときには、発信されるからぱあっと自動的に止まるんですけど、じゃ、安全なのか安全じゃないのかというのは、それは企業に任されているわけですよね。企業の責任としても当然そうなんだと思うんですけど。  であれば、私は、これだけいろんな制度が発展しているんであれば、安全で効果的なその自動の利用、活用に向けた状況、今どうなっているか、それを聞きたいと思います。このままでいいんであればいいということで答弁していただければいいと思いますけれども。  そしてもう一つは、先ほども年配の方が多いという話もしたけども、このときに、視覚や聴覚の障害者、あるいは、今外国人の方も増えています、今後またどんどん増えると思いますけれども、外国人の人への情報提供についてどういうふうに今現在なっているのか、考え方を教えていただきたいと思います。お願いします。

○政府参考人(大林正典君) お答え申し上げます。  気象庁では、地震による強い揺れの前に、自らの身を守っていただくほか、機械の自動制御に御利用いただくため、地震の発生直後に各地での強い揺れを予想し迅速に伝える情報として緊急地震速報を発表しております。  気象庁が開催する有識者会議において、現在の緊急地震速報には警戒を解除する仕組みがなく、緊急停止からの復旧は各事業者の判断に委ねられているという課題が指摘されているところでございます。このため、今後、緊急地震速報の利活用の実態についてより詳しい調査を行う予定でございます。また、視覚、聴覚に障害のある方や外国の方にどのような方法で早く正確に伝えるのがよいか等も検討が必要な課題でありまして、民間事業者での優良事例についても報告されております。  気象庁では、有識者の御意見や調査の結果等も踏まえまして、緊急地震速報の受け手に応じた情報の改善や提供の在り方を検討し、より一層の活用について関係機関とも連携して推進してまいります。

○森屋隆君 丁寧な御説明ありがとうございます。  自動停止で、鉄道のことを一つ今私出したんですけども、今復旧も、これもう、大臣も委員の皆さんも本当にもう御承知のとおりでありますけれども、鉄道も、相互乗り入れで、一社だけで走っているわけじゃなくていろんなところの線へ乗り入れ、もう全部乗り入れているんですね、極端なことを言えば。  一社がここを動かすと言ってもそう簡単に動けるものではなくて、全部、企業ごとにであればいいんですけど、もう全てがもうつながっているんで、何でここの電車が止まっているんだろうといったら、何県も先のところで地震があった、何か交通障害があったということで止まってしまったりということがあるわけで、そういった部分でいえば、やはり電車が来ないなと思っている人に何らかの発信ができるのか、例えば地震速報でこういったことがあったのかとか、もっといえば、機械的にそういった制御をして解除のときにもそういったことができるんであれば私はすばらしいなと、こんなふうに思っています。  最後の質問になります。  富士山の噴火時の新たな避難計画が出ましたけども、これについての受け止めというか、説明をいただきたいと思います。

○政府参考人(大林正典君) お答え申し上げます。  気象庁は、富士山の火山防災対策協議会の構成員として、先月二十九日に取りまとめられた富士山噴火時の新たな避難基本計画の検討に参画してまいりました。新たな避難基本計画には、富士山の噴火に関する最新の科学的知見を基に令和三年三月に改定された富士山ハザードマップの内容が反映されており、富士山が噴火した場合には、気象庁が発表する噴火警戒レベルと本計画に基づき適切に避難が行われることによって、噴火災害の軽減につながるものと考えています。  気象庁では、今回改定された避難基本計画に基づく防災対策に資するよう、引き続き自治体や大学等の研究機関と連携して富士山の火山活動を監視し、火山活動の状況に応じて適時的確な情報発表に努めてまいります。

○森屋隆君 ありがとうございます。  質疑の中で少し言い過ぎた点があったのかもしれません、御理解をいただいて、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

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