議事録

国土交通委員会 2023年5月30日

○森屋隆君 おはようございます。立憲民主・社民の森屋隆でございます。  議題となりました道路整備特別措置法及び独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構法の一部を改正する法律案について質問いたします。  まず、高速道路の料金徴収期間の延長について伺います。  本法律案では、高速道路の更新、進化の財源を確保するため、料金徴収期限を令和九十七年まで五十年延長した上で、それまでの間、債務返済期間を五十年以内で設定しつつ、明らかになった更新需要などに応じて逐次必要な事業を追加していくという、こういった仕組みでございます。  そして、本法律案においても、従来の有料道路制度と同様に、債務完済後にはこの高速道路を無料開放し、料金を徴収しない仕組みだと、このように説明をしています。また、私もそういうふうに説明を受けました。  しかし、高速道路の開通から、先ほど足立先生の方からもこの高速道路の歴史も少しお話がありました。六十年余りがたつわけでありますけれども、これまでも、幾度もこの無料開放という約束が先送りされてきました。この説明をいつまで続けるのか、同じことを繰り返すのかというのが、私は今回の法案に対する率直な疑問だと、こういうふうに思います。  現在、橋梁設計は百年もたせるということを基本的なこの設計思想として造られているということで伺っておりますけれども、結果的には、造ったものでありますから、永久に使えるわけではないと思いますし、高速道路に更新、進化が必要だという、こういったことは認識を共有しますけれども、その財源の確保方法として今回の仕組みが本当にこれ妥当なのか、今回の仕組みが、これもう皆このことについて疑問を呈しておりますけれども、二十二世紀まで持続可能なのかということ、これやはり疑問を持たざるを得ません。  法律上は令和九十七年ですから、二一一五年の九月三十日まで料金徴収を終える仕組みであります。法律上の立て付けはさておいて、大臣は、この今回の令和九十七年、二一一五年までに、料金徴収期限までにこの料金の徴収を終了して高速道路が無料に開放される日が来ると本当にお考えなのかどうなのか、大臣の率直な御意見を伺いたいと、こういうふうに思います。よろしくお願いします。

○国務大臣(斉藤鉄夫君) 平成二十六年の法改正、前回の法改正におきまして、料金徴収期限を十五年延長し、更新に着手したわけでございますが、この附帯決議では、永久有料にすべきという御意見と無料化すべきという二つの相矛盾する御意見の両方の御意見がこの附帯決議に書かれました。  今般の改正法案では、現行法を踏襲し、従来と同様に料金徴収期限を設定したものでございまして、債務完済後には従来と同様に無料公開するという原則に立った仕組みになっております。  料金徴収期限につきましては、今般の改正法案における制度の下、今後必要となる蓋然性の高い更新事業に対応するためには、人口減少などに伴う交通量減少など、現時点における見通しも踏まえて、令和九十七年、二一一五年とする必要があると考えております。  国民の皆様に対しましては、今般の改正法案の目的や料金徴収期限を設定した理由などについて引き続き丁寧に説明し、御理解を得られるよう取り組んでまいりたいと、このように思っております。

○森屋隆君 五月の二十三日でしたけれども、高速道路のこの議案の問題で、三名の参考人の方からもいろいろ貴重な御意見を伺いました。その中で、完全に無料になる、無料開放されるというこの説明については少し無理があると、こういった、これは三名の方から同じ意見だったのかなと、こういうふうに思います。また、今大臣からもありましたけれども、本法律案の基礎となった令和三年八月の国土幹線道路部会の中間答申でも、将来、高速道路は無料になるという説明に対する不信感が高まっていると、こんなふうに指摘をされています。  やはり、この債務完済後に高速道路を無料開放するという説明を続けるのにはいささか無理が来ているのかなと、こんなふうに思っています。今大臣から、国民に対しては丁寧な説明をしていくということで、それは大事だと思いますので、そういったところも含めてやっぱり丁寧な説明がなければなかなか理解得られないんだろうなと率直に思っています。  この点に関して少し質問させてください。  令和三年に内閣府が行った、今大臣からもあったかもしれません、世論調査では、現在、高速道路の建設、維持修繕、更新の費用は通行料金で賄っているが、二〇六五年以降は無料になり、維持修繕、更新の費用は税金で賄う制度になっている、一方で、この維持修繕、更新の費用は引き続き高速道路を利用する人が通行料金により負担すべきとの考えもある、高速道路の維持修繕、更新の費用の在り方についてどのように考えるかと、こういうふうに聞いたところ、全額税金で賄うべきというのが五・五%、税金で賄っていくべきだと思うが、ある程度は高速道路の通行料金で賄うこともやむを得ない、こういった御意見が三〇・四%、高速道路の通行料金で賄っていくべきだと思うけれども、ある程度は税金で賄うこともやむを得ないと、これは四四・五%でした。そして、税金でなく高速料金の通行料で賄っていくべきが一八・四%と。こういう結果だったわけでありますけれども。  この結果には様々な見解があると思いますが、しかし、少なくとも、この料金徴収期限までに高速道路が無料開放され、通行料金の負担はなくなるものと国民が信じて疑わないというような状況ではどう見てもないというふうに思いますし、全額を通行料金で賄う今の仕組みについても、ある程度の公費投入によって負担が分散されることの方が支持をされているように思われますが、この高速道路の負担の在り方を含め、もう一度、政府はこの世論調査の結果をどのように受け止めているのか、捉えているのか、お聞かせいただきたいと、こういうふうに思います。

○政府参考人(丹羽克彦君) お答え申し上げます。  令和三年の十月、内閣府が道路に関する世論調査を実施しております。それで、結果については委員が御説明されたとおりの結果になっております。  それで、もう一つ、平成の二十八年に同様の調査を行っているところでございまして、この調査に対する結果と比較いたしますと、令和三年の調査結果、平成二十八年に比べて料金で賄うべきという意見が増加している傾向が見られているところでございます。  このような結果を踏まえますと、この将来の維持管理費などの料金で賄うか税負担とするかについては、いずれにしても様々な意見があると認識しております。この道路の負担の在り方を含めた将来の有料道路制度については、引き続きしっかり議論する必要があるというふうに思っております。

○森屋隆君 議論をしていく必要性があるということで、今回決めてもそれをずっと通していくわけではないよということなのかなとも感じ取れましたし、必要があれば議論をして変えていくということも当然やぶさかじゃないという考え方を局長が示してくれたのかなというふうに思っています。  そういったことも踏まえて、次に、この有料道路制度の抜本的な見直しについて少し伺いたいと思います。局長からも必要があればということでありましたから、そのことも踏まえて質問させてください。  この償還主義を始め、現行の有料道路制度の基本的な考え方というのは、先ほどありました六十年以上前の高速道路がまだなかった頃の発想でありますし、そういった時代に考えられたものでございます。しかし、この六十年間で、この高速道路の整備や運用、そしてそういったことは、経験を積み重ねてきた中で、そろそろ本当に現実的な考え方、これを真剣に議論をしてその仕組みを考えなければならないと、こういうふうに思っています。例えば、永久有料化、道路の無料公開の原則の見直しなども含めて模索をしていってほしいと、こういうふうに思っています。  今回の法案が成立すれば、当然、当面法改正を行わなくても高速道路の財源確保、これは可能になりますけれども、だからといってこの本質的な問題をたなざらしにしておくわけにはいかないと思いますし、局長もそこには先ほど言及していただいたのかなと、こういうふうに思っています。  議論を先送りさせないためにも、少し、この改正後の附則第六条でしょうか、政府は、この法律の施行後五年をめどとして、この法律による改正後の規定の施行の状況について検討を加えて、そして必要と認めるときはその結果に基づいて必要な措置を講じる、こういったことがありますけれども、本来であれば、実は今回、このことを私はもっと進めるべきだったんだと思っているんです。しかし、今日こういった中で、この議論をさせてもらっている中で、五年後に見直しに向けて国民のために制度を根本から議論し直す、是非大臣、このことを私は約束してもらいたいと思うんです。  二一一五年まで料金徴収ができたからいいんだではなくて、やはり今後の状況を的確に判断していただいて、議論をして見直しも含めて行ってもらいたい、このことを大臣、約束していただきたいと思います。よろしくお願いします。

○国務大臣(斉藤鉄夫君) この道路の在り方については、前回の法改正のときにも大きな議論になりました。  私の記憶では、道路というのは本来天下の公道と言われますけれども、無料であるべきだという基本的な原則もありましたし、前回の議論でも、とにかく無駄な道路は造らせないという方向性も必要なのではないか、だから、これから更新、維持修繕、更新にこれだけ必要なんだと、これだけ必要なお金についてまず確保させてくださいと、それが済んだら基本原則無料に戻します、こういう無駄な道路を造らせないというような議論もあのときあって、前回あのような法改正、そして今回も基本的には、いろいろな、まさに今、森屋委員おっしゃったように、いろんな考え方がありまして、今回もこれまでの考え方に基づいて法改正をさせていただいたところでございますが、そういう本質的な議論をすべきではないかと、私もそのように思います。  有識者からは、維持管理費や修繕費は永続的に必要となることなどを踏まえ、負担の在り方を含めた将来の有料道路制度について引き続き議論をしていくべきとの意見をいただいております。また、今般の改正法案の附則においては、政府は、この法律の施行後五年を目途として、この法律による改正後の規定の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときはその結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすることとされております。  このような状況を踏まえまして、道路交通を取り巻く環境の変化なども見据えながら、有識者などの意見を丁寧に伺いつつ、将来の有料道路制度について引き続きしっかりと議論をしていく、このことを続けていきたいと思っております。非常に重要な議論だと思います。

○森屋隆君 是非、状況が変わると思いますし、大きな自然災害もですね、今年は関東大震災からちょうど百年だと聞いていますけれども、どういった災害が起こるかもしれませんし、計画どおり、九十何年もの計画どおり行くとはとても思えないような状況があると思いますので、その都度的確な判断をしていただきたいなと思います。  次に、今後の高速道路の在り方で、営業用車両について少しお聞かせをいただきたいと思います。  トラック事業については、営業用トラックは、トラック全車両の約二割を占めるにすぎませんが、トンベースで約七割、トンキロベースで約九割の輸送を分担しています。また、バス事業についてもですけれども、高速乗り合いバスや貸切りバスによる事業収益が、地方公共交通の最後のとりででもあります路線バスの維持にも欠かせない状況になっています。少し三年間のコロナでこういったところが崩れましたけれども、また訪日外国人の人も大分来ているというふうに聞いていますから、高速バスや観光バスの需要が大分増えて地域の路線バスをそれによって支えていく仕組みがまたできると思います。  そんな中で、事業収益が当然働き方、そこで働いている人の賃金、労働条件にも反映していくわけでありますけれども、一方で、自動車を運転しない人もこの物流や人流については広く恩恵を受けています。そういった性格を踏まえると、我が国のこの物流、人流には、自家用車よりも、やはり私は、この高速料金について、営自格差というか、まあ格差と言うと少し言葉が適切でないのかもしれませんけれども、営業用車両についてもう少し何らかの優遇があっても私はいいんではないかと、それが結果的には国民に広く恩恵をもたらすというふうな考え方でございます。  今現在は大口・多頻度割引等々もありますけれども、これは時限措置で、結果的には自家用車との差というのは一割程度かというふうに思いますし、前回、深夜の三割引きについても、割引についても、夜の二十二時から朝方の五時までこの時間帯に拡大するというふうに伺いました。これは有り難い話なんですけれども、一方では、やっぱりそこで働いている人がもう全て夜型になってしまうということで、働き方改革、あるいはトラックドライバーの方が本当に健康を害している方も多いということで、有り難い反面、そういった一面もあるかと思います。  したがって、少なくとも私は、今後二〇二四年問題などもありますから、営業用車両だけは基本料金を三割に引き下げるべきではないかと、こんなふうに思っています。高速の料金の在り方いろいろ難しいと思いますけれども、この営業用車両に対する考え方をお聞かせいただきたいと思います。よろしくお願いします。

○政府参考人(丹羽克彦君) お答え申し上げます。  高速道路料金につきましては、利用者の負担の公平性を確保する観点から、利用度合いに応じて料金をお支払いいただく対距離制を基本といたしております。  現在の料金制度において、委員御指摘のような営自格差を明確に設けているものはございませんが、例えば路線バスにつきましては、地域の人々の公共交通サービスを担う交通機関であることから割引制度を設けているところでございます。また、物流につきましては、広く国民の暮らしや日本経済を下支えしていることから、先ほど委員が御指摘になりました、利用度に応じて割引を拡大する大口・多頻度割引を導入しているところでございます。  引き続き、高速道路会社と連携しつつ、社会情勢の変化に合わせて、多様な観点から料金制度の在り方について検討してまいりたいと考えております。

○森屋隆君 やはり高速料金が、営業車ですから、そこを結果的に、その営業車を優遇するという言い方が適切ではないのかもしれませんけども、そのことが国民に結果的にはその恩恵が返るんだと、こういった考え方からすればさほど間違っていないんだと思います。  したがって、深夜の割引なども継続していただいているのかと思っていますけども、深夜帯に働く職種なんだと、こういうふうに限定されてもそれ私は困ると思いますから、やはり日中帯も、本来、日中に働くのが本来健全でありますから、日中帯をどういうふうにマイカーとの共存をしていくかということも考えていただきたいと思います。  五月の二十七日土曜日からでしょうか、現在、首都高の羽田線が六月の十日まで通行止めになっています。かなり長い通行止めで、ニュース等々でも報じていただいております。  この混雑期における高速道路の在り方についてお聞きをいたします。  大型連休やお盆、年末年始など、この混雑期には我が国では決まって高速道路において大規模な渋滞が発生しています。そのようなときには、当然、高速料金が有するこの特急料金的な意味合い、敏速に早く目的地に着くというようなことが薄れてしまうわけでありますけども、全ての利用者に対してもこの渋滞というのは経済的なデメリットが発生しています。  特に自家用車両の流入によって混雑により、営業車両、今言った営業車両が定時性が損なわれています。今回の羽田線のもそうかと思います。一般道が相当混んでいると思いますし、そして物流ではもう二時間も三時間も前に出発しなきゃならないというようなことも聞いています。そして、バスなども目的地に当然時間どおり着かないような状況が発生しているということで、こういったところでいろんな意味で旅客あるいは物流に大きな影響が出ています。  一方で、否定しているばかりではなくて、混雑期にはサービスエリアなど売上げも上昇して、地域にも貢献している面が当然あるかと思います。しかし、高速道路は、自動車交通を発達させ、産業発展の不可欠な基盤としての役割がありますから、政府はカーボンニュートラルの社会、これも当然大目標として掲げています。高速道路において渋滞を発生させない取組、高速道路を利用することを前提とした営業車両の定時性の確保、これが重要だと思います。  少し重複するところあるかと思いますけども、この点についてお聞かせいただきたいと思います。

○政府参考人(丹羽克彦君) お答え申し上げます。  高速道路は、物流の効率化による国際競争力の強化、また地域の産業を支えまして、都市圏と地方との人、物の往来を支援するなど、経済活動の基盤としての役割を担っていると認識しております。  この役割を果たすために、委員御指摘の営業用を含めた車両に対しまして、高速道路は一般道と比べまして定時性や速達性のサービス水準が高い通行環境を提供しているものでございます。しかしながら、これまでに整備された高速道路においては、大都市圏を中心に渋滞が発生しておりまして、サービス水準が高い走行環境を十分に提供できていない状況となっております。  このため、抜本的な渋滞対策として、必要なネットワーク整備を進めるとともに、早期の効果を発現、早期効果の発現に向けた付加車線の設置などのピンポイント渋滞対策、これを進めているところでございます。  引き続き、高速道路会社と連携いたしまして、営業用を含む高速道路利用車両の定時性などの確保に向けまして、高速道路の渋滞対策に取り組んでまいりたいと考えております。

○森屋隆君 通告していないんですけども、もし分かれば教えてほしいんですけど、今二週間程度の羽田線を通行止めしていて、大阪では三年間通行止めしているところもあるというふうに伺いました。  今後、やっぱり首都高みたいに当然大きなビルがある中での橋の架け替え、橋脚の架け替え、これ大変時間も技術的にも難しいような状況があるんですけど、今後やっぱり三年だとか年単位のそういう修理というのはやっぱり続くような傾向というのはあるんでしょうか。ちょっとこれ、いいですか。

○政府参考人(丹羽克彦君) お答え申し上げます。  個別の箇所によってそれは変わると思いますけれども、大規模なものであればかなり長い期間通行止めになる場合もあろうかと思いますが、ただ、ネットワークが複層化していれば、ダブルネットワークとかになっていれば、片っ方が止まっていてももう一方の道路で通行できるということでありまして、やっぱりこのネットワークの緻密さというのが大事ではないかなというふうには思っております。

○森屋隆君 次に、営業用車両と自家用車両、共存、今もお話ありましたけれども、高速道路での共存の在り方について伺いたいと思います。  高速道路網の発達により鉄道網がしわ寄せを受け、マイカーの普及により地域鉄道や路線バスなどの地域公共交通が衰退をしてきたと、こういうふうに思っています。今度は、高齢化によって自らマイカーを運転できない人が今増えていますし、地域公共交通が衰退をこのまましてしまっては、地域においての大きな問題、地域の移動が成り立たなくなると、こういうふうに思います。  先ほど質問しましたように、マイカーの流入によって発生する高速道路の渋滞が、長年トラックやバスといった営業車両の定時性の確保にやはり難しい問題になっています。  もちろん、高速道路が整備されることによってもたらされる利便性だったり速達性、これはあると思いますし、経済効果も無視するものではありませんけれども、発展する町がある一方で、新幹線と在来線の関係のように、高速道路の整備によって、それまで下の国道を走っていた交通の流れが一気に変わって、通過され立ち寄ることがなくなった、衰退してしまう町も私はあるんだと、現実としてあるんだと思います。この高速道路の整備や利用の在り方について様々な課題が存在していることもこれは間違いないと思っています。  政府の交通政策基本計画や社会資本整備重点計画を見ますと、高速道路が物流ネットワークとして重要であることは書かれているんです。しかし、トラックやバスなどの営業用車両とマイカーに代表される自家用車両との共存の在り方や、高速道路の利用を通した形で地域公共交通とマイカーとの共存の在り方などについて、基本的な考え方というのが示されていないと思っています。  料金徴収期間が二一一五年という未来まで延長するというのであれば、私は、高速道路における営業用車両と自家用車両の利用、自動車利用と鉄道利用、あるいは地域公共交通とマイカーとの利用といった、二律背反というんですかね、にならないようになるような交通利用の在り方について、まちづくりの問題も含め、今後も同じ問題を抱えていかぬように、このベストミックスと、難しいと思うんですけれども、こういったところを求めてもらいたいと、こういうふうに思っています。  改めてこの整理をして長期的な良策を検討する必要があると、私はこういうふうに思っていますが、この高速道路の利用の在り方において、営業用車両、公益性の反映をしていくために重要だと思います。この営業用車両と自家用車、これをどういうふうに今後人口が減少していく中で共存をできるような状況をつくり上げていくのか、高速道路、今回料金を取っていくというような議案でありますけれども、それと含めて、営業車両、あるいは地域の移動、マイカーを運転できなくなる人はこれから確実にもっともっと増えるわけでありますから、この共存のところの考え方をお聞かせいただきたいと思います。よろしくお願いします。

○国務大臣(斉藤鉄夫君) 高速道路は大きな効果をもたらしますが、その大きさゆえに、その地域の生活、そして営自の問題、そしてまちづくりに大きな関係がございます。  このため、都市計画区域においては、都市計画決定の手続を経るなどまちづくりとの調和を図るとともに、計画を具体化する際の計画段階評価に当たっては、まちづくりなど、またその地域の産業に与える影響なども含め、必要性や効果を総合的に勘案し、地域の御意見を伺いながら検討を実施しているところでございます。例えば、町の外側の道路整備と併せ町中の道路空間を再編し、バス優先レーンや歩道整備により新たなにぎわいを創出する例もあると承知しております。  今後の高速道路ネットワークの検討につきましても、まちづくりや公共交通との連携の観点、また営自の観点も踏まえつつ、地域の御意見を伺いながら検討を進めてまいります。

○森屋隆君 時間が余りないので最後の質問になるかと思いますけれども、今後の課題というか、もう今既に現在進行中で当然ありますし、これもどういうふうな状況が一番いいのかということでお聞きをしたいんですけれども、高速道路における自動運転、これも参考人の方からいろいろ意見がありました。このインフラ整備について伺いたいと思います。  自動運転に関する高速道路のインフラ整備に対する、例えばサービスエリアに設ける自動運転車両の拠点施設もそうですが、そのほかにも、自動運転に当たっては、合流支援や本線への先読み情報の提供のための設備、さらには専用レーンの設置といったものが当然必要だと、こういうふうに言われています。これらの整備する財源というのはどのように確保を考えているのか、仮にこれを高速道路利用者の料金負担に求めるということなのであれば、この費用対効果、実用性などの観点からも、整備するインフラに十分にも吟味が必要なわけであります。  国は、二〇二五年度の高速道路、もうレベル4、今レベル4というふうになっていますけども、このレベル4の自動運転トラックの実現などを目標として掲げています。実証実験も始まるようなことも聞いています。しかし、トラックドライバーがいないから、そして今後もなかなかそうした人が集まらないんじゃないかということもあるのかもしれませんけれども、この自動運転のその目標達成のためにだけに過剰な投資が行われる、これ、私、余り望ましくないと、こういうふうに思っています。  その前にやはり、大臣、やっぱり物流だとか人流を担う人の労働環境、賃金、労働条件、こういったところをやはり私は考えていくべきであって、それと並行しながらであればこの自動運転というのもあるのかもしれませんけれども、自動運転ありきで、目標ありきで、大きな予算、設備投資をしていく、これは少し違うのではないのかなと、こんなふうに思っています。  これは政府の見解について伺いたいと思います。よろしくお願いします。

○政府参考人(丹羽克彦君) お答え申し上げます。  自動運転の実現は、物流の効率化、ドライバーの労働環境の改善、交通事故の低減などに資するものでございまして、重要な施策であります。政府では、先ほど委員御指摘のとおり、令和七年度頃の高速道路におけるレベル4自動運転トラックの実現に向けまして取組を進めております。来年度には、新東名高速道路において自動運転レーンを設定し、実証実験を行う予定となっております。  また、この自動運転のための投資に関する負担の在り方でありますが、令和三年八月に取りまとめられた有識者委員会でございます国土幹線道路部会の中間答申におきまして、自動運転が、交通流全体の安全性、また効率性の改善につながることを前提とすれば、自動運転車のみに負担を求める必要性はなく、高速道路利用者全体として負担することも妥当であることを踏まえ、負担の在り方について検討する必要があるといった御意見をいただいております。  国土交通省といたしましては、技術開発、またこの中間答申を踏まえまして、自動運転の設備投資そのものをどうしたらいいのか、また負担の在り方について検討してまいりたいと考えております。

○森屋隆君 もう直近の話だと思いますし、自動運転の必要性も地域によってはこれ当然あると思うんですけれども、東名だとか名神だとかそういった大動脈に、まだまだ無人で、あるいはドライバーが一人いて二台目、三台目がそこに付いていくというような、技術的にはできるのかもしれませんけれども、ただ技術的にできるからということで進めていくのではなくて、やっぱり国民との対話、世論があって、そしてそこに働く者がいて、特にコロナのときなんかもそうだったと思います、働く人の仕事、やっぱり余り進め過ぎて奪うようなことがあって、さらに、その心配が先行して更にそこに勤める人がいなくなるようなことになっては本末転倒だと私は思っています。  相当若い人が、将来自動運転になるから今から勤めてももう長く勤められないんじゃないかというような、そういった不安もあるんです。そういったところをしっかりと説明をしながら、そして状況を見ながらこの自動運転についても進めていくべきだと、こういうふうに私は思います。  時間が来ましたので、終わります。ありがとうございました。

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