議事録

国土交通委員会 2021年5月11日

204-参-国土交通委員会-014号 2021年05月11日

○森屋隆君 立憲・社民共同会派の森屋隆でございます。まず、質問の機会をいただいたことに心から感謝を申し上げたいと思います。
 まずは、赤羽国交大臣にこのことを聞かなければならないと思います。冒頭、大臣のお言葉を聞かせていただきたいと思います。
 三度目の緊急事態宣言が四月二十五日から今日まで、東京、大阪、兵庫、京都、この四都府県に出されたわけであります。今、岩本委員からもありましたように、二年連続のゴールデンウイークをまたぐ宣言でありました。
 厳しいこの状況にある観光関連産業、更に大きな犠牲を強いることになったんだろうと、こういうふうに思いますし、しかし、何としてもこの感染を抑えていかなければならないということで、今回の緊急事態宣言、十七日間の短期集中ということで、飲食店のみならず百貨店、大型商業施設あるいはレジャー施設、そして公共交通機関も、その要請に応じてこの緊急事態宣言を、ゴールデンウイークを過ごしてきたわけであります。結果的には、政府は七日に愛知と福岡を加え、六都府県を今月末まで延長することになりました。
 私は、一年前のちょうど四月の七日だったと思いますけれども、一回目の緊急事態宣言が午後出される、この午前中のこの委員会で大臣にやはり質問、お尋ねをさせていただきました。
 今大臣からもありましたけれども、この観光、あるいは公共交通、観光関連に加わるこの産業、九百万人の方々が働いています裾野の広い、そして、一度崩壊をしたらなかなか元に戻らない、私はそういう産業だと思っています。その中で、長期化をしたときに本当にこれ崩壊してしまう、心配だと、こういうことを常にこの委員会でも述べさせていただきました。結果として、今回の緊急事態宣言、昨日の予算の集中でも菅総理は、人流は減ったんだと、こういうふうに言っていましたけれども、結果的には、感染というのはやはり減ってこなかった、あるいはこれからなのかもしれませんけれども、この十七日間では終われなかったわけであります。
 改めて、この三度目となる宣言、そして更なる延長について赤羽国交大臣の受け止めをお聞きをしたいと思います。よろしくお願いします。

○国務大臣(赤羽一嘉君) 必ずしも私の所管ではありませんが、政府の一員として申し上げさせていただきますが。
 今回、ゴールデンウイークに臨むに当たって、こうした平常の、毎日勤務があるという期間ではないゴールデンウイークという期間を捉まえて、ややもすると様々な娯楽活動等々が予定されている中、あえてちょっと特別な期間ということで、相当強い、お酒を出さないこととかそうしたことを、百貨店に対する規制、営業の自粛等々、相当強いことは行ったと思います。
 当初から、この十七日間の中で効果があったのかないのかというのは、私はあったというふうに思っておりますけれども、その十七日間の中で感染の数が明示的に減少するかどうかというのは、それはまだよく分からないといった部分もあったかと思います。ただ、それを、ずっと同じだけの厳しいことを五月十一日以降というか十日の月曜日からずっと同じことが続けられるのかどうか、これはなかなか他方で考えると厳しいんではないかということで、一月の緊急事態宣言と同じ程度のものは五月三十一日まで、大変国民の皆様には申し訳ないけれども御協力をお願いしたいと、そうした流れだというふうに思っております。
 ですから、我々は、こうした中で国民の皆様には大変御不便もお掛けしますが、やっぱり国民全体の生活、また経済活動についても感染の収束というのがやはり大変重要でありますし、同時に、ワクチンの接種も始まっておりますので、これはやっぱり決定打の一つということで、早期にワクチンの接種を進めていかなければいけないと、こうした判断は政府全体の思いだというふうに思っております。
 他方で、その中で、観光関連、交通事業者は一番影響を受けている産業の一つだというふうに思っております。私も、地元が神戸市北区、有馬温泉の近くですので、有馬温泉に灯がともらない状況というのは想像できておりませんでしたが、昨年のゴールデンウイークはほぼ全館休業しておりましたので、極めて日常じゃないというか平常じゃない状況だということを感じました。
 今年は、若干営業をされているところもありますが、通年の書き入れ時とはまた違うわけでございまして、今何とか雇用だけは支えていただいているというような状況でありますけれども、こうしたことはやっぱり長く続くわけではないので、何とか早期収束をし、ワクチン接種を進める中で一日も早く観光を楽しめる環境をつくっていかなければいけないと、こういう思いでございます。
 その間潰れては困りますし雇用もしっかりと守っていただかなければいけないので、先ほど御答弁させていただきましたが、雇用調整助成金の拡充の延長を引き続き求めておきたいですし、資金繰りの支援につながる諸施策についても、関係大臣とはしっかり今綿密に取って対応していく決意でございます。
 また、先日発表させていただいた、これまで自己負担でやっていただいた感染拡大防止対策、これは、様々旅館、ホテルを回りますと、相当大掛かりなことをされているところもありますし、消耗品のアルコールのあれも相当な量で費用が掛かっておりますので、そうしたことに対しては国として、国交省として支援ができるようにということで、緊急の措置として急遽決めたところでございます。
 思いは多分同じだと思いますが、地域にとって、地域産業、地域雇用にとって観光関連、交通事業者というのはなくてはならない大切なインフラでありますし、今後の日本の経済成長、地方創生ということを考えれば、そこの部分の産業の皆さんがやっぱりもっと元気に力強くなっていただかなければ前に進めないというふうに思っておりますので、そうした思いを込めて、現場の皆さんが喜んでいただける適切な支援策はしっかりと打っていこうと、こう決意をしておるところでございます。

○森屋隆君 大臣、ありがとうございます。本当に真摯な受け止め、本当に有り難いと、こういうふうに思います。
 今日の新聞でもありましたけれども、航空関係、夏と冬の臨給がもうゼロ、一時金がゼロだと、こういうふうに発表がありました。年間収入の四割が減ったと、こういうふうな記事でございましたし、そして、観光は、今大臣からありましたように、地域の主力の産業でもあります。是非この状況を何とか打開をして、今大臣に述べていただきました、本当に強い後押しをお願いしたいと、こういうふうに思います。
 一方で残念だったのは、昨日の予算の集中でありましたけれども、水際対策です。海外からの方が入っている中で、インドやパキスタン、ネパール、インド株が今どうなのかという議論になっていますけれども、三百人の方が、一日最高だろうと思いますけれども、連絡が付かない、いる場所が分からないと、このようなことが昨日の委員会でもありました。
 全国的に頑張っている中で、こういうところからやはり感染がなかなか抑えられない、抑え込めないという状況が出ているんだと思います。そして、今月末にも本当にどういう状況で解除になるのか、その明確なものも出されていない、ステージ2なのか、尾身会長が言うように、ステージ2が少し、東京でいえば百以下になれば解除なのか、そういったことがよく分からない、そういった中で、要請をされている事業者あるいはそこで働いている人が我慢をしています。ここは、もう少ししっかりデータを基に、こういうふうになったら解除なんだとか、やはりそういう物差しがないと、いつまでこれやっているんだろう、また少しインド株が増えてきたから、五月末じゃなくて急遽五月末の手前にもう二週間ほど延ばすとか、こういうことも実はあるんじゃないかと、こんなふうな心配をしています。
 いずれにしても早期の収束が必要なわけでありますから、これ与野党関係ありませんから、是非、私も頑張っていきたいと思いますので、大臣、引き続き御指導を賜りたいと、こういうふうに思います。
 先ほど、岩本委員の方からも観光のことでありました。私も、観光のことでこれはお伺いしたいと思っています。どういうことかというと、やはりよく分からないんです。交通整理をさせていただきたいと、こういうふうに思います。
 現場からは、やはり事業者から、よく分からない、使えるのか使えないのか、あるいはコロナが収まった後の観光需要策なのか、あるいはこのコロナの感染を抑えるためのものなのかということで、少し戸惑っています。
 まず、GoToが今はないわけでありますから、先ほど大臣の方からも少し答弁あったのかもしれませんけれども、この三千億の地域観光の支援策、これ今具体的にどんなような状況になっておりますか、お聞かせください。

○政府参考人(蒲生篤実君) お答え申し上げます。
 地域観光事業支援は、GoToトラベル事業の再開が当面難しい状況にある中で、全国の多くの知事からの強い御要請等を踏まえまして、感染状況が落ち着いているステージ2相当以下と判断した都道府県が県内旅行の割引事業を行う場合において、国として財政的に支援するものでございます。
 具体的な支援内容は、ステージ2相当以下と判断した都道府県が同一県内での旅行への割引支援を実施することを決定し国による支援を希望する場合には、旅行商品代金、宿泊料金の半額又は一人一泊当たり五千円のいずれか小さい方の額につきまして国から補助金を交付するものでございます。
 また、旅行への割引支援と併せまして、クーポン等で土産物屋、飲食店、公共交通機関などの地域の幅広い産業に裨益する支援を実施する場合には、更に一人一泊当たり二千円を上限として補助金を交付することとしております。
 なお、あらかじめ宿泊・旅行券を宿泊施設、旅行会社等で販売し、宿泊代金、旅行代金の一部を前払する方式を採用する旅行割引事業に関しましても、今回の支援の対象として明らかにしているところでございます。
 また、先ほどの御答弁にも申し上げましたけれども、また、宿泊事業者による感染防止対策等の支援といたしまして、各都道府県が行う宿泊事業者が感染拡大防止策の強化等の費用につきまして、地域観光事業支援の支援内容を追加する形で財政的に支援することといたしました。
 今回の支援措置におきます旅行宿泊割引支援に関する都道府県からの申請状況等につきまして申し上げますと、昨日五月十日時点で、二十一の県からの交付申請がございました。このうち十一県に関しまして交付決定を行っているところでございます。
 以上でございます。

○森屋隆君 ありがとうございます。
 二十一から申請があって十一に出したということで、これは五月末だったんですけど、これは十二月、今年いっぱいということでいいんでしょうか。

○政府参考人(蒲生篤実君) 最初五月末という形で発表させていただきましたが、今回は、事業期間に関しましては十二月いっぱいという形にさせていただいております。

○森屋隆君 ありがとうございます。確認させていただきました。そして、これは都道府県が主だということで確認をさせていただきました。
 もう一点、この観光のことについて少し整理をさせてください。
 誘客多角化等のための魅力的な滞在コンテンツの造成、そして地域観光資源の磨き上げを通じた地域内連携促進事業、これ五十億円ありますけれども、そして、もう一つが既存観光拠点の再生・高付加価値化推進事業、この三点、どういうふうに整理したらいいでしょうか。お答えください。

○政府参考人(蒲生篤実君) 今御指摘いただきました三つの事業は、全て昨年度の補正で認められた事業でございます。最初のものが第一次補正、あとの二つが第三次補正のものでございまして、第一次補正によります誘客多角化等のための魅力的な滞在型コンテンツ造成事業でございますが、こちらは、支援対象というのは自治体やDMO等々、これは広く取っております。これに関しましては他の二事業も同じでございます。広い対象者の方々で、例えば単独若しくは連携してという形で手を挙げていただくことを考えております。
 なお、最初の二つの部分でございます、誘客多角化と地域の観光資源の磨き上げ、これに関しましては、いわゆるソフト事業を中心としております。最後の既存観光拠点の再生・高付加価値化事業に関しましては、これはハード面も入っておりますが、この中で特に重要視しておりますのは、観光を支える一つの血液でもあります、重要な血液であります交通事業者さん、交通事業者さんとの交通連携型というのをこの第三次補正の観光拠点の再生・高付加価値化推進事業という形で入れさせていただいております。
 いずれにいたしましても、これは、全て、いわゆる事業を行う場合にはコロナ対策というもの、感染拡大防止対策をどうやっていくかということを前提にいたしまして、それを徹底した上での実証事業や取組、そういったものを支援していきたいと思っているところでございます。

○森屋隆君 ありがとうございます。よく分かりました。
 感染対策にもいいということでありますから、事業者も含めて、あと地方自治体、市町村、少し迷いがあるみたいですから、使い方も含めて説明お願いしたいと思いますし、私も説明していきたいと思います。また、いい例がありましたら是非横展開していただきたいと、こういうふうに思います。
 次に、やはり感染防止がなければ今の観光の話もつながらないわけであります。この間、赤羽国交大臣あるいは秡川自動車局長、本当に積極的に地方運輸局あるいは関係団体に、この感染対策にこういうものが有効だということで、タクシーの換気あるいはそういったものについても補助と、あるいは地方創生臨時交付金の方からも使えると、こういうようなアピールもしていただいて、かなり進んできています。事業者からもあるいは関係団体からも、本当にお礼の言葉が私のところにも来ています。ありがとうございます。
 そして、やはり何といっても、今度ワクチンだと思うんです。これは政府も昨日言っていました、ワクチンを何としても打っていかなきゃいけない。この中で、タクシーやあるいは観光バスを利用されているところあると思います。そして要望しているところもあろうかと思います。状況を教えていただけませんでしょうか。

○政府参考人(秡川直也君) 地方自治体におきまして円滑なワクチン接種を図るために、今御指摘いただきましたように、バスとかタクシーを活用するということが進められていると承知しています。
 地方運輸局を通じまして確認したところ、現在、大体三百ぐらいの自治体で活用の検討が進められているということです。中身を見てみますと、大まかに申しますと、その接種される方をバスで輸送するパターンとか、あとバスの乗車券を配付するとか、あとはタクシー券を配付するとか、あと、乗り合いタクシーを自治体が仕立てて、それで乗っていただくというようなパターン、あるいは訪問接種等を行う医療従事者の皆さんをタクシーで輸送するというようなパターンもございます。あと、交通不便地域において接種会場として貸切りバスを活用するというようなことを検討している自治体もございます。

○森屋隆君 大臣、ありがとうございます。三百、大変大きな数字かと思いました。ありがとうございます。
 それと、車両を改造して使えるというふうなことも少し聞いております。四月の九日にこれ国交省の方で構造変更も少し緩和していただいて、車検の関係ですかね、緩和していただいて、あるいは診療所の関係は厚労省の方が緩和していただいたということで、かなり進んだというふうに聞いています。
 これ、車両を使った場合には、これ新聞報道ですけど、一時間に五千円、五万円から十万円、一日でですね、そういったことがちょっと報道されていたんですけれども、基本的にはどのくらいになりますかね、これ。これは何を基準に決めるんですか。普通の貸切りの単価を基に決めればいいんでしょうか。

○政府参考人(秡川直也君) それは、多分、具体的にはケース・バイ・ケースで、普通、貸切りバスは、お客さんがたくさん乗られて一回の旅行をされるというときの値段を決めていますけれども、今回は全然違うケースになりますので、社会貢献という面もありますけれども、こういう非常事態の対応ということもありますので、自治体と事業者さんでお話し合いになってそういう値段的なものは決めているというふうに聞いております。

○森屋隆君 ありがとうございます。自治体と事業者でケース・バイ・ケースの中でやっていただければ結構だということで、確認をさせていただきました。本当にありがとうございます。
 何としても、こういったことを活用しながら、そして感染を防ぎ、あるいはその事業者も救っていけると、こうウイン・ウインの形に是非なればと、こういうふうに思っています。本当にありがとうございます。
 そして、今日は、厚生労働省大臣官房小林大臣官房審議官の方にも御足労いただきまして、本当にありがとうございます。質問を変えて、少し働き方についてお聞きをさせていただきたいと、こういうふうに思います。
 交通運輸労働者の働き方改革について、自動車運転者労働時間等の専門委員会、これが開催されていると、こういうふうにお聞きをしています。まずは、昨年十月の実態調査の目的、そして調査から分かったこと、そして、四月二十三日にも開催されていると思いますけれども、休息期間に関するこの委員会の認識について教えていただきたいと思います。

○政府参考人(小林高明君) お答えいたします。
 自動車運転者は他業種の労働者と比較して長時間労働の実態にあるため、過労死防止の観点から、働き方改革関連法施行後五年、すなわち令和六年四月の特例適用までの間、速やかに改善基準告示の見直しを検討するよう求められております。このため、御指摘ございましたように、令和元年十二月より、労働政策審議会において専門委員会を設置し、公労使で議論を行っているところであります。
 改善基準告示の見直しに当たっては、自動車運転者の多様な勤務実態や業務の特性などを把握した上で検討を行う必要があるため、令和二年十月に、ハイヤー、タクシー、トラック、バスの全国千二百九十三の事業場及び九千五百九十名の自動車運転者を対象に実態調査を実施をいたしました。回答率については、事業者調査が三九・一%、自動車運転者が二五・八%となっております。
 また、休息期間についてでございます。
 御指摘のありました専門委員会、四月二十三日に開催をしてございます。実態調査の結果及び改善基準告示の見直しの方向性について議論を行っております。
 休息期間、例えば、勤務と次の勤務の間の時間であります休息期間に関しまして、現在の改善基準告示では継続八時間以上とされておりますが、実態調査においては、最も忙しかった日における休息期間が八時間以上と回答したドライバーの割合は、全業態で七割を超えております。
 一方で、適切と思う休息期間について十時間以上と回答したドライバーの割合は、ハイヤー、タクシーでは三七・七%、トラックでは四七・六%、バスでは八二・七%となっております。
 こうした調査結果を踏まえ、専門委員会におきまして、休息期間について十一時間に見直すべきとする御発言の一方で、十一時間とすると労働者の賃金を守ることができない等、労使から様々な御発言があったところでございます。
 今後、改善基準告示見直しに向けて、精力的に御議論をいただくことにしております。

○森屋隆君 ありがとうございます。
 本当にこの休息時間のところが一番大事だと思っています。委員会の認識として十一時間、私も、この十一時間、必要だと思っています。このインターバル、ILOに、やはり基準に合わせていくべきだと、こういうふうに思います。
 次に、自動車運転者の労働時間が年間二千五百、これモードによって多少違うのかもしれませんけど、二千五百時間ほどありまして、あるいはその拘束時間で見ると、三千四百、五百近い、年間ですけれども、この時間になるかと思います。
 この労働の定義というものをちょっと教えていただきたいと思います。

○政府参考人(小林高明君) お答えいたします。
 労働時間についての定義といいますか、労働時間につきましては、ガイドラインにおきまして、使用者の指揮命令下に置かれている時間のことをいい、使用者の明示又は黙示の指示により労働者が業務に従事する時間は労働時間に当たるとされているところでございます。

○森屋隆君 私もそうだと思っています。指揮管理の下にあるときは労働時間だということであります。
 一例を挙げさせていただきたいんですけれども、私、バスの運転手やっていました。何年もやっていたわけですけれども、大分変わってきて、駅からお客様を乗せて走って、折り返し所に着いてお客様が全員降りて、またそこで十分あって、その十分後にまた駅に向かっていく、この十分が非労働時間になっているところが非常に多いんです。これ十分なのか五分なのか十五分なのか、これまちまちなんです、企業によって。これというのは指揮命令下に入っているんですよ。客観的に見るとそういうことになるんですけれども、やはりそういったことが整理されていない中で、私は問題だと思っていますから。十一時間のインターバルをつくる中で、先ほど審議官の方からありました、減らすと結果的には年収も減ってしまうという、こういう図式なんです。
 なぜかというと、今言ったような、普通でしたら、日勤の勤めの者でしたら、朝の八時半に出勤して五時半に退社をする、九時間拘束をされている、そしてお昼の一時間が休憩だと、それで八時間労働なんですよ。先ほど私が言ったように、朝の四時半から例えばバスの運転手さんは出勤して、いろんなところを走っていく、そして、八時間を積み上げるのに、さっき言ったように駅へ行って折り返しがあって、駅へ行ってまた折り返しがあって、こういうことを繰り返すわけですから、八時間を稼ぐのに十三時間ぐらい拘束時間になってしまうんです。やはりここをこの委員会の中でも捉まえていただきたいと、こういうふうに私は思っています。
 何か所見ありましたらお聞かせいただきたいと思います。

○政府参考人(小林高明君) お尋ねの折り返しに要した時間などは実態で判断をすることになりまして、使用者の指揮命令下に置かれているものであれば、労働時間として適正に把握していただく必要がございます。
 また、賃金の引下げにつながらないような対策をという御指摘でございますけれども、厚生労働省としましては、国民生活や産業活動に必要な機能を確保しつつ、長時間労働の改善のみならず、生産性向上による賃金引上げ等を推進していくことが重要であると認識をしてございます。このため、全国の労働基準監督署に設置した労働時間相談・支援班、あるいは四十七都道府県に設置している働き方改革推進支援センターにおける中小・小規模企業に対する支援を行ってございます。
 今後とも、事業者が働き方改革の取組を進めることができるよう、国土交通省などと連携いたしまして、しっかりと支援してまいりたいと考えております。

○森屋隆君 審議官、ありがとうございます。
 もう一点確認させてください。
 この改善基準告示、今年の十二月の告示だったと思うんですけれども、これ、一年先送りになったということでよろしいでしょうか。確認です。

○政府参考人(小林高明君) 御指摘のとおり、一年延ばしたということでございます。

○森屋隆君 ありがとうございます。
 自動車運転者の働き方の質問はここで終わりになります。
 委員長、取り計らいをお願いをいたしたいと思います。

○委員長(江崎孝君) 厚生労働省小林審議官、退室されて結構です。

○森屋隆君 ありがとうございます。
 次に、やはりこれも働き方なんですけれども、整備士の関係についてお聞かせください。この委員会でも何点か出ているかと思います。
 今、二〇一九年から二〇二三年まで、これ、五年間掛けて外国人労働者の方を研修して、整備部門、今人が足りないわけですから、ここを補っていこうということになっているかと思います。どのぐらいの数字になっているか、そして一方で、条件を更に良くして若者が働きやすい職場にしていきたい、こういう思いもあります。二点、よろしくお願いします。

○政府参考人(秡川直也君) 今御指摘いただきました特定技能制度、それで自動車整備分野、外国人の方、本年二月時点で二百十人となっています。国籍としては、フィリピンとかベトナムの方が多いというふうに承知しています。
 自動車整備業、有効求人倍率で見ますと四・七七という数字で、非常に大きいですね。自動車整備士を志す若者が減少しているとか人手不足の状況にありまして、日本人の雇用や処遇改善というのが非常に重要だというふうに思っています。このため、若い人たちに対しまして自動車整備の魅力を伝えるPRだとか、あと、人材確保とか処遇改善のため、経営される方へのセミナーを開催したりしています。
 引き続き、関係団体とも連携しながら、自動車整備の人材確保、処遇改善に向けた取組をしっかり進めてまいりたいというふうに考えております。

○森屋隆君 局長、ありがとうございます。
 大分職場からは改善がされてきていると、賃金面も含めて、そういった声も聞かれています。本当にありがとうございます。
 一方で、この外国人の方の目標値が六千とか七千だと、こう思っていたんですけど、今聞くと二百十ということで、これ、当然コロナがあったからかと、こういうふうな数字になっているかと思うんですけれども、やはり六千とか七千というのは、私、これ無理だと思うんですよね。ちょっと難しい数字なのかなと思っていますから、この辺のところも、引き続きもし検討をされるのであれば、一方でその六千とか七千ということも否定はしませんけれども、先ほど言った、若い人が勤めたいという、こういった産業に、業種にしてもらえればと、こういうふうに思います。ありがとうございます。
 次に、鉄道の関係についてお聞かせをしていただきたいと思います。
 鉄道も、御承知のとおり、地方の鉄道はやはり赤字経営が慢性化しています。そういった中で今回のこの長引くコロナですから、地方鉄道というのは、実は、通勤通学もそうですけれども、それよりも観光で来られた方の輸送でかなり潤っている、あるいはこの間でしたらインバウンドで潤っていたんですけれども、それがないわけでありまして、やはりそういった中でどうやって経営をしていくんだろうと、こういうふうになるわけでありますけれども、そんな中で、やはり私この委員会でも質問しましたけど、無人化がどんどんどんどん進んでいます。そして、今日聞きたいのはワンマンなんです。鉄道のワンマン化、要は、車掌さんがいなくて運転手さんだけがどんどん進んでいます。
 これを、この基準というのはどういうふうになっているのか、そして、今このワンマンの基準、そして国交省の指導も含めてどのようになっているのか、ここについてお聞かせをいただきたいと思います。よろしくお願いします。

○政府参考人(上原淳君) お答えいたします。
 新型コロナウイルス感染拡大の影響によりまして利用者が減少し、鉄道事業者、特に委員御指摘の地方鉄道の事業者はより一層厳しい状況に直面していると認識をいたしております。
 一方で、ワンマン運転の実施につきましては、このような事業者の状況にかかわらず、安全の確保のため通常車掌が行っている旅客の乗降時のドアの開閉操作や安全確認、あるいは異常時における緊急的な関係列車の停止の手配、さらには旅客の誘導、避難等の業務が的確に行われる必要がございます。
 このため、ワンマン運転の実施につきましては、国土交通省では、鉄道に関する技術上の基準を定める省令や、その解釈基準である局長通達等におきまして、ワンマン運転に必要な車両設備や運転の取扱い等について定めております。例えば、運転士が保安上必要な場合には駅や運転指令所と定位置で支障なく連絡ができること、あるいは運転士が定位置で容易に乗降口の扉の操作あるいは旅客への放送ができることなどが規定されております。
 また、鉄道事業者がこのようなワンマン運転を行う場合には、この技術基準省令等に基づきまして、ワンマン運転に必要な事項を鉄道事業者が定めます運転取扱いに関する実施基準に規定をいたしまして、国土交通省地方運輸局長に届け出る必要がございます。地方運輸局長は、届けられた実施基準が技術基準省令の規定に適合していないと認めるときは、実施基準を変更すべきことを指示することといたしております。
 さらに、ワンマン運転を行うためには車両の改修や新造が行われる場合がございますが、その場合には、鉄道事業法に基づく車両確認の手続が必要となります。
 国土交通省では、このような手続を通じまして法令上問題ないかを確認をするとともに、ワンマン運転の実施状況につきましては、定期的に行っている保安監査等におきまして法令上の確認を行っているところでございます。

○森屋隆君 ありがとうございます。
 その基準に沿った設備を整えればワンマンできるということなのかと思います。これは、どうしても収支が合わなければ固定費をやっぱり変えていかなきゃならないということで、そこで人件費あるいはワンマンという、こういうことになっていくんだろうと思います。
 聞きますと、この基準は平成十四年のものだというふうにお伺いをしています。少し二十年ぐらいたっています。お客様のニーズあるいは安全の向上も大分変わってきていると思います。
 そして、今局長ありましたように、書類の審査だと、こういうふうに伺っています。現地に行って検査しているわけではないということでお伺いしています。その辺のところについても今後検討材料なのかなと、こういうふうに思っています。
 地方の鉄道だけではなくて、十五両、長編成という、この辺走っている、都内走っている、これもワンマン化になっていく、これ大変難しい、悩ましいですね。一方ではデジタル化というのがあるかと思いますけれども、そこのバランス、安全とのバランスを是非是非国交省の方で検討していってほしいと、こういうふうに思います。
 次に、中長期的な課題についてお聞かせください。
 第二次交通政策基本計画について、今まではインバウンドを中心に割と組立てがあったのかと思っていますけれども、今後、この基本計画、私は、やはりエッセンシャルワーカーを中心に、そして人口減少、高齢化、あるいは防災・減災、そして脱炭素、こういったことを主にやはり組み立てるべきだと思いますけれども、この基本計画について、考え方、教えていただきたいと思います。

○政府参考人(久保田雅晴君) お答え申し上げます。
 公共交通事業者、コロナ禍以前より少子高齢化、人口減少が進みまして、非常に厳しい経営環境にあったところ、昨年来のコロナ禍によります輸送需要の減少によりまして事業継続が大変厳しい中、地域の住民の日常生活や観光を含む我が国経済産業活動を支えるインフラとして、極めて公共性の高い役割を担っているところでございます。
 こうした公共交通どのようになるかということにつきまして、現在、交通政策基本計画、これは平成二十七年二月に閣議決定したものでございますけれども、一昨年十一月から、交通政策審議会におきまして見直しのための御審議を行っていただいているところでございます。実は、今日も十時から審議会を開催して、御審議をいただいているところでございます。
 これまでの御審議の中におきまして、先ほど申しました人口減少、少子高齢化の進展に加えまして、新型コロナウイルスの感染症拡大に伴う移動の自粛によりまして公共交通をめぐる環境が一層厳しさを増す中で公共交通の役割はますます高まってくるとして、次期交通政策基本計画に盛り込むべき内容、いろんな観点から御指摘をいただいているところでございます。
 こうした有識者の御意見をいただきながら、次期交通政策基本計画におきましては、大変厳しい経営環境も踏まえた持続可能な公共交通の実現に向けた施策の方向性につきましてしっかりと打ち出してまいりたいというふうに考えてございます。

○森屋隆君 ありがとうございます。よろしくお願いします。
 JRあるいは私鉄大手、安全対策に年間五千億ほど毎年毎年掛かっていますから、そのことを考えれば、やはりどうしても固定費、人件費を削減する、こういうことにならないように、人を中心に、あるいはお客様を中心に是非検討をお願いしたいと、こういうふうに思います。
 次に、鉄道運賃のダイナミックプライシング、状況を教えていただきたいと思います。

○政府参考人(上原淳君) お答えいたします。
 新型コロナウイルスの影響によりまして通勤時の混雑緩和がこれまで以上に求められる中で、テレワークや時差通勤の進展など、通勤スタイルが多様化いたしております。JR東日本及びJR西日本では、こうした状況を踏まえまして、ピーク時の運賃を上げてオフピーク時は下げることによりまして利用者をオフピークに分散するダイナミックプライシングの導入に向けた検討を行っております。
 このため、両社は、オフピークの利用分散を促進する取組として、ピーク時間帯以外の利用をした場合にショッピングポイントを付与するサービスを今春より実施しておりまして、その効果につきましては、このダイナミックプライシングの導入に向けた検討の参考となるものと承知をいたしております。
 国土交通省では、現在、次期交通政策基本計画の策定に向けた検討の中で、大都市圏における都市鉄道の混雑緩和を促進させるための施策の一つといたしまして、いわゆるダイナミックプライシング等の新たな対策の効果や課題を十分に検討することにつきまして、現在、社会資本整備審議会、交通政策審議会の計画部会において御審議をいただいているところでございます。
 ダイナミックプライシングにつきましては、現段階で具体的な内容が決定しているものではございませんが、審議会での議論等を踏まえながら、国土交通省としても必要な検討を行っていく予定としております。

○森屋隆君 ありがとうございます。
 利用者の方が戸惑わない方向でお願いしたいと思いますし、あるいはタクシーの方でもかなり進み出して、ここも大臣の発言も見させていただきまして、幅を割と小さくして、余り上下がないようにというふうに聞いておりますし、一方で、今局長言われたように、テレワークが増えて今後鉄道の収入がどうなるかちょっと分からない中では、私はここを少し検討していくべきだと、こういうふうに思っています。よろしくお願いしたいと思います。
 次に、これは関西の私鉄の労働組合が中心となって調査をしたものなんですけれども、今日は細かいところまで聞こうと思っていませんけれども、鉄道現場におけるカスタマーハラスメント、これは、なかなか表に出てこないんですけれども、今かなり問題になっているんです、職場で。言葉の暴力あるいは土下座を強要したりですか、あるいはSNSで、携帯で撮ってSNSで発信をしてやると、こんなようなことがあります。
 この調査資料も今後出しながらお聞きをしていきたいと思いますけど、今日は、まず、このカスタマーハラスメントに対する見解、取組などについてだけで結構でございます。教えていただきたいと思います。

○政府参考人(上原淳君) お答えいたします。
 国土交通省において実施している調査では、令和元年度における鉄道係員に対する暴力行為の発生件数は全国で六百十一件ございまして、五年連続で減少したものの、依然として高止まりしている状況となっております。一方で、委員御指摘の駅係員への暴力に至らない理不尽な言いがかりや言葉の圧力などのいわゆるカスタマーハラスメントにつきましても、その定義が難しい状況ではございますが、鉄道業界からは懸念の声を聞いているところでございます。鉄道の安全確保や利用者への良質なサービスの提供のためにも、駅係員への暴力行為やこのようなカスタマーハラスメントを防止することが重要であると考えております。
 このため、国土交通省といたしましては、鉄道事業者や警察庁との間で毎年開催いたしております迷惑行為に関する連絡会議等の場を活用いたしましてカスタマーハラスメントの実態把握に努めるとともに、必要に応じて取組状況や取組強化についての意見交換を行うなど、鉄道事業者等の関係者と連携をいたしまして、暴力行為あるいはカスタマーハラスメントの撲滅に向けた取組を進めてまいりたいと考えております。

○森屋隆君 ありがとうございます。やはり徐々に国交省としてもその辺のところに取組が進んできているのかなと思います。
 第三者暴力行為、これは、ポスターもかなりインパクトのあるのを作っていただいていると思います。こういったポスターでの掲示、このカスタマーハラスメント、これもやはり駄目なんだと、こういうようなポスターも是非検討していただきたいと、こんなふうに思っています。
 今後も、細かい点、あるいはこういった事例がある、あるいはそれによって職場を去ることになった労働者もいますから、悩んでしまって、こういったことも少しこの委員会の中でお聞きをしていきたいと、こういうふうに思っていますので、よろしくお願いをいたします。ありがとうございます。
 最後になります。最後はやはり、昨年から一年間延長になりました、昨日も予算の集中で何回も出ていましたけれども、この五輪についてお伺いをしたいと思います。
 今、この地域でも六月から九月三十日までバス路線が五輪対応になって変更になるとか、こういうことも出ていますし、オリンピック開催までいよいよ七十三日、パラリンピック開催まで百五日、今日からカウントするとそういうことになります。
 当初は、考えてみますと、都内の鉄道を延長するということだったと思いますし、バス車両を二千台ほど全国から用意をして輸送をする、一方では、報道で、報道ベースでありますけれども、最近ではタクシーを三千台ほど集めて選手を輸送するなんということもちょっと聞いていますけれども。
 なかなか国交省との質問取りのときにかみ合わなかったんですけれども、昨日の予算委員会で、ああ、なるほどなと。国土交通省というよりも組織委員会の方でもなかなかどうなるか分かっていないということだったですから、国交省の皆さんの心中を察しますけれども、去年のベースと今現在国交省の把握している中での五輪の準備等々、この辺についてお聞かせをいただきたいと思います。よろしくお願いします。

○政府参考人(石田優君) お答えさせていただきます。
 東京オリンピック・パラリンピック競技大会での輸送などにおきますスムーズな運営に向けまして、輸送関係事業者、大会組織委員会、東京都などの公共団体、関係省庁等と連携しながらその準備を進めさせていただいております。
 輸送関係で申し上げますと、具体的には、輸送事業者も参加いただいております東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会輸送連絡調整会議を中心といたしまして、選手や大会関係者の受入れ体制や輸送の検討、また、鉄道や航空などにおきますテロ対策の強化などに加えまして、大会期間中の円滑な交通の確保に向けた首都高速道路の料金施策によります交通需要の調整、また、輸送に関します情報や混雑情報の事業者への提供によります交通需要マネジメントといったことについて取り組むこととしているところでございます。
 国交省といたしましても、こうした取組が円滑に進められますよう、引き続き関係者と密に連携を取りながら取り組んでまいりたいと考えております。

○森屋隆君 ありがとうございます。
 医療の現場では、このオリンピックで、組織委員会から五百人の看護師さん、あるいは二百人のスポーツドクターというんですか、こういったものの要請がありましたけれども、六月になって、無観客でやるのかあるいは観客を入れてやるのか、これもまだ決まっていない状況であります。しかし、現場がいきなり振られてもやっぱり戸惑うわけでありますから、是非、国交省の皆さんには御苦労を掛けますけれども、現場が混乱をしないように、これが一番大事だと思います。混乱をすればやはり安全が脅かされる、利用者の方が不安を感じる、こういうことになろうかと思います。このことを是非国交省の皆さんにお願いを申し上げまして、私の方からの質問を終えたいと思います。
 委員長、ありがとうございました。

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