議事録

政府開発援助等及び沖縄・北方問題に関する特別委員会 2022年3月25日

208-参-政府開発援助等及び沖縄・北方問題に関する特別委員会-005号 2022年03月25日

○森屋隆君 立憲民主党の森屋隆でございます。
 玉城先生、西田先生、本日はお忙しいところ本当ありがとうございます。また御説明いただきありがとうございます。よろしくお願いをいたしたいと思います。
 まず、玉城先生、西田先生それぞれからお答えいただきたいと思います。二点伺いたいと思います。
 一点目なんですけれども、私は公共交通機関で長く働いてきた者なんですけれども、先ほど西田先生の方からも少しあったかと思います。沖縄、まあ市内を中心に自家用車、軽自動車なんかもかなり多いと思いますし、そして、観光客の方は、今特にレンタカーがかなりお店ができて、レンタカーでの移動が多いなと、こういうふうに感じております。慢性的な渋滞がありますし、この慢性的な渋滞というのは当然経済損失だと、こういうふうに思っています。
 そんな中で、二〇五〇年カーボンニュートラル、これも非常に大事なテーマだと思っているんですけれども、今後、二十年先、三十年先を見据えて、沖縄のこの交通インフラ、どうあるべきかというのを少し考えを教えていただきたいと思います。これが一点目でございます。
 二点目については、本土に復帰して五十年という大きな節目でありますし、この間、社会インフラがずっと整備はされてきたと当然思うんですけれども、年月がたって老朽化もしてきたものも当然あると思いますし、全般的にその更新の時期を迎えているんだろうと、こんなふうに思います。
 その中で、全部一遍を交換していけるような、整備していけるようであればこれはいいことだと思うんですけど、なかなかそれ難しいと思いますので、まず社会インフラの中でこれを第一にやっていかなければいけないんじゃないかという、その優先順位みたいなものをあればお答えいただきたいと思います。
 それぞれの先生方からお答えいただきたいと思います。よろしくお願いします。

○参考人(玉城絵美君) ありがとうございます。森屋先生、御質問ありがとうございます。
 確かにおっしゃるとおり、沖縄県内の道路状況というのは、特に渋滞というのが観光客が増えるにつれ状況が悪くなっておりました。ただし、十年前に比べるとインフラが徐々に整備され、渋滞も大分緩和されてはきております。一方で、資料にもありましたとおり、新型コロナ感染症拡大以前に関しましては、そのインフラでもフォローし切れないほど観光客が増えてきたという現状もございました。
 そういった面でいうと、もちろん、おっしゃるとおり、そのインフラを今後どうしていくかというのは、優先順位というのは決めなければいけないかと思われます。インフラ整備をするとともに、例えばなんですけれども、自動運転車や水素ガス、様々なIT技術を駆使して、レンタカーや自家用車というのを使わなくても市民や観光客というのが移動できる状況というのをつくっていくというのが重要だと思われます。
 つまり、インフラだけをきれいに整備して道路を広くして交通量を単純に増やすというのではなくて、人の移動を自動車以外の部分でも代用できる形に変換していくという方法が、そういうIT技術、それから水素ガスなど、エコシステムの導入というのが、エコなエネルギーによる循環というのが必要になってくるかと思います。
 もう一方で、ここ十年、これから十年ですね、IT技術というのは更に促進していくと。人の、人流自体も変わってくるという意味で、先ほど資料で私の方から説明させていただいたとおり、恐らく、今、渋谷、都内で多く実施されているデジタルツインと呼ばれる、都内の、都市の情報をバーチャル世界、メタバースの中に移して、人流自体を少なくして、それでもう観光資源を流用していくというような方法も今後十年先には考えられるかと思われます。そういった先を見据えたインフラ開発というのが必要になってくるのではないかなと思います。
 優先順位といたしましては、インフラ整備はもちろんですけれども、今急務で、足りなくなっている、人流に必要な、市民や観光客に必要な自動運転、水素ガスなどの導入が私は優先順位が高く、その次にインフラ、さらにメタバースやバーチャル空間のデジタルツイン技術の導入といったIT技術の導入が必要になってくるのではないかと個人的に考えております。
 以上です。ありがとうございます。

○参考人(西田睦君) ありがとうございます。
 二点御質問いただきました。
 公共交通システムに関しては、私もちょっと言いました、私自身が実感しているところです。是非ここは改善を大きくしていく必要がある点だというように思います。
 多様なシステムを組み合わせることが大事だろうというふうに思うんですね、車だけに頼るのではなくて。一番末端のところということでいえば、それこそいろんなエネルギーを使った小型のもの、例えば電動自転車なんかも、今本学でもシステムを、置く場所を幾つか地域につくって、それで通学、通勤をしてもらえるようなシステムをもう試しております。そんなふうにやるようなところ。
 それからもう一つは、やはりもう少し長距離な根幹のラインというのも同時に必要になると思います。昔の、戦争の被害の前の沖縄の写真見ますと、ちゃんと鉄道が走っていますね、軽便鉄道だったようですけれども、あれ、戦争でやられてからなくなってしまっているというのが惜しいなというふうに感じているところです。
 例えば、今の時代にふさわしい何らかの形でそういう根幹のものもつくり、順次、モノレール、そしてそれをつなぐバス路線、そして一番自分に近いところでは新しいレンタル電動サイクルのようなもの等をうまく組み合わせる、そして、その使い方を、今、玉城先生も何度も強調しておられますけど、AI、ITを使えばうまくシステマティックに使えるようにどんどんなっておりますので、それを活用した交通システムを構築していくということが大事かなというふうに思っております。
 それから二点目は、社会インフラの更新、どこからが順番かというのは、ちょっと私自身余り専門、直接専門ではないので難しいんですけれども、本学の工学部に土木系のいろんな教員がおります。
 例えば、やはり沖縄はさびが出やすいんです。橋梁等、危険なことがあってはならないので、それはしっかりモニタリングをして、直さないといけないところは大ごとが起こる前に直していくというのは、安全性という点から見て優先度高いんであろうというふうに思います。そこをカバーすれば、第一の御質問に近いような形で、交通システムをうまく構築していく中で解決していけるといいなというふうに思っております。
 以上です。

○森屋隆君 先生、ありがとうございます。
 一つ、やはりデジタル、ITとかいうものを活用していくというのがポイントになるのかなと私も思っていますし、そしてまた、この間、歴史の中でもバスが活躍してきた中で、今、既存のバスを、交通機関を更にイノベーションして使い勝手良くしていく、あるいは、ゆいレールも観光客の方にも地元の方にも愛されていると思いますし、非常に使われていると思いますし、そこをよりグレードアップというか、していければとも思っています。またお知恵をお借りしたいと、こういうふうに思います。
 最後になります、時間が来たので、一点、簡単にですね。
 先ほど、沖縄の弱みが強みになるというようなことがあったのかと思います。強みということでいえば、これをやっぱり推していきたいというのがあれば、ちょっとお聞きをしたいと思います。西田先生の方でお願いします。(発言する者あり)

○委員長(青木一彦君) 挙手を。
 西田参考人。

○参考人(西田睦君) あっ、挙手、失礼しました。
 ありがとうございます。
 強み、私は、先ほどは自然面を中心に御紹介いたしました。例えば生物多様性と一言で言いましたけど、先ほど比嘉先生がおっしゃった、まさにそれは資源の大本でもあります。それをしっかり研究をし、活用に向けてどうしていくかという士気を高める、それを担う人材を育てる、そこまで総合的にやることが大事かなというふうに思っております。
 それで、そういうふうに考えると、いろんな分野の多様性というのが実はすごく大事だと思います。文化的な面もそうだというふうに実は思っております、それが日本全体の多様性を高めてくれていますので。多様性は、結局、イノベーションを生む大本です。一つの考え方というか一つの知識しかなければ新たなもの生まれにくいです。少し違ったものが触発することによって新しいものが生まれますので、日本にとって、沖縄が持つ多様性というのは、日本全体の多様性を増やしてくれる。だから、いろんな側面に沖縄固有の優位性というんでしょうか、あると思いますので、それをしっかりと見出して、見続けて、使っていくというところがポイントかなというふうに思っております。
 ありがとうございます。

○森屋隆君 ありがとうございました。終わります。

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