議事録

国土交通委員会 2021年3月25日

204-参-国土交通委員会-005号 2021年03月25日

○森屋隆君 立憲・社民共同会派の森屋隆でございます。
 まず、質問の機会をいただいたことに感謝を申し上げたいと思います。
 早速ではありますけど、質問に入らせていただきたいと思います。多少重複する点あるかと思いますけれども、よろしくお願いをいたします。
 改正案についてお聞きをいたします。
 JR各社が発足して、今年四月で三十四年を迎えます。まずは、国土交通大臣としてこれまでの民営化の評価と、そして今改正案が目指すことについてお聞かせをいただきたいと思います。

○国務大臣(赤羽一嘉君) 私は六十二歳なんですけど、小さい頃のイメージでいくと、国鉄というのは、ちょっと語弊がありますけど、まあひどい状況だったなと。サービスというか、トイレはどこ行っても汚いしと、こういうふうに思っていましたが、そうした意味では、この分割・民営化は劇的な効果があったというのは、これはもう事実だというふうに思っています。
 効率的で責任のある経営ができる体制が整えられ、鉄道サービスの信頼性や快速性が多くの面で大幅に向上して、特に、JR本州三社だけではなくてJR九州も完全民営化されると、ある意味では、国鉄改革の所期の目的を果たしたというのはまさにプラスの面だと思います。
 ただ、もう一つは、課題として、この本案に係るあれですが、JR二島貨物会社についてということでございます。
 北海道の関連の皆さんとお会いしたときに、大変国鉄民営化については否定的で、北海道はもう非常に全部、何というか、マイナスの方を押し付けられたと。私、結構ショックを受けまして、国鉄民営化というのは本当にうまくいった事例だというふうに思っていましたが、そうしたことを本当に切実に思われている方というのもいらっしゃると。
 これまでも、鉄道・運輸機構を通じまして助成金の交付ですとか無利子貸付け等、累次の支援を行ってまいりましたが、どうしても、この地域の人口減少、また他の交通手段、昔は北海道も四国もあんな高速道路はほぼなかったのが今やもう相当進んでいるということで、相対的に鉄道の優位性がなくなってきたり、また金利も随分低下したと、なかなか難しい状況がございます。同時に、ローカル線の維持も同様に、安全で確保するというのは難しいと。
 ですから、今回のこれは、年月は一定掛かるにしても、経営自立を目指すということとローカル線の維持といった課題をクリアしていくということで、相当、国交省としても、局長始め各担当の課長も腹を据えて作り込んだ法案だというふうに自覚をしております。

○森屋隆君 大臣、ありがとうございます。
 実は私は、地域の公共交通機関に入社したのが一九八六年ですから、まさにこの国鉄が民営化するときだったものですから少しは記憶にあるんですけれども。
 今大臣がおっしゃられたように、住民のニーズに合ったダイヤ等々が作られて、バブル期ということもあったんでしょうけれども、輸送人員が全国的に、国鉄だけじゃなくて、JRさんだけじゃなくて全国的に私鉄も含めて伸びてきたなと、こんなふうに感じていました。一方で、負の一面というんですかね、いろいろ人員の整理等々厳しい面もあったのかなと、こんなふうに思っています。
 そして、今回のこの改正案については、昨年秋口から大臣が桁違いの予算を付けていくと、こういった宣言をしていましたから、もう見た限りでは本当にびっくりするような桁違いのものだなと私も感じておりますし、また、新たな支援策も多く含まれているということで、本当に高く評価ができるんだろうと、こんなふうに思っています。
 次に、第一期集中期間について三点お聞きしたいと思います。
 JR北海道の第一期集中改革期間ではあるべき交通体系について徹底的に行うと、こういうふうにしていますけれども、まず、どのような検討がされたのか、次に、住民からの反応というのはどのようなものがあったのか、さらには、この第二期集中改革期間というのは令和三年度からでありますけれども、この第一期と第二期の異なる点についてお答えをいただきたいと思います。

○政府参考人(上原淳君) お答えいたします。
 平成三十年七月に国土交通省よりJR北海道に発出いたしました監督命令におきまして、経営改善に向けた取組の一つとして事業範囲の見直しを進めることといたしております。
 その見直しの中で、利用が少なく鉄道を持続的に維持する仕組みの構築が必要ないわゆる黄線区につきまして五年間で集中的に改革を進めることといたしまして今回提出させていただいておりますが、国鉄債務等処理法によるJR北海道に対する支援の期限が今年度末、令和二年度末に到来することを踏まえまして、これを挟む形で、前半二年間の第一期集中改革期間と後半三年間の第二期集中期間に分けてその取組を進めることといたしました。
 まず、第一期集中改革期間につきましては、JR北海道と地域の関係者が一体となって線区ごとにアクションプログラムを策定し、利用促進やコスト削減などの取組を進めてきたところでございまして、昨年十二月の北海道の鉄道ネットワークに関する関係者会議におきまして、国、北海道、沿線自治体の間でこれまでのアクションプログラムの取組状況を共有いたしております。
 その際、会議に出席されました各線区の代表でもあります首長の皆様からは、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、当初計画をしていた利用促進のための各種イベントを中止せざるを得ないなどの難しい面もあったものの、アクションプログラムの策定及び実行を通じましてJR北海道、沿線市町村、各事業者、市民の方と連携を図り、鉄路の維持、存続に向けて利用促進に取り組んでいくことができた旨の評価をいただいているところでございます。
 次に、これから始まります第二期の集中改革期間でございますが、現在、第一期集中改革期間の検証結果を反映させた新たなアクションプログラムの策定が進められているところでございます。今後は、この新たなアクションプログラムに基づく取組を進めるとともに、今回提出させていただいておりますこの支援の継続、新たな支援措置なども踏まえまして、最終年度である令和五年度には集中改革期間の総括的な検証を行った上で、事業の抜本的な改善方策について検討を行うことといたしております。
 引き続き、国といたしましても、北海道運輸局を通じました地域の声をよく聞いて、地域との連携した取組を進めてまいりたいと考えております。

○森屋隆君 ありがとうございます。
 次に、省力化、省人化についてお聞きをしたいと思います。
 JR北海道における人材の重要性と、どのような形で人への投資がなされているのか、これについてお尋ねをいたします。また、同社の過去五年の離職状況、現在の賃金の状況、さらに、北海道における冬期労働の課題等について教えていただきたいと思います。

○政府参考人(上原淳君) お答えいたします。
 JR北海道におきましては、これまで、人材投資策といたしまして、平成二十九年に札幌市手稲区に研修センターを新築移転し、現場の状況に即した実習の充実を図るといった取組を行ってまいりましたが、毎年度の若手の離職が相次いでいると同社から伺っております。
 具体的には、過去五年間、平成二十八年度末から令和二年度末の自己都合での十代から三十代の離職は年間百名を超え、令和二年度におきましては百七十七名に上り、その要因といたしまして、冬期の除雪作業や長大線区の線路保守といった勤務環境の厳しさや、処遇、将来への不安感などがあるということでございます。
 お尋ねの賃金につきましては、JR北海道によれば、社員の令和元年度の平均給与は四百八十三万円、平均年齢は三十八・九歳となっております。
 今回、各社に対する支援の期限を令和十二年度まで十年間延長した上で、これまでにない充実した内容といたしております。JR北海道の長期経営ビジョンや中期経営計画等、将来像の具体化に貢献し、若手社員の方々にも将来への希望や意欲を持って働いていただくことを期待いたしております。

○森屋隆君 ありがとうございます。
 若手がこれほど離職してしまうという、大きな問題かと思いますし、本当に、北海道のJRの仲間の皆さんにお聞きしますと、十九年間、今春闘のちょうど時期ですけれども、ベアゼロだと、こんなふうなこともお聞きします。高卒初任給で十四万四千二百円だと、そんなようなことでなかなか定着しないと。人材がやっぱりこれ重要なところ、ポイントになると、こういうふうに私思いますから、是非ともここにも力を入れていただきたいと、こういうふうに思うわけでございます。
 次に、JR北海道社員のコロナ感染による大規模運休が先般ありました。その主な原因は何だったのか、そして改善策についてお聞かせいただきたいと思います。

○政府参考人(上原淳君) お答えいたします。
 本年二月下旬に、JR北海道の倶知安保線管理室におきまして新型コロナウイルス陽性者が発生をいたしました。陽性者が社員寮であります倶知安寮を使用しており、保健所から、当該施設を使用していた運転士二十四名、車掌十三名に対してPCR検査を受けるよう指示があり、検査結果が出るまで運行に従事することができなくなったことから、結果として、今月一日に三十一本の列車を運休する事態が生じております。
 コロナの感染経路については不明でございましたが、社内でクラスターが発生したことに伴いまして、保健所の指導の下、マスクの着用、手洗い、手指の消毒、換気の実施、体調不良時の報告、相談などの感染防止対策の徹底を改めて周知したと、JR北海道からは報告を受けております。

○森屋隆君 ありがとうございます。
 JR北海道について、特に地方の公共交通みんなそうかと思いますけれども、人が足りないということで、JR北海道については兼務する仕事が多かったと、こういうふうに聞いております。そのことによってコロナが広がってしまったと、こういうふうに聞いております。こういった点を見ても、やはり人材を必要なところに付けるということが大事なんだろうと、こういうふうに思います。
 次に、不動産関係について質問をさせていただきたいと思います。
 ちなみにですけど、このPCR検査あるいは自宅待機というのは、これは賃金が発生していたということでよろしいでしょうか。無給ではなく賃金発生してやっていたということでしょうか。

○政府参考人(上原淳君) 職場内、業務上起因の場合は労働災害として申請をする、また、職場内、業務上起因の場合には自宅待機として賃金の減額は発生しないというふうに聞いております。

○森屋隆君 済みません、ありがとうございます。
 今更なんですけれども、いろんな業種でこの扱いがまちまちだという声もちょっと聞こえますから、労働組合等々があるところはそういうことはないのかもしれませんけど、その辺のところもしっかり確認させていただきたかったと、こういうふうに思っております。
 次に、経営自立に向けた不動産収入等についてお伺いをいたします。先ほども少しあったかと思います。
 コロナ感染の長期化により、ホテル業や不動産部門が大変苦戦をしています。十年後の不動産事業に影響がないんだろうかなと、十年ですからその先のことは分からないのかもしれませんけれども、影響がどうなるんだろうと。また、新幹線の延伸に伴う不動産収入の概算、これはどういうふうな予定をしているのか。さらに、この不動産を含めたJR北海道の収入構造、鉄道でどのぐらい、この不動産でどのぐらい、割合も含めて教えていただきたいと思います。

○政府参考人(上原淳君) お答えいたします。
 JR北海道におきましては、経営自立に向けて、鉄道事業だけで経営を成り立たせるのは現実的ではなく、関連事業やグループ会社も含めた全体としての収益向上が不可欠であると考えております。また、JR北海道グループの長期経営ビジョンにおきましても、開発関連事業の拡大による事業構造の変革を一つ目の戦略の柱として掲げており、開発関連事業で二〇三一年度に一千二百億円の売上げ、二〇一八年度八百億円の一・五倍を確保し、グループ全体の連結での経常利益の黒字化を図っていくこととしております。
 このうち不動産部門につきましては、二〇三一年度の売上目標を四百億円、二〇一八年度二百六十一億円の一・五倍とし、JR北海道グループのセグメント別売上高で約一五%を占めることを目指しております。この目標達成に向けた中核プロジェクトとして、御指摘のとおり、現在、十年後の北海道新幹線の札幌延伸に向けた開業を目指した札幌駅前の新JRタワー建設の検討が進められているところでございます。
 JR北海道につきましては、将来にわたって厳しい経営環境が見込まれる中で、鉄道事業以外の関連事業を充実させることによって経営改善を図ることが不可欠でございますので、私どもとしても、関連事業を含めた支援を行うことで経営基盤の強化を図ってまいりたいと考えております。

○森屋隆君 ありがとうございます。
 一五%ということで、やっぱりそこでしっかり補っていけるような状況ができればと思いますし、大臣が常日頃おっしゃっていますけど、今まではこういった企業だったけれども企業の内容が変わってもという話がよく言われますけれども、私も、一部そうだと思っているんです。しかしながら、やはり一方で、大臣は、鉄道が果たす役割、これ重要だということを言っていますから、余り不動産の方が多くなると結局何の会社なんだということに私はなるんだろうと、こんなふうにも思っていまして、そのバランスもやっぱり重要なんだろうと、こんなふうに思います。
 そして、先ほどこれは鉢呂先生の方からもありましたので、計画変更のことという話ですけれども、これも、大臣がこれから調整していくことだというお話もありましたので、ここは割愛させていただきたいと思います。
 次に、経営の在り方と持続可能な交通体系の区分についてお聞きをしたいと思います。通告は細かくさせていただいていると思いますので、少し割愛をして、もう質問のところから直接入りたいと思います。
 今回のこの支援策については、私は評価しているんです。そして、JRの経営の在り方、この持続可能な交通体系の在り方、ここは、これまでの衆議院の委員会あるいは先ほどの岩本先生、鉢呂先生の質問のやり取りもあったんですけれども、私も、ここは、今、持続可能な交通体系の在り方とJRが経営していくべきというところは、今回のコロナがあったのも大きいと思うんですけれども、区別して考えるべく局面に来ているんだろうと、こういうふうに強く思います。具体的には、事業領域についてはJRが経営の責任を持てる範囲内にしていき、そして、やはり持続可能な交通体系、ここについては国や地方公共団体がやはり主体的に責任を持って役割分担を考えるべき、こんなふうに思っています。
 さらに、今回のコロナで、特に公共交通、全国で減便、廃止が多く起こっております。地域公共交通、本当に交通弱者の方々に必要な移動手段、これが本当に鮮明になったんだと思います。したがって、この十年後の経営自立という目標も含めて、もっと大局に立った議論展開がなされるべきだと、私はこのように思っているんですけれども、御見解をいただきたいと思います。

○国務大臣(赤羽一嘉君) 公共交通機関を担っているのはほとんど民間事業者であって、民間事業者の方々に公共の役割をお願いしているということ自体が、非常に突き詰めていくと厳しい状況になると、今御指摘のような難しい点があるというふうに私も思っております。
 ですから、決してJR北海道に全て全部やってもらうというような話ではありませんし、ややもすると、採算が取れなければ路線を廃線するとかコストカットするとかという、そういうことに行くと余りいいことがないと思っております。
 ですけど、他方で、私、今回この大臣ということで北海道に行くたびに、例えば道東地区って初めて行ったんですけれども、釧路って天候がいいなとびっくりして、歌の題名が、いろいろ聞いた地名もほとんど初めて行って、やっぱり実際見ると聞くとでは全然違うと。相当、私の直感でというか、素人の私が言うので当てにはならないかもしれませんが、観光資源をどう仕掛けるかというのは、非常にもう観光資源の宝庫だと思いますし、二〇三〇年の観光立国の目標を考えたときに、札幌の道東地区一つ取っても、相当大きな飛躍をしてもらわないと数字も達成できないと思っています。そうした中で随分解決ができる、前向きな発展ができるのではないかというふうに思っております。
 ただ、ややもすると、今までは地域交通というのは地域の責任だと、もっと地方自治体がちゃんと責任持ってというような傾向があったと思いますが、これだけ人口が減って高齢化しているところに、税源も限られている自治体ができることってやっぱり相当限られていると私は思っておりまして、そこは、仕掛けとかサポートというのはやっぱり国は一体となってやらなければいけないというふうに思います。
 ですから、国と、まさに地方創生ですからやはり地元自治体と、そして事業者のJR各社、その中の職員の皆さんも、私、この前JRの社長にこの報告をしたときに、遠慮しないで給与の希望も入れた方がいいと、やはりJR北海道は北海道で一番すばらしい企業だと言っていただけるのが我々の、私のある意味では目標だというふうに申し上げました。地方の役所の方が待遇もいいし転勤がないみたいなことで随分技術者が流れているというのは本当に大変な事態だと思っていますので、そうしたことも含めて、ちょっと直接のお答えになっていないかもしれませんが、JRに任せるというんじゃなくて、JRもしっかりやってもらうけれども、国と地方はそれぞれ、このことは国の大きなテーマだというふうに思っておりますので、逃げずにしっかりやろうと、こう思っております。

○森屋隆君 大臣、ありがとうございます。
 実は、次に、二〇一七年二月八日の衆議院の予算委員会で北海道選出の松木けんこう衆議院議員の当時の麻生財務大臣とのやり取りについてお伺いしたかったんですけど、今の大臣の答弁の中にやはりこの分割・民営化についてのこれまでの見解と、そして今後向かっていくお話がされたものですから、ここはちょっと割愛をさせていただきたいと思います。
 次に、若干質問を変えて、二十一日に緊急事態宣言が解除されたわけですけれども、少しまた今、リバウンド的な状況が起こっています。若干心配な面もありますので、コロナ禍による公共交通の状況について、少しモードごとにお聞きをしたいと思います。
 都市鉄道、地方鉄道含めてですけれども、特に私鉄大手、先ほど大臣からもありました。私鉄は沿線開発が中心で、ホテルだったり百貨店だったりレジャー、こういったものを行っているところが多いわけでありますけれども、軒並みこの状況ですから厳しい状況があります。このローカル線、JRさんでも、西日本のローカル線あるいは中国地方のローカル線、大変厳しい状況になっています。この鉄道関係についてどのように捉えているか、お答えをいただきたいと思います。

○政府参考人(上原淳君) お答えいたします。
 鉄道は経済活動を下支えするエッセンシャルサービスでございますが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により利用者が大幅に減少し、厳しい状況に直面をいたしております。
 まず、都市鉄道を運営をいたしております大手私鉄におきましては、昨年五月には前年同月比で三〇%から五〇%減少した事業者が十六社中十四社、約八八%と大宗を占めておりましたところ、本年の一昨年同月比で一〇%から三〇%、四月において減少すると見込む事業者は十一社中八社、七三%ということになっております。
 また、地域鉄道におきましては、昨年五月に五〇から七〇%減少した事業者が九十二社中四十社、約四三%と高い比率を占めていたところ、本年四月の見込みでは、一昨年同月比で一〇から三〇%減少すると見込む事業者が八十九社中五十三社、約五九%となっております。
 こうしたことに対応しまして、具体的には、全国の地方運輸局を通じまして鉄道事業者の経営状況をきめ細かく把握し、雇用調整助成金、中小企業持続化給付金、さらには日本政策投資銀行の危機管理融資を活用して鉄道事業者の経営を下支えするなど、引き続き、新型コロナウイルス感染拡大の状況を注視しながら、持続的な鉄道事業の運営に向けてしっかり対応してまいりたいと考えております。

○森屋隆君 どうもありがとうございます。
 本当に厳しい状況でありますから、何とかこの下支えをしていただきたい、こういうふうに思っております。
 次に、路線バスの関係について質問させていただきたいと思います。
 バスの減便あるいは廃止が続いておりますけれども、更に厳しいのが高速バス、ここが大変な状況になっております。あと空港連絡線、これも同様でございます。ここの状況について、数字で結構でございますので教えていただきたいと思います。

○政府参考人(秡川直也君) 高速バスですが、御指摘のとおり、コロナによる移動の自粛等がありまして、非常に輸送需要が落ち込んでおります。
 日本バス協会を通じて実施したサンプル調査では、高速バスは平均して前の年度と比べまして約四割から六割が減便しているという数字がございます。

○森屋隆君 ありがとうございます。
 本当に、高速バスは、ある一定程度、学生さんだったりサラリーマンの方が利用が、固定客いたわけでありますけれども、もうまるきり今ないということで、走っていない、あるいは廃止をしている。大臣も、地方の主要都市にバスタも造っていきたいという、こういう思いもありますから、是非、この高速バス、一回なくしてしまうと私は本当にこれもったいないなと、こういうふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 そんな中で、是非早急に、この高速バスに対します私は支援をお願いしたいんです。
 実は、国が用意していただいております地方創生臨時交付金、これが路線バスには、我が地域の移動手段という、バスということで議会の方でも割と支援をしていただいているんですけれども、この高速バスが抜け落ちていると、こういうふうな要望が上がってきております。是非ここは強く求めたいところですけれども、局長、どうでしょうか。

○政府参考人(秡川直也君) 高速バスに対する支援は非常に重要だというふうに思っております。
 本年度の第二次、あと第三次補正予算で、高速バス事業につきましても、車内の感染防止策とか、あと実証運行に対する支援、あと、直近では新技術を活用した感染症対策などのメニューもございますので、そういうのを活用しながら支援してまいりたいというふうに考えております。

○森屋隆君 是非よろしくお願いしたいと思います。
 貸切りバスも同様かと思います。一年間貸切りバスもほぼ動いていません。この貸切りバスの倒産あるいは廃業、この状況どうでしょうか。

○政府参考人(秡川直也君) コロナが始まった昨年の二月から今年の二月までの数字を見てみますと、二百五十七社が事業廃止の届出をいただいていると、昨年に比べますと約百社程度増えているという数字がございます。

○森屋隆君 ありがとうございます。
 数字だけ見ても大変な状況がお分かりかと思います。是非、大臣、当時、一社でも私は潰したくないんだと、こういう力強い答弁いただいていますから、是非是非ここに力を入れていただきたいと思います。
 そんな中で、私は、ワクチンが接種するに当たってこの貸切りバス等々が利用できないか、地域によっては声が出ているところもあるかと思います。状況について教えていただきたいと思います。

○政府参考人(秡川直也君) ワクチン接種に関してですけれども、貸切りバス、機動性も換気能力も非常に優れているということで、大きく貢献していただけるんじゃないかというふうに思っています。
 国交省では、地方自治体から貸切りバス等の活用に関しての相談を一元的に受ける窓口を各地方運輸局の支局ごとに設置しまして、厚生労働省を通じて全国の自治体に周知をさせていただいております。今後とも、要望を踏まえながらしっかり対応してまいりたいというふうに考えております。

○森屋隆君 ありがとうございます。
 また、昨年から、感染対策に対する予算も大変多く付けていただきました。アクリル板の設置等々、この辺のところはどうなっていますか。

○政府参考人(秡川直也君) バスへのアクリル板等の設置も補正予算の対象にさせていただいております。
 実績を見てみますと、今までも、乗合バス、高速バスで約四百二十社、貸切りバスでは千二百社にこれを活用していただいているところであります。三次補正でも同じメニューございますので、引き続き御要望を踏まえてやっていきたいというふうに思います。

○森屋隆君 ありがとうございます。本当にいろんな面で支援をいただいております。
 また、タクシーについてでありますけれども、有効だということで、空気清浄機がこのコロナの感染に対して大変有効だということで導入がされていると思うんですけれども、それについての国の支援あるいは自治体の支援があれば教えていただきたいと思います。

○政府参考人(秡川直也君) 御指摘いただきました空気清浄機と、あとモニターですね、二分の一の補助ということで、三次補正からメニューに入れさせていただきました。
 二分の一補助なんですけれども、残りの負担もあるということなので、各地方運輸局長が地元のタクシーやバスの業界のトップの方と一緒に、都道府県において臨時交付金を活用していただけるように、一緒にお願いをして回っております。
 各県からもいい反応をいただいていますので、そこの合わせ技で対応してまいりたいというふうに思っております。

○森屋隆君 ありがとうございます。是非よろしくお願いしたいと思います。
 また、タクシーで、なかなか感染防止に、そこにお金を使うことができなくてまだ感染防止できていないタクシーもあるようにお聞きしております。ここについてもよろしくお願いしたいと思います。
 次に、もう時間ありませんけれども、一点。
 それぞれの地域で地域の公共交通を守ろうということで頑張っていただいているところの声聞こえます。これについても、引き続き国交省の方から是非横展開をしていただいて、そして情報発信をしていただく中で、地域の感染防止あるいは地域の公共交通を守るための支援が、この温度差がないようにお願いしたいと思います。これは要望で結構でございます。
 最後になります。
 実は、赤羽国交大臣、今日この委員会、インターネットで交通運輸の皆さんあるいは家族がみんな見ているんです。
 大臣が昨年、一昨年ですね、二〇一九年の十九号の台風で、上田交通あるいは阿武隈急行、箱根登山、バス、もういろいろ本当に被害を受けた中で、陳情に大臣室に行かせていただいて、現地の人と行かせていただいて、大臣ができることは何でもやるぞと、こういう力強いお言葉をいただいて、復旧復興に向かって現場の仲間が本当に頑張ってきました。おかげさまで、三月の二十八日だと思いますけれども……

○委員長(江崎孝君) 森屋委員、時間が参っておりますので。

○森屋隆君 上田交通も全面開通したということであります。
 最後、大臣、今コロナで苦しんでいる交通運輸の仲間の皆さんに一言お願いできませんでしょうか。よろしくお願いします。

○国務大臣(赤羽一嘉君) 公共交通機関で働く皆様方は、この新型コロナウイルス禍の中で、現場では感染のリスクとそれに対する不安という大変大きなものを抱えながら、また、需要も激減して大変お客さんが少ない中で路線を維持していただいている、まさにエッセンシャルサービスとしての使命と責任を果たしていただいていることに心から感謝を申し上げたいと思います。
 一番重要な社会インフラの基盤でありますから、ここが倒れてしまっては地方の創生も経済の復興もないというふうに思っておりますので、しっかりできることは必ずやっていくという決意で今後も引き続き取り組んでまいりたいと思います。

○森屋隆君 大臣、ありがとうございます。終わります。
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