議事録

国土交通委員会 2020年04月07日

○森屋隆君 おはようございます。共同会派、立憲・国民.新緑風会・社民の森屋隆です。
 質問の機会をいただき、感謝を申し上げます。
 まずは、新型コロナウイルス関連で質問をさせていただきたいと思います。
 新型コロナウイルス感染者が東京都内で急増をしております。安倍総理は、先週の段階で、国内感染状況は、蔓延のおそれが高い、ぎりぎりの状況である、そして、長期戦を覚悟する必要があると、このように述べています。
 また、先週は、大阪在住の鉄道駅員、そして石川県ではバス運転手からも感染が認められ、営業所の閉鎖、消毒、関係者等の自宅待機が行われています。更に感染が拡大すれば、この公共交通機能あるいは物流機能は崩壊するおそれが出てきます。しかし、このような厳しい状況の中でも、交通運輸労働者はその社会的責務を全うしています。
 現在は緊急事態宣言が発令されようとしております。皆でこの国難を乗り越えるために、そして社会的混乱、パニックを起こさないためにも、国、地方自治体、そして交通運輸事業者、国民との更なる連携が必要だと思いますし、そして大事なのはやはり正確な情報発信だと思います。
 そういった中で、佐々木政務官のSNSの発信が波紋を呼びました。当然、この佐々木政務官も批判されているような意図で発信したわけではないと思いますけれども、結果として、この緊迫している状況の中で不適切だったんだろうと思いますし、このような発信は大変残念でした。そのことによって、どうしても誤解を生じさせ、国民に不安や、国に対する信頼感を失うことになったのではないかと思います。したがって、そのようなことも払拭するためにも、今まさに国交省のリーダーシップ性が求められています。その責務を果たさなくてはならないと思います。
 赤羽国交大臣にお聞きをいたします。
 一つは、人流、物流機能を守るため、これは国民の生活を守る、健康を守る、そしてそこで働く者を守るためです。現時点での課題と指導、そして長期戦を視野に置いた課題と指導について、そしてさらには、冒頭申し上げました人流、物流機能の崩壊というようなこの最悪のシナリオ、危機管理の観点からも、現時点でよろしいですから、お考えを教えていただきたいと思います。
 二つ目は、交通運輸労働者、もう御承知のとおりですけれども、不特定多数の方々と接触する機会が多い、そういった業種であります。いつ自らが感染をしてしまうのか、そしてまた、その感染によって家族や他人に感染をさせてしまうのか、このような肉体的、特に精神的ストレスが非常に高まっています。交通運輸労働者等への対策について、これも現時点でのお考えで結構でございますので、御答弁をお願いしたいと思います。

○国務大臣(赤羽一嘉君) 冒頭、まず、佐々木大臣政務官のああしたツイッターについては、私、国土交通大臣としてまずおわびを申し上げたいと思います。また、本人にも昨日の朝一番に、こうした緊急危機的な事態に対して最も気を引き締めて臨まなければいけない我々の立場から、大変、また国民の皆様心配もし、大変な対応に追われている中で緊張の緩みはあってはならないということはきつく申しておきました。本人も、大変申し訳なかったということでおわびをしておりましたので、まず御報告させていただきたいと思います。
 また、昨日の新型コロナウイルスの対策本部におきまして、総理から、本日にも緊急事態宣言の発出を行いたいとのお考えが示されたところでございます。
 公共交通や物流、先生よく御承知だと思いますが、我が国の国民の皆様の国民生活や経済活動を支える最重要なインフラだというふうに思っております。新型インフルエンザの特別措置法に基づきましても、緊急事態においても必要な機能を維持することが求められるというふうに私たちも認識をしております。国交省といたしましては、今後の、当然、動向を丁寧に把握しつつ、関係地方公共団体、また関係事業者と連携をしながら、必要な輸送機能の確保に適切に全力を挙げてまいりたいと、こう考えております。と同時に、そのためには、現場で働かれているそれぞれの運転従業員の皆さん等々の方々の健康、感染防止対策というのは大変重要でございます。
 国交省として、これまでも関係業界団体の皆様に対して、マスクの着用、うがい、手洗いの励行、そして毎日の検温、そして、少しでも調子が悪いときには休めるという休みやすい環境の整備ということを繰り返し要請してきているところでございますし、車両ですとか、中の換気の励行ということも行っているところでございまして、こうしたことをしっかりと更にこれまで以上に徹底をして、これ、公共交通機関というのは本当に支えなければいけない大事なことでありますが、その中で働く方の感染防止というのは、これも同時に最優先していかなければいけないことと認識しながら、万全の対策を取れるように全力で尽くしていきたいと、こう考えております。

○森屋隆君 大臣、ありがとうございます。
 本当に国民生活を底支えする産業の一つであると思います。是非ともよろしくお願いしたいと思います。
 次に、マンションの管理適正化、マンションの建替え円滑化法案についてお聞きする前に、これも大臣お膝元のことであります、兵庫県淡路市の世界平和観音像の撤去について報道がされています。撤去費用については二億円とも言われておりますけれども、特にバブル期に建てられ、その後、こういったものが放置されて老朽化した大型の建物等に対する、これ所管違うのかもしれませんけれども、国交省のお考えがあればお伺いをしたいと思います。

○国務大臣(赤羽一嘉君) 老朽化した建築物、またインフラもそうですけれども、やっぱりバブル期というか高度経済成長期間に造られたものってたくさんありまして、ちょうど五十年目とか、四、五十年を迎えて老朽化が相当進んでいるということはもうこの委員会でも質疑に取り上げていただいたところでございまして、こうしたことを、老朽化対策、万全に進めていかなければいけませんし、建築物につきましては、そもそも建築基準法におきまして、不特定多数の方が利用する建築物等に対しましては維持保全計画の作成や定期検査、報告等を義務付けておりますし、また、危険な建築物等に対しましては特定行政庁による必要な措置、除却や防護ネットの設置等の命令等を可能としております。
 また、加えて、近年出しました空き家の特別措置法におきまして、そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある空き家、特定空き家等につきましては市区町村による必要な措置の命令等を可能としているというところでございます。
 今回のマンションのこの改正法案につきましても、マンションも、ある意味で、先ほどちょっと申し上げましたけど、区分所有者が集まっていて、それぞれ一人一人が状況も違うし、経済的な状況も違う中で、老朽化してきたマンションの処分をどうするかというのは大変これまで以上により難しくなってくる、複雑化してくるというふうに思っております。
 ですから、今老朽化が進んでいる中で、適切な管理を行って、なるべく丁寧に長く使えるということを取りあえずこの法改正でお願いをしながら、抜本的には、先ほどちょっと申し上げましたが、関係省庁とも連携して、この大きな問題をどう取り組んでいくのかというのは検討していかなければいけないと、こう考えているところでございます。

○森屋隆君 ありがとうございます。
 それでは、少子高齢化社会が進む中で、団地やマンションの建物自体の老朽化、また、この区分所有者の不在化が顕著になっています。今大臣からもお話ありました。住民や地域の安全が損なわれないためにこの施策は急務だろうと、これ私も思います。また、若い世代が、このマンションストックの再利用ではなくて、やはり日本というのはそうなんでしょうかね、現在も新築マンションを購入する方が相当おられると、こういうふうにお聞きをいたします。今後も空き家となっていくマンションがこれは増え続けるんだろうと、こういうふうに思います。
 そういった中で、先ほど清水委員の質問と重複する点も多いかと思いますけれども、幾つかについて御質問をしたいと思いますので、よろしくお願いします。
 一つはマンションストック数、これについて、そして偏在地域、また除却が必要なマンション数というのはどれぐらい想定されているのか、お聞きをしたいと思います。

○政府参考人(眞鍋純君) マンションストックについてお答え申し上げます。
 平成三十年度末時点で、全国に約六百五十五万戸存在してございます。地域別に見ますと、首都圏の一都三県、東京、神奈川、埼玉、千葉で全体の約五割、近畿圏の二府一県、大阪、兵庫、京都でございますが、全体の約二割と、大都市圏への集中が顕著でございます。
 除却が必要なマンション数について、具体的な数について把握は困難でございますが、マンションストックの中には旧耐震基準で建築されたものというものが約百四万戸ほどあるというふうに把握してございます。また、新耐震基準で建てられた、つまり耐震性を有するものであっても築四十年を超えるものが、令和五年末には約三十四万戸、十五年先、令和二十年末には八倍の二百六十三万戸というふうになります。これらが全て除却が必要というわけではございませんが、一定程度除却や建て替えの検討対象となるものがこの中に多く含まれることになるのではないかと考えております。

○森屋隆君 ありがとうございます。本当に大変多い戸数だなとつくづく思います。
 こうしたマンション区分所有者の、これも先ほど出たのかもしれませんけど、年齢、まあ年齢層ですね、そして空き家化などというのはどうなっているんでしょうか。

○政府参考人(眞鍋純君) 平成三十年度に実施いたしましたマンション総合調査によりますと、世帯主の年齢が六十歳以上となるものが約半数、四九・二%でございます。また、五十代、五十歳から五十九歳の世帯主、これが約四分の一、二四・三%ある一方、三十九歳以下ということを集計してみますと約七%ということになっておりまして、世帯主の年齢は高齢化していると言えると思います。
 また、築年数の大きいマンションほど全体的には高齢化の傾向が高く、六十歳以上のみの世帯がかなり増えてくるという傾向があることが把握できました。さらに、永住意識のある区分所有者が六割を超えているという調査結果もございます。こうしたことを考えますと、今後住み続けることによって、結果的に高齢化が進んでいく可能性が強いというふうに考えてございます。
 また、空き家についての御質問でございますが、平成二十五年度の住宅・土地統計調査によりますと、昭和五十五年以前に完成したマンション、約四五%で少なくとも一戸以上の空き家があるということが明らかになってございます。

○森屋隆君 ありがとうございます。やはり高齢化が進んでいるということで、その実態がよく分かりました。
 次に、過去の法律の改正で創設された、耐久性のない、今ありましたけど、マンションの敷地売却、そして容積率の緩和特例によって、この建て替えというのはどのくらい進んだんでしょうか。これについてあれば教えていただきたいと思います。

○政府参考人(眞鍋純君) 平成二十六年度に創設されました敷地売却制度でございますが、この売却制度を活用して買受け計画の認定が行われたマンション、必ずしもまだ事業は完成していないものも含まれますが、十件となっております。
 また、同時に創設いたしました容積率の緩和特例の制度でございますが、これが現時点で三件把握してございます。要除却認定の実績は令和二年四月現在で二十四件となってございますが、まだ実行に移されたのは、今のような数字でございます。

○森屋隆君 ありがとうございます。五年ということで、まだこのぐらいの数字なのかなというふうに思いますけど、やっぱり少し少ないですかね。
 そして、次に、建て替えによる区分所有者の負担額、そして利用容積率はこれどうなっているのか。さらに、この建て替えの後の利用容積率が、建て替え前と比較するとこれ大分低下しているというか狭くなっているというんですかね、と思いますけど、この原因について、把握している範囲でお答えをいただければと思います。

○政府参考人(眞鍋純君) マンション建て替えにおきます区分所有者の負担額は増加傾向にございます。平成十三年以前に建て替えが竣工したマンションについて調査したところ平均四百万未満というような数字でございましたが、平成二十四年から二十八年まで、この五年間に竣工したマンションでは平均一千百万円を超えているということで、つまり持ち出しが増えているという傾向にございます。
 また、利用容積率につきましても、建て替え前後の利用容積率を比較してみましたところ、その比率はずっと低下傾向にございます。これまでに行われてきたマンションの建て替えは、建て替え前のマンションにおいて敷地や指定容積率にある程度余裕があって、保留床の処分によって建て替え事業における区分所有者の経済的負担の軽減につながるものが逆に多かったということだと思いますが、最近では、容積率の余裕が少なくなって建て替えに伴う費用負担が増加傾向にあるということが言えると思います。
 このため、今後のマンションの建て替えにおきましては、従来に比べて区分所有者の経済的負担が増加するなど、事業の成立が難しくなってくる傾向にあるのではないかと考えてございます。

○森屋隆君 ありがとうございます。
 やはり負担がかなりあるということで、実は、この建て替えによって区分所有者の負担が二重ローンになったりする可能性だったりとか、あるいは二重ローンなどにならない、ローンで苦しまないために区分所有者に対する費用負担を軽減させる手段というんですかね、こういったものというのは考えられているんでしょうか。

○政府参考人(眞鍋純君) 建て替えは、一般的には保留床あるいは余剰敷地の売却などによって建て替え費用の負担軽減を図ることが多いわけでございますが、建て替え費用の一部は、先ほど御答弁申し上げましたように、区分所有者が負担して、その金額が増える傾向にございます。こうした費用負担についてはできる限り軽減することが望ましいというふうに考えてございまして、従来から、住宅金融支援機構によるマンション建て替えなどに対する融資、あるいは満六十歳以上の区分所有者に対するリバースモーゲージ型の融資などによりまして、できる限り負担を軽減して、この事業が進むように普及しているところでございます。また、優良建築物等整備事業というような公共団体を通じての補助金によりましても、その採算性の向上について支援をしてきているところでございます。
 なお、建て替え対象となるマンションは築後四十年程度経過しているものが平均ということでございます。そうしますと、長年住み続けている区分所有者の方は大体住宅ローンは完済しておられるのではないかなと考えてございますが、既存マンションとして取得してそこに住み続けている方となりますと、住宅ローンを返済中の方もまだおいでになるというふうに考えられます。建て替え後のマンションを取得するために必要な追加負担分と合わせて両方の住宅ローンということになるわけでございまして、住宅金融支援機構のフラット35を含め両方のローンが借りることは可能というふうに考えてございますが、先ほど申し上げましたような費用負担を軽減する仕組みというものがございますので、その普及を図ってまいりたいと考えてございます。

○森屋隆君 ありがとうございます。
 そして、先ほど高齢化が進んでいるという話がありましたけれども、この建て替えのときに、五分の四が賛成しても残りの五分の一の方の中に反対の方がいて、このままでいいよと居座りをして、そういった場合が現実として考えられると思うんですけれども、そういった対応についてはどのように考えているんでしょうか。

○政府参考人(眞鍋純君) マンション建替え法に基づくマンション建て替え事業では、建て替え組合がマンションを明け渡さない者に対しまして期限を定めてその明渡しを請求することができる、請求を受けた者はその期限までにマンションを明け渡さなければならないという法律上の規定はございます。しかしながら、明渡し請求の際に定められた期限を終了した後も占有を継続する方がいらっしゃった場合には、残念ではございますが、明渡しを求める訴えを建て替え組合が提起して、民事執行により明渡しをさせるということになろうかなと思います。
 なお、建て替えやマンションの敷地売却に関しましては、日本弁護士連合会と連携いたしまして、弁護士や建築士などの法的、技術的な専門家による相談体制を構築しているところでございます。二〇一八年度までに七十二件の相談がありまして、引き続き、円滑な合意形成が図られるよう、また、様々なトラブルの解決にこういった相談窓口の周知、活用に努めてまいりたいと考えてございます。

○森屋隆君 ありがとうございます。
 老朽化したマンションですけれども、解体するに当たって、これアスベストが使われていることが多いかと思いますけれども、この対応についてお願いしたいと思いますし、また、金額も相当跳ね上がるんだろうと、こういうふうに言われていますけれども、その点についてもあれば、よろしくお願いしたいと思います。

○政府参考人(上田康治君) お答えいたします。
 マンションを含む建築物の建て替え等の際には、大気汚染防止法に基づき、まず建築物への石綿の使用の有無を調査し、石綿が使用されている場合には、都道府県に届け出た上で、作業基準を遵守して石綿の使用実態に応じた飛散防止措置をとり、石綿の除去作業を行うこととなっております。
 石綿の除去費用は、使用面積にもよりますが、最も費用の掛かる吹き付け石綿について平成十九年一月から十二月までの一年間の施工実績百九十五件を社団法人建築業協会が集計、分析した調査結果では、例えば三百平米以下の場合には一平米当たり二万円から八万五千円程度掛かるとされております。
 引き続き、大気汚染防止法を適正に運用することにより、建築物の建て替え等に係る石綿飛散防止対策に万全を期してまいりたいと考えております。

○森屋隆君 ありがとうございます。
 健康にも関わることですから、よろしくお願いしたいと思います。
 次に、国の基本方針に合わせて地方自治体がマンションの管理適正化推進計画制度、これを設定するわけでありますけれども、マンションというのはもう当然私有財産でありますから、どのように適正に管理していくのか、実効性のあるものにしていくのか、この辺についてお聞かせをいただきたいと思います。

○国務大臣(赤羽一嘉君) 細かいことはもしあれでしたら局長からも答弁補足してもらいますが、元々、もちろんマンションというのは私有財産であります。ただ、先ほどちょっと阪神・淡路大震災のときのことを申し上げましたが、当時、随分潰れた個人の家が多くて、一軒一軒の私有財産の除去について公的な資金を投入するかどうか、大変大きな政治テーマになりました。私は自分も被災地の選出議員ということもあって、一軒一軒は私有財産ではありますけれども、それが十軒、二十軒となると、それはもう町そのもの、要するに公的なものだということで、一軒一軒の家の除去についても、あれ以来、大型の激甚災害のときには基本的には公的な税金が投入するということがあったと。
 私、今回、確かに私有財産であるマンションですから地方自治体が云々ということはなじまないという御意見もよく分かりますが、そうすると、やっぱり巨大な空き家とか巨大、まあ空き地ではないんですけど、大変な問題になってしまうんではないかと。それぞれ私有財産であるはずの集合住宅のマンションをどうしていくのかというのは、やはり地方自治体においても検討課題というか、課題として持っていただきたいというのが今回の法改正の一つだというふうに思っております。
 そういう意味で、任意ではありますけど、地方公共団体の業務として新たに管理適正化に関する目標や施策の内容等を定めたマンション管理適正化推進計画の策定、これをお願いすると。もう一つは、推進計画を策定した地方公共団体における、適正な管理を行っている個々の管理組合のマンション管理計画の認定を行うと、しっかりやっているところはしっかり評価すると、これも任意でございます。また、管理の適正化を図る必要があるマンション管理組合等に対する指導、助言等を創設するということでございます。
 これは、やっぱり数多いマンションで、マンション管理組合が管理をやってもらうというのがマン管法を作ったときの思いでございまして、そうしたことが必ずしも足並みそろっているわけじゃないという現実の中で、老朽化を放置しないという、適切な管理をしてなるべく住みやすい状況を続けるということで、地方自治体としても責任を持って関わってもらうというのが今回の法改正でありまして、しっかりと、地方自治体、都市部から始まることになると思いますが、こうした法改正の意義を徹底しながら協力方お願いしていきたいと、こう考えております。

○森屋隆君 大臣、ありがとうございます。
 この自治体が実施する管理計画の認定制度、マンションの適正化法案の中に、第五条の四ですかね、資金計画についてもうたわれていると思うんですけれども、なかなかこの修繕費も、見ればショートしているところも多いのかなと思いますけれども、この適切というのは何をもって適切という判断をするのか、資金的な縛りとかがあればお聞きしたいと思います。

○政府参考人(眞鍋純君) 管理計画の認定制度についてでございます。
 管理計画の具体的な認定基準につきましては、今後、国土交通省令などで定めることにしてございますが、例えば長期の修繕計画を策定していること、これに基づく適切な修繕積立金が設定されていること、管理組合の総会などが適切に開催されていることなどを現在想定しているところでございます。
 このうち、修繕積立金の設定の適正性につきましては、地方公共団体による審査の負担などにも配慮いたしまして、申請書類から客観的に判別可能になるような簡便な内容にしたいというふうに考えてございます。
 また、認定事務については、これは公共団体が認定するということになりますので、ガイドラインを策定して、その実務の円滑化にも努めてまいりたいと考えてございます。
 具体的な修繕積立金の額の水準などの詳細な基準につきましては、マンションの管理の専門家あるいは認定審査を行う公共団体等の意見も踏まえまして今後検討してまいりたいと思います。なるべく広い範囲の御意見を聞いた上で適切に定めてまいりたいと考えてございます。

○森屋隆君 どうもありがとうございます。
 次に、自治体の強制力あるいは自治体のまちづくりの総合プランなども聞きたかったんですけれども、これも先ほどの大臣の答弁に網羅されていたんだろうと思いますので、一点だけ、自治体の人的あるいは財政的な負担も相当あると思いますので、この辺のサポートもお願いしたいと思います。
 したがって、私はこのマンションストックの管理も当然必要だと思うんですけれども、新築マンションどんどんどんどん建っていく中で、なかなか、古いものが、やっぱり壊してまた新しいものを建てればいいんですけど、そうでない実態があるわけですから、新築マンションの建設についても何らかの規制というか考え方を示さない限りは、やっぱりなかなか解決しない問題だと思いますけど、この辺についてよろしくお願いしたいと思います。

○政府参考人(眞鍋純君) 空き家あるいは空き室の発生を抑制して既存住宅の利活用を促進するために、従来から既存住宅流通市場の整備に取り組んできたところでございます。
 一方で、旧耐震基準のマンションストックが約百四万戸ほどございます。また、バリアフリー性や省エネ性が不十分な住宅も多数あるということがございますし、また今後、築年数を経過したマンションの老朽化なども懸念されることから、これらの適正な維持管理や改修も重要でございますけれども、建て替えも含めた質の高い住宅の供給を進める、これによりまして外部不経済の解消、住宅の性能の向上を図っていくということもまた重要なことかと考えてございます。この辺りは国民の住生活に対する多様なニーズということもございますので、新築と既存、両方の住宅市場を双方視野に入れまして、将来世代に継承できる良質なマンションを始めとする住宅ストックの形成に向けた取組を進めることとしております。
 また、来年三月に閣議決定を予定しております新しい住生活基本計画、この策定に向けまして、社会資本整備審議会の住宅宅地分科会におきまして多様な立場の方から御議論をいただいているところでございます。その中にも、様々、新築や既存住宅にまたがる多様な御意見をいただいているところでございますので、次回の住生活基本計画の策定に向けまして更に検討を進めてまいりたいと考えてございます。

○森屋隆君 時間が来ましたので、最後にしたいと思います。
 このマンションストックの再生というのは海外では割と進んでいるというふうにも聞くんですけれども、日本においてもこの再生の現状、傾向値などが、いい傾向値というんですかね、それがあればお聞きして、質問を終わりたいと思います。

○委員長(田名部匡代君) 時間が来ておりますので、答弁簡潔にお願いします。

○政府参考人(眞鍋純君) 先ほど答弁でもございました令和二年度の予算におきまして、先導的なマンションの長寿命化やあるいは建て替えの推進、それについてのモデル的な補助をしたいというふうに考えてございます。そうした辺りで事例も収集して、今後横展開を図ってまいりたい、今後の宿題とさせていただきたいと思います。

○森屋隆君 どうもありがとうございました。

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