議事録

予算委員会 2022年3月22日

208-参-予算委員会-016号 2022年03月22日

○森屋隆君 立憲民主・社民の森屋隆です。
 私は、立憲民主・社民を代表して、ただいま議題となりました令和四年度予算三案に対し、反対の立場から討論を行います。
 オミクロン株の感染急拡大によって、まん延防止等重点措置を長期間実施せざるを得なくなった上、足下では物価の高騰により国民の暮らしは厳しさを増しています。このような状況下で、政府には我が国経済をしっかりと下支えする予算の編成が求められることは論をまちませんが、本予算はあらゆる面で不十分と言わざるを得ず、賛成することは到底できません。
 以下、本予算に反対する理由を申し述べます。
 反対の第一の理由は、コロナの感染拡大防止や万全な医療提供体制の確立に向けて十分な予算が計上されていない点であります。
 目下の第六波では、検査キットの不足が露呈しています。必要なときに誰でもすぐに検査を受けられるよう、十分な検査キットの確保や無料検査所の大幅増設は急務です。また、保健所の業務負担軽減のため、自宅療養者への健康観察等を行った医療機関に協力金を支給するなど、財政支援の拡充は不可欠です。コロナの感染拡大から二年が経過してなお後手に回った対応となっている本予算には、賛成することはできません。
 反対の第二の理由は、本予算は国民の暮らしに寄り添い、事業を守るための十分な措置が講じられていない点であります。
 コロナに加えて、目下懸念されるのがウクライナ情勢です。世界的に原油を中心とした資源価格が高騰していますが、本予算には原油価格高騰に対処する具体的な経費は盛り込まれておらず、四月以降の対策は現時点で示されていません。総理は、一般予備費の活用を含めた対応をする旨答弁をしていますが、国民の不安を和らげるためには全く不十分と言わざるを得ません。国民の暮らしと事業に対する重要な対策が欠落する本予算に賛成することは到底できません。
 反対の第三の理由は、適切な予算が配分されていない点であります。
 新型コロナウイルス感染症対策予備費として五兆円が計上されていますが、予備費は国会の事前議決原則の例外です。さきに申し上げたコロナ対策として早急に実施すべき施策がある以上、五兆円もの予算はこれらの施策に振り向けるべきではないでしょうか。
 また、公共事業関係費は、昨年度に引き続き、本予算で六兆円が計上されています。同経費は、近年、繰越額が増加傾向にあることを踏まえれば、事業の選択と集中を徹底し、不要な歳出は削減すべきです。
 加えて、ロシアによるウクライナ侵略が続いているにもかかわらず、日ロ八項目の協力プランに係る予算が二十一億円計上されたままとなっております。
 これらのように、事前議決原則の趣旨を没却する過大な予備費が計上され、歳出の見直しができていない本予算には反対せざるを得ません。
 以上、令和四年度予算三案に反対する理由を申し述べました。
 本予算は、二年に及ぶコロナの影響や物価高で苦しむ国民の声が反映されていないと言わざるを得ず、聞く耳を持つ岸田総理に耳を傾けていただけないのは非常に残念でなりません。
 最後に、予算委員会の審議を振り返ると、建設工事受注動態統計調査の不正に関し、我々の質疑によって、直近のGDPに影響を与えた可能性が明らかになるなど、行政への信頼が揺らぐ多数の問題が発覚しました。
 今後も、我々は、政府の姿勢をただすとともに、国民の声を反映した政策を積極的に提案し実現していくことを申し上げ、私の討論を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)

Prev政府開発援助等及び沖縄・北方問題に関する特別委員会 2022年3月25日 Next本会議 2022年3月18日