議事録

国土交通委員会 2024年4月23日

  • ○森屋隆君 立憲民主・社民の森屋隆でございます。  馬渡参考人、成田参考人、足立参考人、本日は御説明ありがとうございます。  まず、三名の方にそれぞれお伺いをしたいと思います。少し重複する点があるかと思いますけれども、お許しをいただきたいと思います。  本年四月から、先ほど説明ありましたこの時間外労働の上限規制が適用されました。そして、改善基準もスタートを、見直しがされスタートをしています。  私は当然、長時間労働を是正していくということはこれやっていかなければならないと思っていますし、先ほども、トラックドライバーの脳や心臓疾患、こういったところがワーストワンであるということも聞いていますし、一般の全産業に比べたら年間四百時間以上労働時間が長いということも聞いています。  しかしながら、職場実態、職場の声を聞きますと、もっと稼ぎたいと、稼げなければ辞めるしかないというような声も裏では労働者の方からあるような気もしています。しかしながら、先ほど申し上げたように、私はやっぱり今回を機にしっかりこの労働条件を見直していくべきだと、こういうふうに考えているわけでありますけれども、馬渡参考人からそれぞれの参考人にその見解についてお聞かせをいただきたいと、こういうふうに思います。
  • ○参考人(馬渡雅敏君) お答えします。  もう奇策はないと思っているんです。物流の効率化を図って労働時間をとにかく短くしよう、労働時間を短くしても稼げないという部分は、きちっと標準的な運賃を定めていただいているわけですから、全ての事業者がその水準を収受できるようにお力添えはもう是非国会の方でもいただきたいなというふうに考えております。  我々、私の世代はもう長く働くことに当たり前に考える世代でありましたけれども、息子が入ってきて、おやじ、これ百十日に休みを変えていかないと、ネットの中でクリックして、百十日以上というクリックがあるそうなんですよ、みんなもうそこを押して、今や百二十日以上のクリックをしている人がいるかもしれませんけれども、とにかく最低でも百十日というクリックにクリアしていかないと、そもそも見てももらえぬよというふうな話があります。ですから、経営者にとってももう喫緊の課題なんですね、短めていくというのは。  ドライバーに賃金をあげるためには、やっぱり標準的な運賃というのがしっかり定めてありますので、それを皆さんしっかりいただけるような形でお力添えいただきたいというのに尽きると思います。  以上でございます。
  • ○参考人(成田幸隆君) ありがとうございました。  先ほどから申し上げていますように、脳・心臓疾患等により労災支給決定件数がワーストワンということを続けている状態を何とかしていかなければならないということだと思いますし、先ほども申し上げましたが、私たち、この日本の物流が、どうしても長時間労働、そして全産業に比べて低い、厳しい労働条件の中のトラックドライバーに支えられてきたということもあると思いますので、この状況をやっぱり変えていかなきゃならないと思っています。そうしないとなかなか若い人たちに選んでいただけないというふうに思います。  先ほど森屋先生からありましたが、もっと稼ぎたいという意見もあるということで、それも私たちとしても現場からも聞いております。今のトラックドライバーの給与の仕組みが、基本給ということよりも成果給とか手当ででき上がっているという、それが大半、多くありまして、そういう意味では、私たちも現場でいろいろ話を聞くと、確かに時間短縮に取り組むことについてはそれぞれ理解はいただけるんですけれども、時間規制によって給料が減るということになると、それはなかなか納得ができないと。  仮に、例えば賃金が一割上がっても時間外労働で一割減れば給料が上がらないという状況になりますので、そういう意味では様々な改革が必要でしょうし、標準的運賃の収受も必要ですが、私たち労働組合の立場からいえば、賃金の仕組みをそろそろ変えていかないといけないと思っていまして、固定給部分といいますか基本部分を引き上げていく、そうしないとなかなか人が集まってこないと思いますので、労働時間の削減と賃金のそういう形、仕組みも含めた引上げにしっかり取り組んでいきたいと思っています。  以上であります。
  • ○参考人(足立浩君) 言われているように、もっと稼ぎたいと言われるトラック運転手は多くいるというふうに思います。私も高速道路でドライバーと対話したときにも、賃下げになるんだというふうな話をよく聞きます。これは、先ほど成田参考人も言われたように、運転手の賃金が労働時間にひっついてしまっている、ですから、それで稼ぐ稼がないという話になってくるというところが一番大きな問題だと思います。  多分、労働時間で割ればほとんど最賃に近いような実態の労働者が、トラック運転手がいるということが現実問題ですし、また、稼ぎたいと言っている労働者の多くは、僕もそうなんですが、一九八〇年以降、代ぐらいにトラック産業に入った、まあ規制緩和以前ですね、というところのドライバーなんかを中心に、やっぱり稼げるんだというところで入ってきた人なんかですね、そういうとこら辺が多いんではないかなというふうにも分析をしています。  ですから、やはりこれからの、今いるドライバーに対する問題と、将来本当にこの産業に来たいということについては、やっぱり検討する必要があるんではないかなと思っています。
  • ○森屋隆君 ありがとうございます。  続きまして、成田参考人に伺いたいと思います。  連合は、今春闘、二四春闘ですけれども、五%以上の賃上げを掲げて春闘を闘ったわけでありますけれども、今朝の新聞にも少し出ていたかと思いますけれども、五%以上のこの賃上げができたのは大企業が五三・八%、中堅・中小が二四・四%だったと、こういうふうに載っていたかと思います。  そして、先ほど成田参考人の方からもありましたけれども、五%といっても、そもそもその中小のこのベースが低いと、元々が低い中で、中堅や中小は今回の春闘でも二四・四%だと。さらに、運輸業は、先ほど馬渡参考人の方からありましたように、なかなか賃上げしたくてもできるような状況にないんだということだったと思います。  これで、やはり今回の春闘の特徴なども成田参考人の方から先ほどあったと思います。職場の声として今回期待も高かったと思います。来年、再来年、そして未来に向けて、今回の春闘で、総括はこれからだと思うんですけれども、職場の率直な声など、もし分かれば聞かせていただきたいなと思います。
  • ○参考人(成田幸隆君) ありがとうございます。  職場の率直な声は、私ども現場に、終わった後オルグとか行くんですけれども、確かにあれだけメディアで一万五千円とか五%とかどんどん出ていますので、なぜできないんだって声もかなりいただきました。  ただ、今の物流業界、これは馬渡参考人の方が詳しいと思いますけれども、かなり高止まりしている燃油費の問題とか、なかなか物流もそこまで増えていないということを含めて、また料金改定もなかなか進んでいない中で、企業のなかなか経営も厳しかったと思っていますので、そんな中で労使で、先ほど言った数字ですけれども、一生懸命やってきたということで我々としては現場の組合員には説明するんですが、なかなかそこが分かっていただけないこともあるんですけれども、これは、今年、二〇二四年問題、今年で終わりではありませんし、これから二年、三年先も含めてしっかりやっていく必要がありますので、来年、再来年、それ以降もしっかりした賃金引上げができるように我々もやっていきたいと思っています。
  • ○森屋隆君 ありがとうございます。  今の件も踏まえて、馬渡参考人に伺いたいと思います。  先ほど、ドライバーの労働時間の短縮というのは、これはもう参考人、それぞれ皆さんがもう共通して労働時間短縮していくべきなんだと、こういうことだと思います。しかし、今聞くと、なかなか春闘でも上げづらい環境になっているということだと思いますし、燃料の高騰等々もあると思います。これを両立させていくためにどのような取組がまずは必要だと思うかということと、そして国に期待することについてもお聞かせいただきたいと思います。  さらに、標準的運賃スタートしておりますけれども、価格転嫁に本当につながっているのかと、その辺のところについても、現場の中でこの標準的運賃がもうしっかり反映されていると、いい状況になっているというのか、いやいや、まだまだなんだというところもちょっとお聞かせいただきたいと思います。  以上です。
  • ○参考人(馬渡雅敏君) お答えします。  事業者としては、荷主さんとともに効率化を図りたい。それから、ドライバーの時間管理をしっかり行って、自社に運賃水準、標準的な運賃はもう最低限いただきたいけれども、それ以上の作業とかいろんな料金の問題もあります。  我々の運行を行うに当たっての三大原価、もう三つしかないんですけれども、油代です、燃料代、それから人件費、それと車両代、この三つがもう大宗を占めています。あとはもう一般管理費であるとか間接費は微々たるものですけれども、この三つが三つとも上がったというのは私もこの業界に携わってから初めてです。油が上がりましたとか、人件費がやっぱり諸般の高騰、周りの状況によって上がりましたとか、車両が一時的に上がりましたとかいうことはありましたけれども、三つとも今上がっているんです。しかも、下がる気配がないというのが我々事業者の苦悩の始まりであります。  ですから、両立をさせるためにということですけれども、荷主さんとやっぱり交渉する際に、今までは自分たちで計算してエクセルか何かで打ち出して行っても、あなたたちの自分の資料で書いた、絵に描いた餅でしょうみたいな話を言われることがあります。  でも、今は標準的な運賃、しかも三月に改めて新しい標準的な運賃というのがしっかりあって、中身も、もう荷主さん十分原価計算できるような、理解できるようなものが書いてあります。公取さんから、これを運賃交渉のときに置いて交渉していいよというようなガイドラインも出ておりますので、我々としては、やっぱり運賃が上がらないことには、今までサービスでいただけなかった料金がいただけないことにはドライバーさんに適正な賃金を払うというのはもうなかなか難しいです。  さっきの三大原価のうち、油代、これ毎月請求が来て毎日払っているようなものですね。それから、トラック代も、今までだと安い中古車に変えようとかそういうことができたのが、今新しい車も一年半とか二年来ない。それから、中古車は、海外に行った分もあるんですけれども、もう本当に高止まりしています、中古車の価格もですね。ですから、どこかで人件費に回そうと思ってこの残りの二つを何とかしようと思っても、それができないというのが今の状況です。  国にやっぱり望むところは、こういった適正運賃収受に向けて環境整備、トラックGメンであり、それから公取さんであり、それからしっかり指導いただいて、標準的な運賃をいただいて、やっぱりこの標準的な運賃で使われているのはもう現状の原価ですので、それが上がれば適宜改正をまたこういった場で議論をいただいて、我々、持続的なやっぱり物流業界にしたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
  • ○森屋隆君 ありがとうございました。  今、トラックGメンのお話もあったかと思います。聞くと、百六十二名だと聞いています。まだまだ私少ないと思いますから、ここをしっかりサポートできるようなシステムをつくっていく、これが大事だと思っていますし、さらには、やっぱりその標準的な運賃、理解はしているけどなかなかできていない、あるいは荷主さんの方でなかなか応じてくれない、その決まりを分かっているけど守ってくれないと。この部分をしっかり縛れるような、そういった抜け道ができないようなシステムを今回のこの改正案の中で実効性高めていきたいと、こんなふうに思っています。  ありがとうございました。時間が来ましたので、終わります。
Next国土交通委員会 2024年4月4日