議事録

国土交通委員会 2023年4月25日

○森屋隆君 おはようございます。立憲民主・社民の森屋隆でございます。  今、知床の遊覧船の事故からちょうど一年がたったということで黙祷がありましたけれども、実は、鉄道の大きな事故が十八年前にありました。  私は常々この委員会で思うんですけれども、やはり、人の命を預かる、そういったところに関係する産業が多い中で、点検や整備、そして運行管理、こういったものをしっかりしていくということはもう非常に大事なことであり、言うまでもないんですけれども、その中で一点、やっぱりそこに就く者の、従事者ですよね、そういった、そこで働く人の過度なプレッシャーだったりとか無理をしてしまういろんな要因が、そういったことも私は取り除いていきたい、こういった意味で常々質問をさせていただいているんですけれども。  その一点として、昨年十月に、これは大臣の方に質問させていただいて、大臣から本当に前向きな、しっかりそれは検討させてもらって実現をしていきたいというような答弁をいただいたかと思っています。  バスやタクシーにおける車内の名刺というか名札というか、森屋隆なら森屋隆というものを出しながら、そういったルールがあるわけですから、運行していたんですけれども、やはり先ほど申し上げたように、いろんな意味でのプレッシャーだったりとか個人情報の関係だったりとか、そういった観点から、今日はその車内名刺について、これはお礼しかありませんけれども、報道なんかでももう出ていますけれども、大臣から今の状況と、そして、質問を昨年させていただいたのがいつ頃に現実的なものになるのか、そのスケジュール感を少し聞きたいのと、もう一点は、車内にどこの誰べえというのを出していたんですけど、それを、割と反響も大きくて、いろんなところから、こういった場合どうですか、こういった場合どうですかというのをうちの事務所にもかなり問合せが来まして、実は、車内に名前を出すということはルールで決まっていたわけなんですけれども、車外にもマグネットでこう、まあ森屋隆なら森屋隆、車外にも貼ったりしていこうというのが実は地域によってはあるようでして、それは少し、今回の改正に当たって、大臣が進めてくれたことに当たって、個人情報だったりとか、あるいは過度なプレッシャーに少し触れてしまうのかなというふうなことも感じまして、そういった車外に出すものも、もし今回のことを機に変えていければ有り難いなと、こんなふうにも思っていまして、それも含めて、これは大臣から、私はもうお礼しかないんですけれども、答弁をいただきたいと、こういうふうに思っています。よろしくお願いします。

○国務大臣(斉藤鉄夫君) バス、タクシーにつきましては、事業者名、運転手の氏名、自動車登録番号の車内への掲示を義務付けております。加えて、タクシーについては、運転手の写真を掲載した乗務員証を旅客に表示することが求められております。昨今、氏名や写真の車内掲示について、運転手が安心して働くための環境を実現する観点から見直しを求める御意見をいただいていたところでございます。昨年十月に森屋委員からも御質問をいただきました。  国土交通省では、バス、タクシー業界などの関係者と意見交換をしながら検討を進めており、氏名や写真について車内掲示の義務付けを廃止すると、こういう方針を立てました。その廃止する方針に対するパブリックコメントを開始するなど、六月下旬の制度変更を目指して検討を行っているところでございます。  今般の制度変更によりまして氏名等の車内掲示は事業者の判断になりますが、国土交通省としては、運転手の方々が安心して働ける職場環境を実現するための制度変更であることを各事業者にしっかりとお伝えしてまいりたいと思います。先ほど御質問にありました車外表示につきましても、ここに示しました基本的な考え方、すなわち、運転手の方々が安心して働ける職場環境を実現する、そういう趣旨をしっかりとこの事業者の方に国土交通省からもお話をしてまいりたいと思っております。

○森屋隆君 大臣、本当にこれはありがとうございます。  多くの乗務員から本当にお礼の電話等々、手紙も来ました。特に女性の方から、有り難いという、本当に、今までなかなかそういった問題に、変えられるということがあるんだということを本当に喜んでいました。今パブコメをして、六月下旬からということでありますので、本当に今回、こういった現場からの意見だったわけでありますけれども、六十六年前のルールが改正されたということで、本当にありがとうございます。お礼申し上げたいと思います。  もう一点は、四月から学校が始まり、新たな学生、あるいは、コロナも少し下火になってきたわけですから大学に通う方も大分増えました。そんな中で、昨年の四月に私は、道交法の一部改正、これ内閣委員会でちょっと質問をさせていただいたんですけれども、キックボード、シェアリングエコノミーでありますよね、この辺も乗っている方も大分いると思いますけれども、このいよいよ改正が七月に施行されるわけでありますけれども。  実は、これもう御承知のとおりでありますけれども、海外でも先行して入っていますけれども、これフランスの方で、今月の二日ですけれども、住民投票があったと、こういうふうに聞いています。それは、ルールが少し、秩序が乱れてしまって、それを読むと、少し危険だったりとかそういったことで、拘束力はないのかもしれませんけれども、住民から、皆さんどういうふうに感じているのかという、そういった住民投票があったそうであります。大多数の人がやめた方がいいんじゃないかというふうに、入ったんですけれども、やっぱりいよいよやってみたらちょっと危険だということもあるようです。  私は、この内閣委員会でのやり取りの中ではやっぱりプロドライバーから見た感覚で私は質問をさせていただいたんですけれども、やはりトラックだったりとかバスだったり、タクシーもそうですけれども、やっぱりそのむき出しで走ってきて、やっぱり倒れちゃったりするらしいんです、タイヤが小さいものですから。ブレーキしたときに、自分ではそんな危険なブレーキングじゃなかったつもりが、ぱあんと倒れてしまう、こういったことがやっぱり今でもあります。  そして、私はそういう職業ドライバーの方といろんな意見交換、常にさせてもらっていますから、聞きますと、ヒヤリ・ハットでやっぱりそういったことが一番多いらしいです。慎重に運転しているのはこれ当たり前ですけれども、本当に、前に走っていると本当怖いなというのが常にある。実際に接触もあるらしいですけれども。  そんなことから、この海外の事例でありますけれども、その住民投票でありますけれども、これ、大臣、受け止めを聞かせていただければ有り難いと思います。よろしくお願いします。

○国務大臣(斉藤鉄夫君) 電動キックボードに関しまして、フランスの事例や、それから事故等の報道については承知をしているところでございます。電動キックボードなどの新たなモビリティーにつきましては、自動車よりも手軽に利用できる便利な乗り物であるとの意見がある一方、安全な車両を交通ルールを守って使用することが何よりも重要であると、このように認識しております。  このため、国土交通省では、昨年四月に成立した改正道路交通法を踏まえ、昨年十二月、電動キックボードなどに関する安全基準を策定するとともに、その基準適合性を確認する制度を創設いたしました。また、基準に適合しない不適合品の流通を防止するため、今年度より市販の電動キックボードなどを抽出して基準の適合性を確認する取組を開始する予定でございます。  国土交通省としましては、引き続き、交通ルールを所管する警察庁を始めとする関係省庁とも連携しつつ、これらの安全対策にしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。

○森屋隆君 大臣、ありがとうございます。  フランスでは、二一年、二〇二一年のデータだと思うんですけど、二十四人の方が亡くなっているというふうに聞いています。日本でも残念ながら亡くなった方がいました。  四月から自転車の方はヘルメットを努力義務でかぶっていますけど、これはあれですかね、キックボードはどうでしょうか、ヘルメットはこれどうなっていますか。もし分かれば教えていただきたいと思いますけど。

○政府参考人(堀内丈太郎君) お答え申し上げます。  電動キックボードにつきましては、ヘルメットについては義務化はされない予定と聞いております。

○森屋隆君 まあこれも、やはり頭を守ることがやっぱり大事らしいですから、今後これ検討していただければと、こんなふうに思っています。よろしくお願いします。シェアリングエコノミーですからね、ヘルメットを持ち歩いているというのもなかなかこれ難しいのかもしれませんけど、それ、課題かなとも思っています。よろしくお願いします。  これも働く者の立場から質問をさせていただきたいと思います。二〇二四年問題、これ大きな問題でして、国交省だけの当然問題ではないんですけれども、働く者の立場から少し質問をさせていただきたいと思います。  それ、何かといいますと、高速道路なんです。高速道路の深夜割引ですよね。今ある深夜割引が、これ確かに割引があって、そして利用したいということで、トラックについては深夜割引になるまで待機していて、それから高速に乗るということで渋滞が少し問題になったりもしましたけれども、これが今年の一月に公表があった見直しがされるということで、時間帯は少し長くなるらしいですけれども、一方で、これもトラックドライバーからいろいろ意見を聞くと、夜間走行専門になってしまうと、そして高速に乗っている時間帯だけが割り引かれるので、やはりドライバーとしては、どんどんそこの時間帯だけ走れ、走れ、走れということで、労働強化になってしまうんじゃないか、これ不安に思っているんですよ。  まず、この点についてどのように捉えているか、お聞きをしたいと思います。

○政府参考人(丹羽克彦君) お答え申し上げます。  高速道路料金の深夜割引につきましては、一般道路の沿道環境の改善を目的で導入されたところでございますが、料金所前のスペースなどに車両が滞留するといった課題が生じていることから、割引が適用される時間帯の走行分のみを対象といたしまして、またあわせて、割引適用時間帯を拡大するなどの見直しの方針を一月に公表したところでございます。  この見直しに対しまして、深夜割引をできるだけ多く享受するため休憩を取らずに走行することなどに伴う労働環境の悪化、また速度超過の助長などを懸念する御意見があることは承知をいたしております。このような懸念に対しまして、現在NEXCOにおいて、深夜割引の対象となる距離に上限を設定するなど、安全に高速道路を利用いただけるよう、具体的な制度について検討を進めているところでございます。  国土交通省といたしましても、NEXCOとともに、深夜割引の適切な運用を含め、トラック運転者等の労働環境の改善につきまして、関係者の御意見を踏まえながら取り組んでまいりたいと考えております。

○森屋隆君 ありがとうございます。是非、やっぱり運転している方の健康、それがなかったら安全保たれません。  それで、もう一方は、今局長言われたように、距離でやっていこうという一つ案があるらしいです。というと、今もう意見が出ているのは、トラックドライバーの高速のスピードを上げたらどうかと、こういう意見出ているんですよ。今、八十キロを百キロ、百十キロにしているけれども、それはどんどん走れますから。でもこれは、私は大きな事故につながると思いますし、少し慎重にここはいかないといけないので、もうやはり業界そして労働者、そこの意見をしっかり聞いてやっていただきたいと思います。ただ単に距離で決めた、で、距離で決めれば、スピード上げれば早く目的地に着くからというこの労働強化、絶対にさせないでください。お願いします。  それともう一点、この料金なんですけれども、企業によっては、あとは荷主さんによってはそこでその高速料金を持つというところもありますけれども、聞くと、とりわけ小さい運送会社さんなんかではやはりなかなかそれ負担ですから、企業が出すの負担ですから、聞くと、ドライバーが出している、こういうようにも聞きます。これ、把握しているのかどうなのか。そして、この高速料金についてどこが持つべきなのか。考え方、少し示してください。

○政府参考人(堀内丈太郎君) お答え申し上げます。  ちょっとその前に一点だけ。先ほど電動キックボードのヘルメットでございますけれども、七月一日から自転車と同様に努力義務が課される方向となっております。  お答え申し上げます。  トラック運送業につきましては、コストに見合った適正な運賃、料金の収受ができておらず、高速道路料金も含めた適正な運賃、料金を収受できる環境を整備することが重要と考えております。  高速道路料金の収受の実態につきまして、令和三年度末に国土交通省が実施しましたアンケート調査では、約四割の運送事業者が荷主や元請運送事業者から収受できているとの結果がある一方、一部収受できていない運送事業者が約四割、全く収受できていない運送事業者が約二割との結果が出ており、必ずしも十分な料金を収受できていない状況にございます。  高速道路料金につきましては、令和二年四月に国土交通省が告示いたしました標準的な運賃において、運賃とは別に実費として収受することとしており、荷主などが高速道路の利用を前提とした運送を依頼しながら高速道路料金の負担を拒んだ場合は、貨物自動車運送事業法に基づく働きかけや要請などの是正措置を講じているところでございます。  さらに、先月、関係閣僚会議におきまして、総理から六月上旬を目途とした政策パッケージの取りまとめの指示がございました。この政策パッケージの中に委員御指摘の適正な運賃、料金の収受を含め実効性のある具体策を盛り込めるよう、スピード感を持って関係省庁と議論を深めてまいります。

○森屋隆君 ありがとうございます。  まあ四割ができていると。まあ逆を返せば六割できていないということですから、ここもしっかり、もうこのままでずっと続いたら私いけないと思うんです。これ、変えないといけないと思いますから、この慣例みたいなものを変えていく、そして二〇二四年問題についても、そういったところからやっぱり変えていってもらいたいと思うんです。小さなことだと思うんですけれども、やっぱりそこ見えていないんですよ。そこをしっかりやっていただきたいと思います。個人で運んでいる運送業者さんなんか本当にこれ大変みたいですから、よろしくお願いします。  それで、高速の料金のことを少し聞きましたけれども、もう一点、これは要望ですからちょっと調べていただきたいんですけれども、空港リムジン、高速バスですね、空港に入っている高速バス、これ、お客さんを乗っけたときにはETCカードでETCゲートで通るんですね。しかし、回送のときが、今まで通れたらしいんですけれども、割引が当然ないんですけれども、今後は、今はもう実際そうなっているらしいんですけれども、有人のところに行ってそのカードを出して払うらしいんです、割引がないからですね。それが今は有人のところがないんで、自動のところに行くと、人を事務所からピッとボタンを押して呼んで、人が出てきてそれで処理するらしいんです。すごい渋滞しちゃうらしいんですけれども、それちょっと調べていただきたいと思います。これは要望で結構であります。  それと、もう一点、高速の部分で、高速道路のSA、PAのこのパーキングの関係ですね。これ、有料にするという話聞いていますけれども、これどうなんでしょうか。お願いします。

○政府参考人(丹羽克彦君) お答え申し上げます。  高速道路の駐車升の予約につきましては、現在、NEXCO中日本において、中型車以上を対象とした無料の駐車場予約システムの社会実験、これを東名高速道路下り線の豊橋パーキングエリアにおいて平成三十一年四月より実施しております。その実験におきまして、深夜時間帯で予約上限に達し、その前後の時間帯は比較的すいていると、そういった傾向が把握できたことから、分散駐車を促すために令和三年の五月より混雑時間帯において予約を有料化いたしております。  また、NEXCO中日本におきましては、ダブル連結トラックを対象とした駐車場予約システムのこれも社会実験を、新東名高速道路の浜松いなさインターチェンジ近傍の路外駐車場にて令和三年の四月から実施しておりまして、現在、合計六か所まで拡大しているところでございます。  これらの駐車場の予約に関する社会実験におきまして、確実に駐車できるため利用しやすい、また、駐車升が限られる特大車などの特殊車両においては特に便利であるといった意見、一方で、予約したい時間に空きがなく利用しにくいといった意見などをいただいているところでございます。一方、空予約だとか予約が入らない時間帯が生じていることによりまして駐車升が十分に活用されないといった課題も確認されているところでございます。  国土交通省といたしましては、高速道路会社と連携いたしまして、社会実験の実施状況、また関係者の御意見を踏まえながら、駐車場の予約また有料化についての検討を含め、サービスエリアの休憩施設の利便性向上に取り組んでまいりたいと考えております。

○森屋隆君 時間なくなりました。  まとめますけれども、もう一点、コンテナの偏荷重、積荷が偏って積まれているという問題もまだありますし、これも大きな事故につながります。それともう一点は、ゴールデンウィーク迎えます。空港の問題ですけれども、保安検査員等々が少なくて空港も本当に大変な状況ですから、これ含めてしっかり正常な形になるようにお願いを申し上げまして、終わりたいと思います。  ありがとうございました。

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