議事録

国土交通委員会 2023年11月9日

  • ○森屋隆君 立憲民主・社民の森屋隆でございます。よろしくお願いします。  大臣所信に対しまして質問をしたいと思います。大臣、よろしくお願いをいたします。  今、日本は、様々な業界あるいは業種において慢性的な人手不足になっています。大変な状況であります。そのような中で、特に国土交通省所管の、先ほど山本先生の方からもありましたけれども、建設業や交通運輸産業の人手不足、これは本当に危機的な私状況だと思っています。来年四月には、いよいよ秒読み段階となった働き方改革、時間外労働規制が施行されるわけでありますけれども、改めて斉藤国土交通大臣の現行の状況の受け止めと課題解決に向けた決意を聞かせていただきたいと、こういうふうに思います。よろしくお願いします。
  • ○国務大臣(斉藤鉄夫君) 運輸業、建設業における人手不足問題、これは日本全体の生産性にも関わってくる大変大きな問題です。この問題意識は、先ほど森屋委員おっしゃった危機感、その危機感を共有しているつもりでございます。  このため、例えばバス、タクシーについては、担い手確保や経営力強化に向け、早期の賃上げに対応するとともに、事業者における働きやすい職場環境づくり、人材確保、養成の取組、経営効率化に向けた投資などへの支援を行っております。トラック運送業につきましては、ドライバーの労働条件の改善に向け、適正な運賃収受のための制度改正やデジタルの活用による生産性向上などを進めていきます。また、建設業についても、適正な工期での契約を促進し、働き方改革を一層進めるとともに、現場を担う技能者の処遇改善に向け、制度的な対応も含め取り組んでまいりたいと決意しております。  国土交通省としては、関係省庁とも緊密に連携しながら、各業界の特性に応じて全力で人手不足対策に取り組んでまいります。
  • ○森屋隆君 大臣、ありがとうございます。  今の大臣の答弁でありましたように、これまでも様々な施策を打ってきていると、私もそういうふうに認識をしています。その成果も徐々にではありますけれども出ているなと、こんなふうにも感じています。  そして、この成果が出ているのは、私、タクシーが、百一あるその運賃ブロックの中で九割以上がもう運賃改定ができていて、タクシーにおいては、歩率ですから、直接その運賃改定がドライバーさん、運転手さんの実入りになるということで、今タクシー業界では、稼げる職場だと、こういったようなことで乗務員の減少にも歯止めが掛かり出して、先日私が乗ったタクシーでも、これ二回連続だったんですけれども、三十代の方が、三か月前に入りました、まだ慣れていないんですけどナビを入れさせてもらってもいいですかと、是非ナビ入れて行ってくださいと、こんな会話させていただいたんですけれども。若い人が入り出したなと、そして離職が止まり出したなと、こういうふうな認識なんですけれども、これ政府参考人で結構ですけど、そういった認識で間違いないでしょうか。
  • ○政府参考人(鶴田浩久君) お答え申し上げます。  今御指摘ありましたタクシーのドライバー数ですけれども、昨年度末までずっと減少が続いておりましたが、今年度に入って、地域によるばらつきは多少ありますが、全体として増加に転じているというふうに認識しております。
  • ○森屋隆君 ありがとうございます。  いよいよ下げ止まって、入っていきたいなという人が増えてきたと。喜ばしいことかなと、こういうふうに思っています。  物流関係、トラックについても、今年は標準的運賃のまた改定をしていただいて、当面の間それでやるんだと、さらには政策パッケージを出していただいて、年明けには法整備化もしていくということで、期待が高まっています。あるいは、モーダルシフトで足りない部分は連携をしながらやっていこうと、これもいいことだと思っています。  大臣がおっしゃってくれたことに賛同もしていますし、そうなっていくように私も努力しているんですけれども、一つなかなかうまくいっていないところがあるんです。路線バスなんです。運賃改定は、二十五年、二十六年、二十七年やってこれなかったものが国交省の英断で前に進みましたけれども、タクシーと違って、運賃改定したからといって労働者に即跳ね返るわけでは当然ないわけですけれども、そして今回出しているのが外国人労働者ということなんですけど、それも即効性は私当然ないわけで、このバスが今どういう状況にあるのか、その認識をちょっと伺いたいと思います。  報道等でも出ていますけれども、この減便だとか廃線、これ今どのくらいあるんでしょうか。
  • ○国務大臣(斉藤鉄夫君) 全国の一般路線バスのうち減便の対象となった路線について調査したところ、直近の二か月間で平均で二割程度便数が減少しているものと承知しております。これは減便でございます。  それから次に、廃止された路線ですが、また、全国の一般路線バスのうち廃止された路線については、令和四年度で合計千五百九十八キロメートルとなっており、これは全国の乗り合いバス路線の約〇・二%程度でございます。令和五年度末に、八月末までの五か月間で廃止された路線は月平均百五十キロであり、これは過去十年の月平均百十二キロと比べ多いものとなっています。  このように、全国的に路線バスの減便、廃止が生じているところでございまして、国土交通省としても、地域住民や観光客の移動手段確保の観点から危機感を持って受け止めております。引き続き、状況を注視していくとともに、さきの通常国会で成立した改正地域交通法の枠組みや関連予算を活用し、地域公共交通のリデザインの取組を進めてまいりたいと思っております。
  • ○森屋隆君 大臣、ありがとうございます。  相当な数が廃線になっていると。聞くところによると、四月以降また働き方当然変わりますから、ダイヤ改正で当分、またかなりの数がなくなるんじゃないかと、こんなふうな予測もされています。  大臣、所信の中で、バスだけじゃないですけれども、タクシーも含めてだと思いますけれども、早期の賃上げをするんだと、こういったことがあったと思います。春闘で上げれるような状況をつくるのも大事だと思うんですけれども、カンフル剤じゃないですけれども、もう即効性がないと、今離職予備軍がいるんですよ。今頑張っているけれども、もう駄目だと、見切りを付けると。やっぱりいろんな業種で人手が足りないわけですから、ある意味売手といえば売手の状況ですからね。  しかし、公共交通が崩壊したら困るのは国民です。この即効性、あるいは大臣が言った早期の賃上げ、財源の確保、こういった働く者に直接届く、私、これ予算委員会でも総理にも申し上げましたけれども、検討してくれと。  大臣、早期の賃上げ、どういったお考えのところからそういった所信の発言になっているか、是非そこをお聞かせください。
  • ○国務大臣(斉藤鉄夫君) 即効性のある緊急的な施策とは何かということでございますけれども、国土交通省といたしましては、運賃算定基準の見直しや運賃改定の迅速化により早期の賃上げ等を促進していくということ、それから二種免許取得費用の支援などを進めてきたところでございます。  これらにつきまして、令和六年度当初予算において所要の予算を要求しており、また先般取りまとめられました経済対策においてもこうした施策が盛り込まれております。必要な予算額の確保に向けて、まずはこの補正予算からしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
  • ○森屋隆君 大臣、この補正予算も大事だと思っています。  今日もニュースで入ってきたんですけれども、EVバスを導入していくこと、これも当然そういう方向です。地域によってはかなり大きな額でEVバスを入れていくと、まあ四十億近い額で支援していくということも出ていましたけれども、EVバスどんどん入れるのはいいんですけど、ドライバーがいないとこれもう話にならないわけですから、是非ここは、先ほど言ったように、予備軍が、本当にもう今どうしようか悩んでいる人いるんです。このまま本当に続けていいのか、もう三十、三十五になれば見切りを付けて新たな仕事に就いて二十年、三十年働いた方がいいのかって、やっぱり悩んでいる人多いんです。やっぱりここを是非、交通運輸で、バスで、地域で仕事をしていけると、こういうような状況をつくっていただきたいと思います。  次に、これは物流の関係です。物流のモーダルシフトの推進についてお聞きをしたいと思います。特に、現行、内航フェリー等の活用促進についてお聞きしたいと思います。  このフェリーの活用について、財源の大幅な確保を十年間で倍増させると、こういった考え方のようですが、この現行の取組を教えていただきたいと思います。
  • ○国務大臣(斉藤鉄夫君) フェリーを始めとする国内海運は、トラックと比較して大量輸送に強みを持っております。このため、海運へのモーダルシフトを推進することは、物流の効率化を図り、いわゆる物流二〇二四年問題へ対応する上でも有効な手段であります。  海運へのモーダルシフト推進に当たりましては、輸送ルートの見直し等について荷主や物流事業者からの御理解をいただくことが不可欠ではありますが、国土交通省では、まずはどのような航路においてモーダルシフトが可能であるかをお示しするため、本年八月から、中距離、長距離フェリーの積載率を公表し、空き状況の見える化を進めております。また、国内海運における輸送量の増加に対応するため、コンテナやシャーシの導入を促進するなど、受入れ環境の整備を進めてまいりたいと考えております。  さらに、トラック輸送については適正な運賃収受が行われていないとの懸念もあるため、国土交通省がお示ししている標準的な運賃の引上げといった取組なども進めてまいりたいと考えております。トラックが安いからなかなか内航海運に行かないという面もあります。トラックを標準的な運賃にすること、これはモーダルシフトを進めていくことにもつながってくると、このように思っています。  国土交通省としては、本年六月に策定した物流革新に向けた政策パッケージや十月に策定した緊急パッケージを踏まえ、各種施策を総動員し、官民を挙げてモーダルシフトを推進していくとともに、そのために必要な予算の確保に努めてまいります。これも補正予算でしっかり対応できるように今頑張っているところでございます。
  • ○森屋隆君 大臣、ありがとうございます。  私も自分なりに、このモーダルシフト、例えば貨物だったりフェリーだったりに助けてもらうというか、そこをバトンタッチしてドライバーの不足を補っていく、これは大変いいことだなと思っています。  そして、今大臣が答弁ありましたように、受入れ体制を整備していくということで、私も実はこのフェリー会社の方にちょっと視察に行っていろいろお話を聞きました。  大小あると思うんですけれども、そこは五千トンクラスのフェリーが二つ、二そうっていうんですかね、あって、当時は、二県を結んでいるわけですけれども、観光の方もいる、あるいは生活に使っている人もいるし、また、今大臣言ったようなトラックも、私が行ったときは二台ぐらい大きなトラックありまして、材木だったですけれども、積んでいたものを、それをその間フェリーで運ぶと、向こうの県に着いたらまたドライバーがそこから輸送すると、こういうことなんですけれども。  受入れ体制の方のを聞くと、フェリー自体がもう三十年だっていうんですよ。それで、新造船というんですかね、新しく造らなきゃいけないところにもう来ているんだけれども、五千トン級クラスだとやっぱり三十億ぐらいするというんですね。それで、船でいえば船検、車でいえば車検ですけれども、年に一回やるのも三十年ぐらいたっているものだとやっぱり一億ぐらい掛かるらしいんです。そして、観光ではもうなかなかその三十億、五千トンクラスのそのフェリーをもう維持していけないから、これも受入れ体制の方がかなり脆弱になっていると、こういうことです。ましてやそこで働いている人も、これもやはりそういう状況ですから賃上げ等々もなかなかできていない中で、賃金がやっぱりどうしても低く抑えられていると、こういう悪循環になっているんですね。  だから、トラックから途中まで行ったらフェリーで運んでいただいて、また県の方に着いたらトラックで運ぶと、この考え方はいいんですけれども、そのことがうまく本当にいくのかなと、こんな心配もそこで私はちょっとしました。  もう一つは、そこで聞いたのは、災害時にやはり高速道路や道が寸断されたときに、避難のそういう二県での協定も結んでいるというふうに聞きました。南海トラフ等々あったときには、やはりフェリーでの避難ができたりとか、いろんな災害時にもそのフェリーを活用すればいいんだという、その協定はかなり前からしているらしいんですけれども、実は一回もその練習というんですかね、そういったのもしていなくて、実際にはそういったときが起きたら、災害いつ何どき起こるか分からないわけですから、結果的にはどうしたらいいんだろうと、そんなことも実は言っていました。なかなか、決まりはあるんだけれども、実践的になっていない。だから、今回のこのモーダルシフトも、考え方は私非常にいいと思うんです。しかし、本当に実践に移せるのかなと。  トラックドライバーにもかなり聞いたら、そこは二時間、三時間の移動なんですけれども、非常に助かるというんですよね。やはりそれをうまく財源も含めて前に進めていってほしいなと、こんなふうに思います。私もしっかり頑張りたいとそこは思っていますので、よろしくお願いします。  もう一点は、自動運転について少しお聞きをしたいと思います。  この自動運転についての国交省の考え方なんですけれども、経済産業省が十月の十九日に、新たな自動車運転サービス、この実現に向けた環境を整備するということで、二〇二五年度までにレベル4のモビリティ・アクセラレーション・コミッティ、何か舌をかみそうな、そんな会を十一月頃、もう立ち上がったんですかね、これ、これからですかね、立ち上げると、こう発表がありました。  しかし、このレベル4ですけれども、日本でもちょっと事故がありました。海外でも死亡事故が複数あると思います。この事故が発生している中でこの運行も中止を今しているところが多いと思うんですけれども、日本では二六年度にこの無人タクシーを都心で五百台規模で運用すると、こんなようなことも見込まれているそうです。  この状況の中で、改めてここも斉藤国土交通大臣のこのレベル4、これについての御認識と、この会に今後設定、設置されると思うんですけれども、国土交通省としてこの重要な役割というのはこれは何なのか、ここをお聞かせいただきたいと思います。
  • ○国務大臣(斉藤鉄夫君) まず最初に、無人運転タクシーに対しての考え方、無人運転に対しての考え方でございますが、日本での無人自動運転タクシーサービスについては、現在、ホンダにおいて二〇二六年初頭の開始を目指していると承知しております。こうした自動運転サービスが実用化されれば、ドライバー不足への対応や地域公共交通の維持、改善などに資するものとして期待されるところでございます。  自動運転サービスの実現に当たっては、安全性をしっかりと確保することがもう大前提、重要と認識しております。一方、委員御指摘のとおり、アメリカでは自動運転タクシーサービスなどにより重大な事故が発生していることも事実でございます。  国土交通省としましては、アメリカで発生した事故なども教訓とし、自動運転の社会実装と事業化に向けて、安全性の確保を前提に、事業者や関係省庁と連携しながら取り組んでまいりたいと思っております。  それから、二点目のこの自動運転レベル4コミッティーに対しての考え方でございますが、実は、このコミッティー、先月の十月十九日に経済産業省と国土交通省が共同で立ち上げを行いました。正式名称はレベル4モビリティ・アクセラレーション・コミッティでございます。  この委員会は、自動運転の一層の普及拡大を図るため、経済産業省と国土交通省が、総務省や警察庁といった自動運転に関係する省庁と情報共有を図りつつ、自動運転サービスの実現を目指す事業者が安全かつ円滑にサービスの導入ができるよう、各省庁の手続の進捗管理を行う、こういうことを目的としたものでございます。  国土交通省としましては、委員の御指摘のとおり、安全の確保を大前提に、自動運転の社会実装と事業化に向けて、事業者や関係省庁と連携しながら取り組んでまいりたいと思っております。
  • ○森屋隆君 時間が来たから、まとめます。  大臣、是非イニシアチブ取っていただきたいなと思っています。この自動運転については今後もしっかり議論させてください。よろしくお願いします。  終わります。
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