議事録
予算委員会 2024年3月8日
2024.03.08
- ○森屋隆君 立憲民主・社民の森屋隆でございます。 今日は質問の機会をいただき、ありがとうございます。よろしくお願いをいたします。 福島議員の更問いになりますけれども、総理、今、この政治と金の問題、もう国民は、誰がキーパーソンなのか、この間の野党の追及でもう分かっているんです。ですから、その国民の気持ち、本人の言葉で説明をしていただきたい、これが国民が求めているんですよ。総理に、政治に求めているんです。 甘利氏の問題そして下村議員の問題、これは総理、何としてもしっかり本人から説明をしていただきたいと思います。総理、決断をお願いします。
- 内閣総理大臣(岸田文雄君) まず、国民の皆さんが自民党の政治と金の問題において大変大きな疑念の目を向けておられる、政治不信を招いている、このことについては心からおわびを申し上げます。 その上で、この問題について事実を確認して、そして責任を果たし、再発防止に努めなければならない、こういったことでありますが、今日まで検察による捜査が行われ、法律的な責任が追及をされました。そして、それぞれ関係者も、その検察の捜査に基づいて事実を確認し、そして収支報告書の修正を行いました。そして、本人の説明、会見等の説明が行われたわけですが、自民党としても聞き取り調査等を行って、再発防止やあるいは政治責任を考える際に事実を確認した。 こういった取組を進めてまいりましたが、委員の方から具体的な名前が出ておりましたが、基本的なこの状況において、国民の皆さんは派閥の幹部が会の事務運営に十分な認識を持っていなかったこと自体に対して厳しい目を注いでいると思いますし、また、捜査が継続していたとの事実はあるものの、問題が発覚してから関係者による説明が行われるまで時間を要しているということ、また、政倫審に関してその方法等をめぐり調整が難航していると、難航したこと、こういったことを通じて、国民の政治不信、ますます高まっている、このことを厳しく受け止めなければなりません。 こういった点を通じて、こういった点を通じての国民の不信に対して具体的にどう応えていくのか、関係者において説明責任を尽くしていきたいと考えています。
- ○森屋隆君 総理、短くですね。下村議員も、準備をしていると本人言っているんです。させない理由がないじゃないですか。させるかさせないかですよ、総理。一言でいいです。
- ○内閣総理大臣(岸田文雄君) これ、これから、これは先ほどから申し上げているように、政倫審の規則自体が説明者の意思を尊重するということになっています。この規則に基づいて、この政倫審の運営が判断されるものと考えております。
- ○森屋隆君 総理、国民は本当に政治を見放すと思いますよ、こんなことやっていたら。私、本当にそう思います。 国民は、このようなお金の集め方にも疑問を持っています。ちょっと読みます。 派閥パーティー禁止を訴えながら、自らは一時間で利益約六百円に上るぼろもうけパーティー、(発言する者あり)六百万円に上るぼろもうけパーティー。コロナ禍で編み出していた別の錬金術。国民は苦しんでいるコロナ禍の真っただ中に、二〇二一年六月から九月にかけて毎月、オンライン研修会と銘打った会を開き、四回で計千五百二十八万円の収入を得ていた。費用は約二百六十八万円で、利益は千二百万円を超える。事実上の政治資金パーティーだが、幾つか異なる点があると。通常の政治資金パーティーを開く際の会場費を調べると約二百万、オンライン研修費では六十万円程度。利益率は通常では七五%だが、この四回の研修会の利益率は約八二%に上る。加えて、こうしたオンライン会には収支の透明度が低くなる抜け道が存在している。 そもそも、政治資金パーティーのオンライン開催について、政府は認めていないという見解だ。人を集めずオンラインで開催するものは、人を集めて行う会合と解することは難しい、二〇二〇年十月二日、政府答弁書。政治資金パーティーの会費は、献金、寄附ではなく、催事の対価という建前だが、オンライン開催で飲食の提供どころか会場費さえも掛からないとなると、その建前が維持できないからだと。 そして、複雑なのは、このオンラインの会が禁じられているわけではないという点だということなんです。総務省は、政治団体が事業としてオンラインの動画視聴によりお金を集めることができないという規定はない、機関紙の発行その他事業に該当することになると、政治資金課。結果、オンライン開催が政治資金集めの新たな抜け道に利用できてしまうとするのは、派閥の裏金問題を告発した上脇博之神戸学院大学教授。コロナ禍でやむを得ずオンライン開催したのであれば、せめて政治資金収支報告書に政治資金パーティーと同等の記載をするのが筋と。 議員たちの間では混乱もあったようですけれども、オンラインパーティーを開催した議員でも、やはり報告書でそれを政治資金パーティーとして扱い、参加者数や二十万円以上の支払をした者の氏名を公表しています。そうした議員がいる中で、例年の政治資金パーティーと同じ名称で開催をし、収支報告書への記載をしたのに対し、オンラインと銘打って事実上の政治資金パーティーをその他の事業として計上し、透明度を低い形にして記載をした者もいると。オンラインパーティーは年一回ほど開催している議員がほとんどなのに対し、立て続けに四回開催している。オンライン開催という利益率が高くて透明度の低い資金集めの手法をフル活用した。政治資金のガラス張りを求める国民は納得するだろうかと。 こういうことなんですけど、総理、コメントいただけますか。
- ○内閣総理大臣(岸田文雄君) 今は、オンライン開催のこの会合についての御指摘が随分たくさんあったと思います。 ちょっと具体的な案件が、ちょっとその、今手元に何も資料ありませんので、それがどういった形で問題になるのか、ちょっとすぐに申し上げられませんが、いずれにせよ、先ほども申し上げたように、国民の皆さんは政治と金の問題について大きな疑念の思いを持っておられる、政治に対して厳しい目を注いでおられる、このことは深刻に受け止めなければならないと思います。 そして、信頼回復のために、様々な説明責任等、努力をしなければいけない。御指摘のオンラインにおける会合についても説明責任を尽くすことが求められるものであると認識をいたします。
- ○森屋隆君 そういった問題もあるということで、まあ決して違法ではないのかもしれませんけれども、少しどうなんだろうということなんです。 これも、次の問題に移りたいと思います。(資料提示) これも私は、国民不在、国民を置き去りにしている問題かとちょっと思っています。パネルを見てください。去年の四月の二十日に、私、ライドシェア問題について質問をしました、斉藤国交大臣に質問しました。 大臣、何が大事なんでしょうか。よろしくお願いします。
- ○国務大臣(斉藤鉄夫君) そのときの質問の趣旨は、お客さんがお金を払って移動サービスを受ける場合に何が一番大切なのかという御質問だったかと思います。 そのときに私がお答え申し上げましたのは、一つには、車そしてドライバーの安全性、二番目に、事故が起こった際の責任、三番目に、適切な労働条件、この三点が大事であると、このようにお答えいたしました。
- ○森屋隆君 私もまさしく同感であります。 次に、八月十九にです、十九日に、菅前総理が長野市内でライドシェアについて発信したんですね。 総理、菅前総理からライドシェアの働きかけというのはあったんでしょうか。あったかなかったかでよろしいです。
- ○内閣総理大臣(岸田文雄君) 菅前総理とは、定期的に会い、意見交換を行っております。そして、その意見交換の中でこのライドシェアという課題についても意見を伺ったことがあったと記憶しております。
- ○森屋隆君 あったということで確認をさせてもらいました。 そういったことがあったからかもしれません。十月二十三日の、この臨時国会の中で所信表明演説で、ライドシェアの課題に取り組みますと、こういった表明だったと思います。そして、私自ら、現場で奮闘する各分野の方々の生の声を聞いて、制度設計に生かしますということだったと思います。 総理、タクシー現場に何回ぐらい行って車座になっていろいろ意見交換したでしょうか。
- ○内閣総理大臣(岸田文雄君) 先ほどの件、ライドシェアについての意見伺ったのは事実でありますが、その意見を伺ったからこうした問題に取り組んでいるものではないということはしっかり確認しておかなければならないと思います。地域において、移動の担い手、足の不足、こうした課題に対して、デジタル行財政改革の一環としてこの問題に取り組んでいかなければならない、私自身がそういった問題意識で取り組んでいます。 その上で、その業界と車座等を行ったかという質問でありますが、いろんな業界の方とこの話、車座やっておりますが、福島県会津若松市では、配車アプリを使った相乗りタクシーの取組、これを視察させていただいた、こういったことはありました。 これを含めて、政府として、国交大臣あるいはデジタル担当大臣、それぞれがタクシー業関係者の話を聞いている、こうした対応を取っております。
- ○森屋隆君 総理、相乗りタクシーじゃなくて普通の、通常、この辺走っていますよね、東京。UDタクシーとか走っているじゃないですか。そのタクシー会社に行って話をしたか。行ったか行かないか答えてください、じゃ。
- ○内閣総理大臣(岸田文雄君) タクシー業界の関係者そして会社には、私も政治家としてこれまで何度となく足を運ばせていただいております。ただ、内閣総理大臣として関係者の方々と車座等を行ったのは、先ほど申し上げた例を挙げた次第であります。
- ○森屋隆君 行っていないことかと思います。 二十三日に総理がそういうふうな所信表明をして、四日後の二十七日に、小泉進次郎議員が四日後に質問をしています。そうしたら、総理は、デジタル行財政改革を立ち上げると、これ指示すると。これは早いですね。そして、河野大臣も、議論をスタートすると、こういうことです。 そして、規制改革会議がどんどんどんどん進んで、年が明けて一月の三十日に、総理が今度は施政方針演説で、一般ドライバーを活用した新たな輸送サービスを四月から始めると、そして六月からは法制度に向けて議論をすると。結果的にこのスピードで行っているんですよね。そして、現場にも行っていない。総理は行くと言ったけど、行っていないんですよ。スタートありき、六月ありき、現場視察と検証なしなんですよ。こういうことで進んできているんです。 この四月から行われる日本型のライドシェアというのはどういうものでしょうか。短めにお願いします。
- ○政府参考人(鶴田浩久君) 本年四月から開始する新制度は、タクシーが不足する地域、時期、時間帯において、その不足分を補うために、タクシー事業者の管理の下で地域の自家用車、一般ドライバーを活用する運送サービスです。
- ○森屋隆君 不足しているところを補うためにやるということだと思います。この七十八条の三号というところだと思うんですけれども、これ、斉藤国交大臣、総理は、所信のときもそうだったんですけど、移動の足が不足しているからこういったことをやるという、これ、不足が、じゃなくなったら、これは一回止めるということでよろしいでしょうか。
- ○国務大臣(斉藤鉄夫君) この四月から始める施行につきまして現在制度設計を行っているところでございますが、基本的に、不足、タクシー不足が、不足する、先ほどありましたように、地域、時間帯等で行う予定でございます。 このタクシーが不足するということは、今あるいろいろなアプリを使ったそのデータからきちんと出して、この地域、この時間帯にはこれぐらい足らないというデータを科学的にしっかり出しまして、その不足分を補うという形でやらせていただく予定でございます。今、制度設計を行っております。
- ○森屋隆君 七十八条の三号を見ると、やむを得ない場合に限ってということがありますから、そのやむを得ない場合というのはまあ不足しているということでありますから、充足されてくれば余りやむを得ない場合じゃなくなると思うんで、その辺は検討していただきたいと、こういうふうに思います。 パブリックコメント、明日までだと思いますけど、どんな状況になっていますか。
- ○政府参考人(鶴田浩久君) パブリックコメント、二月九日から実施しておりまして、現在三千件弱の御意見をいただいております。 内容としましては、タクシー事業者ごとに使用可能となる車両の数、それから制度の対象地域、またタクシー事業者とドライバーの関係などについて様々な御意見が寄せられております。
- ○森屋隆君 河野大臣にも伺いたいと思います。 河野大臣、なんちゃってパブコメというのはどういったパブコメでしょうか。
- ○国務大臣(河野太郎君) かつて、パブコメをやって、パブコメが終了と同時に元の案でいきますというようなことがあったのは事実でございます。今回のパブコメは、そういうことではないよということでやらせていただいております。
- ○森屋隆君 なんちゃってパブコメもあったという認識でよろしいでしょうか。
- ○国務大臣(河野太郎君) いつの何だったか忘れましたけれども、自民党の部会の中でそういう議論をした覚えがございます。
- ○森屋隆君 松本総務大臣にお聞きをします。 なんちゃってパブコメというのはあるんですね。
- ○国務大臣(松本剛明君) 委員よく御案内のとおりですが、行政手続法第四十二条で、意見公募手続で提出された一般の意見に対する取扱いの適正を確保し、命令等を定める過程における公正の確保と透明性の向上を図るため、意見公募手続を実施した案について、提出された意見を十分に考慮しなければならないと定めております。 国土交通省におかれても、この規定に基づいて、提出された御意見を十分に考慮した上で命令等を制定されるものと考えておるところでございます。
- ○森屋隆君 余り答えになっていないんですけど、二〇〇五年からこのパブリックコメントってスタートしていて、約二十年ぐらいやっていると思うんですけれども、それであの政令とか省令を定めていると思うんですけれども、なんちゃってという、そんなことで定めてきたならこれ問題だと思うんですけど、なんちゃってというのは、ないんですか、あるんですか。
- ○国務大臣(松本剛明君) 法令に定められたとおり行政は運営されていますので、提出された意見を十分に考慮しなければならないと定められたとおり行われていると理解しております。
- ○森屋隆君 まあ、ないと思います。あったらこれはまずいですよ。ないんですか、あるんですか。
- ○国務大臣(松本剛明君) 承知をしている限り、法令に定められたとおり行われているというふうに理解をしておりまして、提出された意見を十分に考慮しなければならないと、定めに従って行われていると理解しております。
- ○森屋隆君 河野大臣、経済同友会の規制改革委員会から意見書というのがあったと思います。副題がなんちゃってライドシェアという意見書だそうですけど、それあったんですか。
- ○国務大臣(河野太郎君) 経済同友会から提言はいただいております。
- ○森屋隆君 なんちゃってライドシェアという副題があったかないかを聞いています。
- ○国務大臣(河野太郎君) 正確に覚えておりません。
- ○森屋隆君 委員長、これ、あったかないか、委員会で諮っていただきたいと思います。
- ○委員長(櫻井充君) 後刻理事会で協議させていただきます。
- ○森屋隆君 総理、命が懸かっているんですよ。今日も朝、雪でしたけれども、そういったときにタクシーやバスを使いたいんですよ。なんちゃってだとか、そういうおふざけのような、茶化したような、こういった姿勢でいいんですか。総理、どうですか。
- ○内閣総理大臣(岸田文雄君) 先ほど総務大臣からも答弁がありましたように、法令に従ってこのパブコメは行われておるわけですし、その参加者の意見、これが尊重されなければならない、これは当然のことであります。
- ○森屋隆君 総理、それは、法令に従っては私も分かっているんですよ。こういう真剣な、働いている人がいるんですよ、これで、しっかり家庭を守って。今日の雪の日でも、朝三時に起きて職場へ行って、そういう仕事をしっかりしている人がいるから移動ができるんですよ。 それを、総理が発信したライドシェアは、なんちゃってライドシェアだとか、そんな何かおふざけのようなやり取りをするようなものなんですか。そして、こういうやり取りが政治の中であっていいんでしょうか。総理、どうでしょうか。
- ○内閣総理大臣(岸田文雄君) ライドシェアをめぐっていろいろな意見や発信があるのかもしれませんが、委員おっしゃるように、この問題は、地域の足といった社会問題に関わる、そして命や暮らしに関わる重要な課題であると認識をしております。 パブリックコメントにつきましても、これは法律に従って厳正に行われなければなりませんし、関係者の意見、これはしっかりと受け止め、反映されなければならない、これは当然のことであります。政府としては、今申し上げました姿勢で取り組み、手続を進めてまいります。
- ○国務大臣(河野太郎君) 同友会の提言のタイトルは正確には覚えておりませんが、内容は、やったふりをしない、きちんと国民の移動の自由が確保できるようにしてくれという内容ですから、何かいいかげんなことをやれというのとはなくて、その真逆で、今、日本全国各地で、国民が移動ができない、病院にも行けない、命にも関わるような事態が起きている、それを解消するために国民の移動の自由を確保しろ、そういう内容の提言でございますから、いいかげんなことをやれという提言ではございません。
- ○森屋隆君 そのとおりなんですよ、河野大臣。 ですから、なんちゃってパブコメとかということは好ましくないということです。大臣、まあそういうことです。 それで、二〇一七年、このライドシェアのプラットフォーマーの関係について裁判がされています。EUで、最高裁で、このプラットフォーマーは通信事業者ではないということです、こういった判断がされています。 そして、総理が任命権者だと思いますけれども、このプラットフォーマー、この規制改革推進会議にこのプラットフォーマーというのは、今回のこのライドシェア、ずっと規制改革推進会議で議論してきた、ここにこのプラットフォーマーというのは入っているんでしょうか。総理が任命権者だと思いますけど。
- ○内閣総理大臣(岸田文雄君) IT事業者の方はメンバーとして入っていると承知をしています。
- ○森屋隆君 これ、利害関係に当たるようなことはないんでしょうか。
- ○国務大臣(河野太郎君) これはもう規制改革ですから、様々な分野の有識者に入っていただいて、様々な方面から議論をしていただくということで、何も利害関係者が議論しているわけではございません。これはもうタクシー、ハイヤーの関係の方にも入っていただいております。
- ○森屋隆君 利害関係の方も入っているということでいいんですかね、じゃ。入っているということですね。
- ○国務大臣(河野太郎君) 様々な方に入っていただいて、例えばタクシー会社を運営している方もお招きをして御意見を伺ったり、あるいは地域で様々な七十八条二号の運送事業に携わっている方にも来て御意見をいただいたりということはやっております。
- ○森屋隆君 総理、三月五日の火曜日、これ新聞に出ているものですけれども、LINEのヤフーで個人情報が流出、五十一万件流出をして、行政指導がありました。ここの会長をしている方がこの規制改革推進会議に参画していると思うんですけれども、こういった、何というんですかね、ライドシェアやるのにこういったアプリを使いながらやるということですけれども、この五十一万件流出した、こういった危険性、あるいはその国益というか、そういった危険性というのはどうなんでしょうか、総理。総理。
- ○内閣総理大臣(岸田文雄君) 先ほど河野大臣からありましたように、規制改革を議論するわけでありますので、様々な立場の関係者が議論に参画すること、これは重要な点であると思います。 その中で、関係者、いろんな関係者は参加するわけでありますが、この議論の方向性として、この危険性、これも重要なこの課題になると思います。その点も含めて、その会議としてどう判断するか、そして政府としてどう判断するか、これは適切に対応いたします。
- ○森屋隆君 ありがとうございます。 様々な、そういった危険性がある、あと安全性がどうか、いろんなことを認知している、理解しているんで、十月十七日に盛山文部大臣が、文科大臣が、この安易なライドシェアを認めるわけにはいかないと、それが国民のためだと、そして今だけを見て判断すべきではないという、こういうふうな、タクシー議連の中で、自民党さんのタクシー議連の中で発言があったようでございますけれども、どういった思いで発言をしたのか、そして今もその思いを貫いているのか、文科大臣、よろしくお願いします。
- ○国務大臣(盛山正仁君) 御指摘の昨年十月のタクシー・ハイヤー議連の会合に議連のメンバーとして参加し、お尋ねのような発言をしたことは事実でございます。 一方、文部科学大臣として、私の所管外の事項についてお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。
- ○森屋隆君 一会員として参加したというか、幹事長ですよね。
- ○国務大臣(盛山正仁君) おっしゃるとおりです。
- ○森屋隆君 ということは、まあこれ最後にしますけれども、大臣、その思いは貫いているんだということでよろしいでしょうか。
- ○国務大臣(盛山正仁君) 先ほど申し上げたとおりでございますが、文部科学大臣として所管外についてコメントすることは差し控えさせてください。
- ○森屋隆君 総理、派閥は解散したんだと思うんですけれども、宏池会、総理がよく言っている政策グループの方がそういう思いで、強い思いでやっているということなんだと思います。 二月五日、今国会ですけれども、これ衆議院の方ですけれども、二月五日、二月八日と、公明党の高木陽介議員が、ライドシェアの効果をこれしっかり見た方がいいと、四月以降のデータを見てやった方がいいということの発言だったと思います。私もそのとおりだと思いますし、二月八日の城内実議員については、先ほど裁判でありましたように、自家用車を使ったこの有償旅客運送とこのタクシー事業者以外の者によるライドシェアは全く違うということで、これまさに白タクなんだと断じています。 こういった三点を、今説明した三点を、岸田総理、どういうふうに受け止めますか。総理、お願いします。
- ○内閣総理大臣(岸田文雄君) 御指摘のこの発言あるいは質疑については、このライドシェアの議論に当たっては安全管理やドライバーの労働条件の観点を踏まえるべきである、こういった指摘であると受け止めております。 ライドシェアの課題については、先ほど来、この議論に出ておりますように、四月から実装する予定のこの地域の自家用車や一般ドライバーを活用した新たな運送サービスにおいても、御指摘の安全の確保、労働条件に係る課題を含め、制度の具体化を図るとともに、導入支援を実施する、このようにしております。 そして、それら施策の実施効果を検証しつつ、タクシー事業者以外の者が行うライドシェア事業に係る法制度について六月に向けて議論を進めていく、こうしたことでありますが、その際にも、ユーザーの利便性の向上や地域交通の担い手の確保とともに、安全の確保や労働条件に係る課題についてデジタル技術の活用を含め議論をする必要があると認識をいたします。
- ○森屋隆君 総理、ありがとうございます。 総理、私は、国会議員にさせてもらう前は、ハンドル握って、バスの運転手長くやっていました。そういった意味もあってですね、少しこだわりが強いのかもしれません。 バスの規制緩和で、総理も覚えていると思います、二〇一六年一月十五日、長野県軽井沢でスキーバスが転落をして大学生が十五人死亡しました、そして二十六人が重軽傷を行った。こういう事故があって、八年がたちました。 そして、二〇二二年四月の二十三日、まだ覚えている方もいっぱいいると思います、知床遊覧船KAZUⅠの問題です。二十六人が亡くなりました。これもあの規制緩和、運航管理。このときは、天気が余り良くなくなるんだよと経験者は言っていたんですけど、やはりその経験が余りなかったようで、その見極めがちょっとできなかったようなこともあって、そして整備不良なんかもあって二十六人の方が亡くなってしまったと、こういった事故があります。 だから私、こだわっているんです。だから私は、なんちゃってだとか、そういったことにちょっと憤りを感じてしまい、ちょっと不適切な発言もあったのかもしれませんけれども、こだわっているんです。 総理、総理はおっしゃっていただいております、新しい日本型資本主義、新自由主義からの転換、規制緩和、構造改革等の新自由主義的政策は確かに我が国の経済の体質強化と成長をもたらしたと。他方で、富める者と富めざる者、持てる者と持てざる者の分断を生んでしまったと総理言っています。成長のみ、規制緩和、構造改革のみでは現実の幸せにはつながっていきません。公共や公益、格差是正、配分を重視する姿勢を打ち出していきますと総理言っているんですね、総理言っているんです。 ということは、総理、六月でですね、六月でデータを取れて、二か月でデータを取れてやるというのは余りにも、データがそれでは私は全く同じ事故が起きてしまうと思うんです。総理、そのことをよく、総理の判断で、もう一度こういう事故を起こしちゃいけないんですよ、総理。
- ○内閣総理大臣(岸田文雄君) まず、委員が紹介してくださった発言はまさにそのとおりでありまして、私自身、これまで、やはり経済政策考えるに当たって、マーケットや競争に委ねるだけではこの社会課題の解決につながらない、だからこそ、新しい資本主義、この官民の連携が重要である、そして成長と分配の好循環を実現しなければならない、こういったことを申し上げているわけであります。 そして、委員の方から先ほど幾つか事故の、事故を挙げられて、こんなことがあってはならない、これ、そのとおりだと思います。事故を繰り返すことはあってはならないということでありますが、このこれらの事故についても、この運転安全、失礼、運輸安全委員会等において、客観的、専門的な調査において、事業者が当時の法令を遵守せず必要な運行管理を実施していなかったこと、そして運転者や操業者に十分な指導、教育を行っていなかったこと、これ事故調査報告書の中で指摘をされています。要は、当時の法令を遵守していなかった、これが指摘をされています。 安全にもしっかり配慮した上で規制緩和を行うという議論と、法律を、法令違反を行ったこと、これは同一に論ずることはいかがかなと思っております。 是非、この重大事故に受けては、向けては、重要事故に関しては、法令の遵守状況、これをしっかり確認することが重要であり、そして今の議論においては、安全性もしっかり配慮して、あるべき規制緩和を考える。これは整理して議論するべきことであると考えます。
- ○森屋隆君 是非、総理、しっかり安全かどうかを吟味していただきたいと思います。 そして、最終的に総理が描いている、この六月以降法改正するのかどうか知りませんけれども、私は、その今言った中で、総理も法改正をしないというようなことを言っているのかなと私感じているんですけれども、総理が言っているその自家用車のライドシェアですよね。これは、四月一日から障害者差別解消法が、四月一日から義務化されますけれども、車椅子の方が乗れるんでしょうか。総理です、総理が提起していますから。総理が描いているこのライドシェアですね、これ四月一日から合理的配慮、車椅子の人、乗れるか乗れないか。
- ○内閣総理大臣(岸田文雄君) これから議論を進めていくわけですが、国民の皆さんの生活を支えるわけですから、様々なこのニーズに応えなければいけない、多様な車種も想定されるものであると認識をいたします。
- ○森屋隆君 自家用車のライドシェアって、自分の持っている車で行くんじゃないんですか、総理。
- ○国務大臣(斉藤鉄夫君) 四月から施行される、日本型ライドシェアと言っておりますけれども、これは現法制下における七十八条二号、三号によって行うものでございます。この中で、自家用車として、車椅子を乗せることができる、そういう自家用車を持っていらっしゃる方が参加できる、そういう制度設計もできますので、今のような御意見も含めながら今後制度設計をしていきたいと思います。
- ○森屋隆君 国交大臣が今フォローしていただいたんだと思うんですけれども、本来言っているライドシェアって、私、そういうふうにみんな捉えていないと思います、大臣。今こういう話が出てそういう話になっていますけど、そういう観点全然話し合っていないですよ、この合理的配慮も含めて。 要は、交通弱者の方、総理が心配しているですね、高齢者の方や障害者の方、妊産婦さんが使えるタクシーは、今のタクシーが、UDタクシーが九万台あるんですよ。そして、そこの乗務員は、十三万人の乗務員がそういう研修もしていますから、だから安心して乗れるんですよね。そういったふうに、ここですぐ四月からなるんですか。 もう一度、更問いです。お願いします。
- ○国務大臣(斉藤鉄夫君) 今回、四月から施行するものは、基本的に、今タクシー不足が現実に起きております、それに対応するものでございます。ユニバーサルタクシーが現実に使えない、そういう地域、時間帯もございます。そういうところにはきちんと対応できる制度設計、こういうこともしっかり考えていきたいと思います。
- ○森屋隆君 総理、何回もの質問でちょっと大変恐縮なんですけれども。 やはり、今日は雪が降りました。四月から六月のそのデータの調査で、二か月間で、多分、四月から六月だともう雪とかは降らないんだと思いますし、その頃は台風も来ないんだと思うんです。やはり、一年とか二年とか、本当にやるんであれば、安全を担保するためにそういったしっかりデータを取って、急いでやるという、総理が今タクシーが足りていないというそういう心配もあるのかもしれませんけれども、やはり総理、今トラックの運転手さんもバスの運転手さんもなぜ足りないのかということなんですよ、元々は。そこを総理が考えてくれないと、幾らこういうものを用意しても、そこで働いてくれる人の条件や賃金を考えてくれないと、堂々巡りみたいになっちゃうんです。 今、春闘ですから、総理もこの春闘に旗を振っていただいていると思います。そういったことを、総理、しっかり考えていただくことをお願いし、申し上げ、質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
- ○委員長(櫻井充君) 以上で森屋隆君の質疑は終了いたしました。